先週は2021年最大の値幅=米ドル/円

米ドル/円の値動き(ボラティリティー)が活発化している。先週の最大値幅は2.5円となり、週間値幅としては2021年最大となった。また月別の週間値幅平均で見ても、11月は先週までの段階で1.6円以上となり、10月の1.5円を上回って2021年最大となっている(図表1参照)。

【図表1】米ドル/円の週間値幅平均 (2021年1月~)
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

こんなふうに、週間値幅拡大が10月以降顕著になっているのは米国の超金融緩和政策の転換を受けて米金利上昇=米ドル高の動きが強まったことが大きいだろう。10月初めの時点では1米ドル=110円台だった米ドル/円は、11月は一時115円台半ばまで上昇した(図表2参照)。

【図表2】米ドル/円の推移 (2021年1月~)
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

米ドル/円の年間値幅は、10円前後の小動きが2017年から2020年まで4年も続き、構造的な小動き化の可能性も注目されていたが、2021年の最大値幅はこれまでですでに13円程度まで拡大するなど、かつてなかったほど長期化していた小動きからようやく脱出する兆しが出ていた。

明日から12月に入る。12月は、基本的にクリスマスが始まる月後半は欧米の市場参加者が少なくなり、薄商いで小動きが続く傾向があるものの、年内最後のビック・イベントとして位置付けられることの多い12月FOMC(米連邦公開市場委員会)までは活発な値動きが期待されることが多かった。

ちなみに、今週の値幅も1.5円前後に拡大するとした場合、114円を上回れないようなら、112円半ば程度まで米ドル反落が広がるリスクがあるといった計算になるし、逆に113円を大きく割り込まないようなら、114円半ば程度まで米ドルは反発する可能性があるといった計算になる。