2026年のメキシコペソ/円は6.5~9円で予想
メキシコペソ/円は、長く続いた上昇相場が2024年5月に9.4円で終わると、2025年4月には6.8円まで下落しました。この間に最大で3割近く下落する、「暴落」が発生しました(図表1参照)。
メキシコペソ/円の過去5年間の平均値、5年MA(移動平均線)からのかい離率は、2024年5月に高値を付けたところでプラス40%以上に拡大しました(図表2参照)。これは明らかに極端な「上がり過ぎ」、つまり「バブル」の可能性があるでしょう。その意味では、その後の3割近い暴落は、「バブル破裂」と言ってもよい結果だったのではないでしょうか。
ただ下落が4月で一巡すると、その後は一転して大きく上昇に向かいました。メキシコペソ/円は8円も大きく超えて、再び9円を目指しかねない動きとなりました。これは米ドル高・円安傾向が続く中で、なお高い金利の魅力のあるメキシコペソを円に対して買う動きが再開したということでしょう(図表3参照)。
そうした中でメキシコペソ/円の5年MAかい離率は再び2割近くまで拡大してきました。「バブル」再燃というほどではないものの、「上がり過ぎ」懸念が強くなっていることは確かでしょう。円安がクライマックスを迎え円高に反転する時には、「上がり過ぎ」の反動も重なり大きく下落するリスクも抱えているのではないでしょうか。以上を踏まえ、2026年のメキシコペソ/円は6.5~9円で予想します。
2026年の南アフリカランド/円は7~9.5円で予想
メキシコペソ/円で述べてきたことは、基本的に南アフリカランド/円にもかなり当てはまるのではないでしょうか。南アフリカランド/円も2025年4月にかけて急落しましたが、その後は一転して大きく上昇し、2024年の高値も更新する展開となりました。メキシコペソとほぼ肩を並べる高金利が評価されたこと、そして代表的な金の産出国である南アフリカだけに、金相場の記録的な上昇も買い材料になった可能性があるでしょう。
ただそうした中で南アフリカランド/円の5年MAかい離率は、再び2024年に記録した水準に迫るまで拡大してきました(図表4参照)。これを見ると、南アフリカランド/円もかなり「上がり過ぎ」懸念が強くなってきた可能性がありそうです。2026年の南アフリカランド/円は、7~9.5円で予想します。
2026年のトルコリラ/円は3~4円で予想
最後はトルコリラ/円についてです。一時50%まで引き上げられたトルコの政策金利は、足下では40%を割れるところまで引き下げられましたが、それでもなお突出した高金利であることには変わりありません。それにもかかわらず、2014年頃から続くトルコリラ/円の長期下落トレンドは2025年も変わることはありませんでした。
トルコリラ/円は長期下落トレンドが続く中で、基本的には過去1年間の平均値である52週MAを大きく超えられない状況が続きました(図表5参照)。その52週MAは足下で3.8円程度です。この52週MAを5%以上と大きく上回ることができるかが、トルコリラ/円の長期下落トレンドに終止符を打つ1つの目安になるでしょう。2026年のトルコリラ/円は3~4円で予想します。
