金利 の記事一覧
吉田恒の為替デイリー
米政策転換とマネー逆流、翻弄される新興国
米国の金融政策転換は、これまで、基本的に外資への依存の高い新興国経済を翻弄してきた。
米緩和局面では、「米国→新興国」といった資金の流れから、新興国の多くは実力以上の通貨高となった。そして、米緩和見直しでは、「新興国→米国」といった流れから、新興国通貨の多くは大幅な下落リスクが拡大するところとなった。
吉田恒の為替デイリー
クロス円「底値圏」の可能性を考える
8月にかけて主要なクロス円は軒並み大きく下落したが、基本的に52週MA前後で踏みとどまり、経験的にはあくまで一時的な下落に過ぎない可能性となっている。
本来、株価と順相関のクロス円が7月以降株高を尻目に「異例の下落」となった動きは、じつは米金利低下の影響があったようだ。ただ、その米金利も「下がり過ぎ」圏にあることからすると、上述の「一時的な下落に過ぎない」といった判断とも一致する。
吉田恒の為替デイリー
米金融緩和見直しと新興国通貨のリスク
米金融緩和見直しが現実的になってきたが、これまでは、リーマン・ショック後の金融緩和見直し局面も含め、米国への資金還流により新興国、資源国の通貨下落リスク拡大となることが基本だった。
とくに、中長期の割高懸念が強い通貨は、その反動も重なり大幅な下落に向かう可能性に注意が必要だろう。
吉田恒の為替ウイークリー
ジャクソンホール後、米金利と米ドルの行方は?
注目のジャクソンホール・パウエル発言の後は米金利低下・米ドル反落。ただ米金融緩和見直しの可能性が高まった中では、米金利低下には自ずと限度があり、基本的には米金利上昇再燃を手掛かりに、米ドル高・円安再開をにらむ展開か。
物価や雇用の客観データからすると、考えられる最短のシナリオである9月FOMCでテーパリング開始が決定される可能性もありそう。
吉田恒の為替デイリー
「パウエル発言」でなぜ米金利は低下したか
注目されたジャクソンホールでのFRB議長発言を受けて、米金利低下=米ドル下落となった。これは、米2年債利回りの短期的な「上がり過ぎ」反動の影響か。
今回の金融緩和見直しの確認といったことは、基本的には米金利上昇=米ドル高要因。短期的な行き過ぎを修正しながら、基本は米金利上昇=米ドル高か?
吉田恒の為替デイリー
早期テーパリングを見極めるマジック・ナンバー
7月FOMC議事録では、大半のメンバーがテーパリングの年内開始を支持していたが、8月以降デルタ株の影響への懸念が広がる中、果たして早期テーパリングは先送りされる可能性は出てきたのだろうか。
それを見極める上で、失業率に注目したい。「リーマン・ショック」後は失業率が過去10年の平均値を下回り改善する中でテーパリングが始まった。足元の失業率の過去10年MAは5.9%。これに対して8月失業率は今のところ5.2%とさらに大きく下回る予想となっている。
吉田恒の為替デイリー
テーパリングまでの金利と為替のシナリオ
いわゆる「テーパリング」が年内にも開始される可能性が出てきた。かつて、「リーマン・ショック」後の金融緩和見直し局面では、テーパリング開始に向けて金融政策を反映する米2年債利回りが大きく上昇。今回も同様なら、米ドル高要因になる可能性がある。
ただし、米金利上昇を懸念し、株価が急落する場合は米ドル/円下落リスクにも注意。
吉田恒の為替デイリー
米景気指標悪化でも米ドルが反発した理由
8月17日、米7月小売売上高が予想より悪い結果となったものの、米ドルは反発に転じた。先週金曜日の「ミシガン・ショック」以降米景気指標悪化が続いたが、米ドルもこれまでのところは「下げ渋り」の範囲にとどまっている。
米金利は、「ミシガン・ショック」以前から「下がり過ぎ」となっていた。このため、米金利低下を見込んだ米ドル売りの反動が入りやすくなっている可能性あり。
吉田恒の為替ウイークリー
米ドル/円の短期予想と「利上げでもメキシコペソ反落」の理由
先週の米ドル/円も米金利に連動する展開が続いた。週末はその米金利が大きく低下したことから、米ドル/円も反落。
ただ米金利は短期的には「下がり過ぎ」圏にあり、米金融緩和見直しの可能性が高まる中では、さらなる米金利低下は限られそう。米ドル/円も下落リスクは限定的か。
メキシコは先週連続利上げを決定したが、メキシコペソはむしろ小反落となった。これはすでに中長期的な高値警戒域にある影響が大きかったのではないか。
吉田恒の為替デイリー
米インフレ懸念が現実的になってきた!?
最近の米物価指標の急上昇は、1年前の「コロナ・ショック」の反動に伴う一時的なものとの説明が基本だった。
ただ、そんな「コロナ要因」を除外するべく、2年前との比較で見ても物価は年率3%程度といった具合に、FRBの目標を超える急騰となっている。
吉田恒の為替デイリー
米物価指標の金利と為替への影響を考える
今週はCPI、PPIと米物価統計発表が予定されているが、テクニカルに上昇率鈍化の可能性もある。では実際にそうなった場合、米金利低下、米ドル安となるか!?
名目金利からインフレ率を引いた米実質金利は、景気指標との関係で見ると「下がり過ぎ」の可能性あり。これが、名目金利自体の「下がり過ぎ」の可能性を示しているなら、物価統計の結果にかかわらず、米金利は低下より上昇バイアスが強いのではないか。
吉田恒の為替ウイークリー
雇用統計後の為替の行方と次の焦点
先週の米ドル/円は一時109円割れとなったが、週末は予想より良かった米雇用統計の結果などを手掛かりに110円台へ反発した。
米7月雇用統計で失業率が大きく低下したことにより、緩和の見直し、「テーパリング」開始が現実味を増した可能性あり。米金利上昇に連れて、米ドル/円が111円を回復、米ドル高トレンドに回帰できるかが次の焦点。
吉田恒の為替デイリー
「テーパリング」という金相場の急落リスク
2021年の金相場は米金利上昇への弱さが目立つ。2021年の金相場急落のほとんどは、あの「タカ派サプライズ」となった6月FOMC直後に代表されるように、米金利の大幅上昇局面で起こっていた。
米7月雇用統計を受けて、早期の「テーパリング」開始への注目も高まってきた。「リーマン・ショック」後に「テーパリング」が始まる時は、それに向けて金相場の急落が拡大しただけに、今回も要注意ではないか。
吉田恒の為替デイリー
米雇用統計の注目すべき数値とは?
4日、複数のFOMCメンバーの見通しは、年末年始から緩和の縮小、「テーパリング」開始で一致した。これは、これまで私が失業率の見通しを前提に述べてきた見通しと基本的に近いと言えるだろう。
失業率が米金融政策に大きく影響するといった観点で見ると、今後5.9%を継続的に、大幅に下回っていくかが注目点になる。
吉田恒の為替デイリー
「謎の米金利低下」の理由とは?
3月までの米金利急騰から一転、直近米金利は大きく低下している。この米金利低下については、28日FOMC終了後のパウエルFRB議長の記者会見でも話題に上った。
90日MAからのかい離率で見ると、3月までの米金利急騰は記録的な「上がり過ぎ」の可能性があった。このため、その反動に伴う金利低下が勢い余って最近は一転「下がり過ぎ」になっているということではないか。
吉田恒の為替ウイークリー
米金利で考える「一時的米ドル安」のシナリオ
米ドル/円は1月からの上昇トレンドラインを割り込み、下落リスクが試される状況が続いている。鍵を握るのは相関関係にある米金利か。
米金利は米10年債利回りの90日MAからのかい離率などを見ると、「下がり過ぎ」懸念が強くなってきた。リスクオンが続く中での米金利「下がり過ぎ」拡大には自ずと限度がありそう。
吉田恒の為替ウイークリー
米ドル/円と米金利、米金融政策の関係
先週米ドル/円は一時110円割れの急落となった。これは金利差から見た「上がり過ぎ」の反動と、この間の小動きの「レンジ」ブレークで下落に弾みがついたためか。
米ドル/円に影響する米金利の行方については、6月FOMCで急浮上した米金融緩和見直しへの思惑が過剰反応だったか否かが鍵になりそう。
吉田恒の為替デイリー
米ドル/円急落の背景と今後の焦点
米ドル/円は8日急落、110円割れとなった。これは、金利差から見た「上がり過ぎ」の反動と、この間の小動きを「下放れ」となったテクニカルな影響が大きかったのではないか。
米ドル/円の「道先案内役」米2年債利回りは、この間の「上がり過ぎ」もほぼ是正され、さらなる低下リスクは少なそうだ。ただ米ドル/円の小動き「下放れ」の影響はまだ注意が必要か。
吉田恒の為替デイリー
為替の新「道先案内役」米2年金利を考える
6月FOMC以降、米ドル/円などはそれまでの10年債利回り差ではなく、金融政策を反映する2年債利回り差に連動するようになった。
米2年債利回りは、すでに記録的な「上がり過ぎ」。先週、NFPが予想以上でも米金利低下となったのは、この「上がり過ぎ」の反動だろう。
ただし、「2年債利回りは金融政策を反映する」という意味では、金融緩和見直しの方向が変わらなければ、米2年債利回りの低下も限られそう。