現在のファンダメンタルズ:日銀会合後は円独歩安に
先週(12月15日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 154.384円~157.768円 157.766円
・ユーロ/米ドル:1.17029ドル~1.18040ドル 1.17075ドル
・ユーロ/円: 181.570円~184.747円 184.701円
先週(12月15日週)の米ドル/円:今回も総裁会見後の円安を繰り返す
先週(12月15日週)の米ドル/円は、週前半は12月16日の米国雇用統計を控えてやや上値が重たい展開となっていました。10月非農業部門雇用者数がマイナスとなったことを受け、一時154.384円の安値をつけたもののそこまで。154円台では押し目買いも根強く、その後は12月19日の日銀会合まで基本的に米ドルはじり高の展開をたどりました。
12月18日には米国CPIが予想よりもかなり低い数字であったものの、米国政府機関閉鎖中の数字ということから155円台前半へと若干押しが入った程度ですぐに戻し、12月19日の日銀金融政策決定会合は155円台後半で迎えました。
結果は事前予想通り0.25%の利上げで政策金利は0.75%となりました。声明内容も特段のサプライズは無く156円水準で総裁会見を迎えました。引き続き引き締めスタンスとはしたものの総裁会見でも具体的な追加利上げへの言及が無かったことから、改めて円安の動きが加速。総裁会見後は円安になるというこれまでの展開を今回も繰り返すこととなりました。NY市場では157.768円まで円安が進み、米ドル/円は高値引けとなりました。
片山財務相から円安懸念発言はあったものの、12月19日は東京市場から円安が進行していたこともあり、特に材料視されず、今後発言のトーンに変化が出てくるまでは静観といったところでしょう。
今週(12月22日週)は12月24~26日が欧米を中心にクリスマス休暇となるため、実質的に動きが出てくるのは12月23日までです。通常は静かなクリスマス相場となりますが、流動性が低下するのでニュース等が出てくる場合には注意が必要です。
なお、来週12月29日のレポートは年末版ということで、2025年の振り返りと2026年の見通しをテーマにします。年始はカレンダー通り2026年1月5日から通常のレポート再開となります。
先週(12月15日週)のユーロ/米ドル:ユーロ/円は史上最高値を大きく更新
先週(12月15日週)のユーロ/米ドルは、週前半は米国雇用統計と実需のユーロ買いも重なって12月16日NY市場前場に1.18040ドルの高値をつけましたが、その後は急速に元の水準へと押し、週後半は1.17ドル台前半でのもみあいに終始しました。
一方ユーロ/円は米ドル/円と同様の展開をたどり週前半は底固め、その後日銀会合に向けてじり高の動きとなりました。総裁会見後の円安加速もあり、12月19日NY市場では184.747円へと史上最高値を更新し、ドイツマルク/円を換算したターゲットである188円台前半をレジスタンス兼ターゲットとする流れに照準を定める動きとなってきました。
米ドル/円チャート(週足)、平行チャンネルを上抜け年初来高値を視野に
長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。
週足チャート(図表1)では、上昇地合いが継続しこれまでの平行上昇チャンネルを完全に上抜けて引けたことから新たに青の平行上昇チャンネルを引きました。サポートラインは10月安値と先週安値を結んだラインです。
円安進行が早く11月高値、更には1月の年初来高値(158.872円)をうかがう展開となってきました。次の日足チャートで細かく見ていきましょう。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
米ドル/円チャート(日足)、2本の移動平均線は12月17日に改めてゴールデン・クロス
短期的な判断は日足で行います。
先週(12月15日週)の米ドル/円は、週初12月15日にいったんデッド・クロスを挟み、12月17日に改めてゴールデン・クロスとなり米ドル高となったところで12月19日の大陽線、週足で平行上昇チャンネルを上抜けたと同時に日足でも平行下降チャンネル(緑)を上抜けての週末クローズとなりました。
現状では青の平行上昇チャンネル内での動きを考えることとなりますが、上側に関してはまずは11月高値157.892円、そして年初来高値158.872円がレジスタンス兼ターゲットということになります。前者は今週(12月22日週)中に試してもおかしくはありませんが、後者は近いようで遠いのではないかというのが個人的な感触です。今週はクリスマスウィークでもあり158円台前半は上値が重くなりやすいとみています。下値については上抜けた短期下降チャンネル(緑)の上側のラインが156円台前半に位置していますので、同水準がサポートとなりやすいと言えます。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
ユーロ/米ドルは2週連続で週足移動平均線を上抜け上昇トレンド確定
ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。
週足チャート(図表3)は緩やかな青の平行上昇チャンネル内で先週(12月15日週)も週足移動平均線を上抜けて引け、2週連続ルールを満たしたことで上昇トレンドが確定しました。強いユーロ/円の影響も大きいのですが、テクニカルにユーロ/米ドルも上昇トレンドとなったことで、3通貨ペアともに上昇トレンド前提で考えていくこととなります。
日足チャート(図表4)を見ると2本の移動平均線は11月25日のゴールデン・クロス状態が続いていましたが、12月18日にデッド・クロスとなったことで、短期的には先週高値からの調整局面入りとなります。緑の平行上昇チャンネルを維持できない場合は調整が長引く可能性もありますが、長期トレンドがユーロ/米ドル高に転換していますので、次のゴールデン・クロスが買い場という判断になります。
ユーロ/円は史上最高値更新の流れが止まらず
ユーロ/円です。ユーロ/円(図表5)は史上最高値更新の流れが止まらず、先週(12月22日週)は185円を視野に入れる展開となってきました。長期上昇チャンネル(黄色)と中期上昇チャンネル(青)の中での動きを続けていますが、上側のライン(現状185円台前半)を上値の目処としながらもドイツマルク/円時代の換算レートとなる188円台前半がテクニカルには大きなターゲットとなります。
日足チャート(図表6)では12月5日のゴールデン・クロス状態が続いたままです。青の平行上昇チャンネルを見ると短期的にはそろそろ上値の目処に近いということも見えてきます。ユーロ/円の場合、完全に米ドル/円の円安の動きに支配されていると言えるので、米ドル/円で円安が進めば一段高、調整が入ればユーロ/円も下げるという状況です。米ドル/円がそろそろ注意すべき水準へと上がってきていますので、ユーロ/円も上側のラインからの反落に注意したいところです。
それでは今週も良いトレードを!
