現在のファンダメンタルズ:中東情勢の急展開でリスクオフと米ドル高を意識

先週(2月23日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円:  153.995円~156.821円   156.132円
・ユーロ/米ドル:1.17661ドル~1.18346ドル 1.18123ドル
・ユーロ/円:  181.995円~184.771円   184.432円

先週(2月23日週)の米ドル/円:高市首相が利上げに難色との報道で円安に

先週(2月23日週)の米ドル/円は、週初の2月23日は東京市場が天皇誕生日のため休場でした。前週からの流れを受けて、従来の「高市トレード」継続による株高と円安の動きが続きました。トランプ関税の違憲判断後も、別の法律に基づく新たな関税についてはまだ不透明なことも多いとの見方から、為替市場では材料視されにくい流れでした。

東京市場が再開した2月24日、1月のレートチェックはベッセント米財務長官の主導で行われ、日本の政治空白を警戒したものだったことが判明しました。ただ、相場への影響は特に見られませんでした。その後、高市首相と植田日銀総裁の2月16日の会談で、首相が日銀の追加利上げに難色を示したとの報道をきっかけに、急速に円安が進みました。前週高値を上抜けたことで、テクニカル面でも円安が強まりました。

その後、週末に向けては米国とイランとの協議を見守る流れとなりました。米国がイランを攻撃するのではという思惑も根強く、米ドル/円は2月26日には一時156.821円の週間高値をつけました。その後、仲介役のオマーンから協議進展の発言もあり、週末に向けては156円挟みでのもみあいのまま引けました。

そして週末2月28日、突然イスラエルがイランを空爆、米軍も作戦に加わったというニュースが流れました。イラン革命防衛隊が中東の米軍基地に反撃を行い、一気に緊張が高まりました。さらに最高指導者ハメネイ師の死亡が3月1日に発表され、週明けの金融市場への不透明感が強まったまま早朝市場は開始しました。

市場の動きとしては、原油高と米ドル建て金価格の上昇、株式市場の下落は予想通りです。為替市場は米ドル高で反応しています。一方、クロス円では円高となっており、通貨強弱の序列は「米ドル>日本円>欧州通貨」という動きで始まっています。週初はこの動きが継続するでしょう。今後の中東情勢と原油市場の動向を見ながら、この通貨強弱の序列が維持されるのかどうかを見極めていく必要があります。

先週(2月23日週)のユーロ/米ドル:狭い値幅でのもみあいが続く

先週(2月23日週)のユーロ/米ドルは、1.18ドルを挟んで週間レンジが69pipsに満たない静かな週となりました。週末の中東情勢の急展開により米ドル高の動きとなっています。また、欧州通貨が円よりも弱い動きとなっていることからユーロ/円はギャップダウンで始まりました。この動きが今後も続くかどうかは不透明です。中東原油に頼る日本の場合、原油高が株安と円安の材料となるため、当面は中東情勢を見ながらの展開となります。

中東情勢と原油については、今回のイスラエルによる攻撃の前に、既にOPECプラスでは原油増産が決まっていました。これは、原油価格が下落している中での増産でした。近年の戦争は情報戦の面が強く、イスラエルと米軍によるイラン攻撃が近いという見方もあったように思えます。過去にも原油価格が下げている中で増産が決定され、直後に紛争が起きたことがあります。今回もそのパターンを繰り返したことになります。

米ドル/円チャート(週足)、移動平均線上抜け1週目 

長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。

週足チャート(図表1)では、終値が2週連続で移動平均線を下回って引けた直後に、移動平均線を上回る引けとなりました。中東情勢を受けた米ドル高の動きから、今週(3月2日週)末の終値も移動平均線を上回る可能性が高そうです。そうなると、先々週(2月16日週)の下降トレンド確定は大いなるダマシということになりそうです。今週(3月2日週)は終値がどうなるのか改めて注意すべき週となります。

【図表1】米ドル/円(週足)
出所:マネックストレーダーFX
【週足チャートの見方】
長期トレンドは20週移動平均線と週足終値との位置関係で判断します。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。

米ドル/円チャート(日足)、2月18日のゴールデン・クロス状態が続く

短期的な判断は日足で行います。

米ドル/円は2月18日にゴールデン・クロスとなって以降、その状態が続いています。短期的には米ドル高・円安の流れのままです。ただ、緑のレジスタンスラインを日足の終値で上抜けて引けないと、2月上旬のような下げに転じる可能性もあります。下落に転じるきっかけとしては、中東情勢の変化で一段と円安への警戒感が高まり、当局の牽制発言が強まる、というところでしょうか。それでも下げたところでは押し目買いもわいてくるという、これまでの流れも変わらなそうです。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:マネックストレーダーFX
【日足チャートの見方】
短期売買シグナルは5日終値移動平均線(青)と5日始値移動平均線(赤)のゴールデン・クロス(GC)、デッド・クロス(DC)で判断します。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。
※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。

ユーロ/米ドルは収束局面継続

ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。

週足チャート(図表3)を見ると、短いローソク足が続き、もみあいが続いていることがわかります。長期平行上昇チャンネル(青)の上限と、短期平行下降チャンネル(緑)の上限とに挟まれています。中東情勢の変化により緑のラインを下抜け、青のサポートラインに近づく動きとなるのかが、当面の注目点でしょうか。日足チャートで見ましょう。

【図表3】ユーロ/米ドル(週足) 長期トレンド=上昇トレンド
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表4)ではユーロ/米ドルは2月25日にゴールデン・クロスとなりましたが、週明けに下げる動きとなったことでデッド・クロスに転じる可能性も高そうです。週足では緑のラインを下抜けそうに見えますが、日足ではまだ余裕があり、今週(3月2日週)前半の動きにかかっています。またピンクのレジスタンスラインを追加で引きましたので、今週(3月2日週)はこのラインが上値を抑えてくるかがポイントとなるでしょう。

【図表4】ユーロ/米ドル(日足) 短期トレンド=2月25日にゴールデン・クロスもデッド・クロスが近そう
出所:マネックストレーダーFX

ユーロ/円は長期上昇チャンネル内の動き

ユーロ/円(図表5)は、ここ2週間ほど円安の動きが続いたことで、長期上昇チャンネル内での動きに戻っています。週明け早朝はギャップダウンして始まりましたが、十分にチャンネル内での動きであり、上昇トレンドを継続中です。

【図表5】ユーロ/円(週足) 長期トレンド=上昇トレンド継続
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表6)でも2月18日のゴールデン・クロス状態が続き、現在はレジスタンスとなっていた青の中期サポートラインを明確に上抜けられるかどうかが目先の注目点です。ただ、その上には緑の短期レジスタンスラインがあり、ここは簡単には上抜けできない水準となります。中東情勢の初動で見られたユーロ/円の売りが正しいのかどうか、まずは見極めることになります。一方、日本経済に与える影響を考えると、円安に戻しそうな材料です。ただ、相場は「正しいかどうか」よりも市場参加者がどちらに動くかで決まります。そのため、動いた方向についていくしかありません。

それでは今週も良いトレードを!

【図表6】ユーロ/円(日足) 短期トレンド=2月18日のゴールデン・クロスが続く
出所:マネックストレーダーFX