現在のファンダメンタルズ:イラン情勢長期化懸念による米ドル高
先週(3月9日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 157.275円~159.747円 159.738円
・ユーロ/米ドル:1.14107ドル~1.16668ドル 1.14141ドル
・ユーロ/円: 182.258円~184.076円 182.330円
先週(3月9日週)の米ドル/円:米ドル高が続き160円の大台を伺う流れに
先週(3月9日週)の米ドル/円は、2月28日に始まったイスラエル・米国によるイラン空爆とイランによる報復の長期化懸念を受け、米ドル高が続きました。原油価格は週初からじり高となり、NY原油先物は週末には再び100ドルの大台をうかがう流れとなりました。ほかの金融市場も基本的にこれまで同様の動きを続け、株安と米ドル高の動きが続きました。また米ドル建て金価格は下落し、米国株価指数先物市場での証拠金差し入れのため、利に乗っている金を売却し、キャッシュ化する動きが見られました。
情勢の長期化懸念は、今週(3月16日週)も簡単には払拭されそうもありません。ただし、日本の場合は中東産原油のほとんどがサウジアラビアとUAEからの輸入です。サウジアラビアは紅海へのパイプラインで輸出の8割を迂回可能で、UAEもオマーン湾へのパイプラインで同様に6割を迂回可能です。そのため、日本の輸入への影響は本来小さいはずですが、国際的な原油価格上昇による影響が大きいようです。
またLNG(液化天然ガス)についても、日本の輸入先の多くはアジアで、これまでもホルムズ海峡経由のLNG輸入は全体の5%に過ぎません。とはいえ、いくら物を確保できても、価格が急騰し、為替も円安に動いていることを考えると、日本経済に与える影響は大きくなります。早期にイラン情勢が収束することを願うばかりです。
なお、米ドル/円は先週3月13日に年初来高値をわずかに更新し159.747円をつけました。159円台後半から大台160円にかけてはレートチェックの可能性が高く、大台を超えてくると実弾介入の可能性も高まります。米ドル/円については、ここからは米ドル高の動きによる影響は小さくなってくると考えられます。仮に現行水準から2~3円動く可能性を考えると、どう考えても円安よりも円高に動きやすいと思います。米ドルの売り場を探りたい参加者が増えてくる一週間ではないでしょうか。
先週(3月9日週)のユーロ/米ドル:米ドル高を受けユーロ/米ドル一段安
先週(3月9日週)のユーロ/米ドルは、米ドル全面高の動きの中、米ドル/円の上値が着実に重くなってくる中で、3月13日には1.14107ドルまで一段安の動きとなりました。結果としてユーロ/円も182.258円まで水準を下げてきました。テクニカルの項で分析しますが、ユーロ/円の長期トレンドに変化が出始めてきた点には要注意と言えます。
米ドル/円チャート(週足)、移動平均線は上昇トレンドも悩ましい水準
長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。
週足チャート(図表1)では、前週の終値が移動平均線を上回って引けたのが2週連続となったことで、上昇トレンドが確定しています。一方で、159円台後半まで円安が進んだことで当局からの牽制発言が強まりやすく、レートチェックや実弾介入の可能性もあるため、テクニカルのみでは判断が悩ましい局面です。ここからの大きなポイントとしては大台160円と、2024年高値161.949円があげられます。それぞれ赤の水平線を引いてありますので、注目しておきたい水準です。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
米ドル/円チャート(日足)、2月18日からゴールデン・クロスが継続
短期的な判断は日足で行います。
米ドル/円は2月18日からゴールデン・クロスが継続中です。2本の移動平均線の間隔も広いため、テクニカルには強い上昇トレンドが短期的にも続いていることになります。ただ水準を考えると安心して買いとも言えない点は週足と同様です。今週は上値に関しては160円の大台がレジスタンス兼ターゲットとなります。ただ、円安のスピードが速いだけにレートチェックなどが入ると下げる動きも大きくなりそうなので、下値に関してはやや深めに考えておいたほうが良さそうです。2月9日高値157.654円がサポートとなりやすい水準です。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
ユーロ/米ドルは移動平均線下抜け2週で下降トレンドに
ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。
ユーロ/米ドルは週足チャート(図表3)で、先々週に続いて先週も20週移動平均線を下抜けて引けたことで、下降トレンドが確定しました。青の平行上昇チャンネルも明確に下抜けてきたので、米ドル/円以上にユーロ/米ドルで米ドル高の動きが出やすい流れになってきたチャートです。下値の目処は、前回示した「2025年安値」と「2026年の年初来高値の38.2%押し」にあたる1.13534ドルです。
日足チャート(図表4)では、ユーロ/米ドルは3月2日のデッド・クロスのあとに一時的に3月9日にゴールデン・クロスを挟みました。しかし3月12日に改めてデッド・クロスが出現したことで、長短期ともにユーロ安・米ドル高の流れとなりました。下値の目処は週足で見た通り1.13534ドルです。下降トレンドのチャンネルとして、仮に高値からのピンクの平行下降チャンネルを引いてみましたが、今後引き直す可能性があります。
ユーロ/円は移動平均線下抜け1週目
ユーロ/円(図表5)は長期上昇チャンネルの下抜けの動きとなってきました。ほぼ同じ水準に位置している移動平均線下抜け1週目も起きている点が注目です。これまでかなり長期に渡って上昇トレンドを維持してきましたが、今週(3月16日週)末の終値次第で下降トレンドに転換する可能性が高まってきました。まだ短いですが平行下降チャンネル(青)を追加しました。
日足チャート(図表6)では3月13日にデッド・クロスが発生、下降トレンド確定に向けた動きのように見えてきます。日足チャートでは青の平行下降チャンネルに加え、緑のトライアングル(三角持ち合い)のラインも追加してみました。現在下抜けトライ中となっていますが、この緑のレジスタンスラインが今後も効いてくるかどうかも一段安につながるかどうかの材料となりそうです。
それでは今週も良いトレードを!
