モトリーフール米国本社 – 2026年3月14日 投稿記事より
スマートフォンが生活インフラとなる時代
食料と水は生きるために欠かせないものですが、もしかすると、そこにスマートフォンが加わる時代なのかもしれません。米国の通信サービス業界団体であるセルラー通信産業協会(CTIA)によると、アメリカ人の98%が携帯電話を所有し、調査に回答した人のうち89%は「スマートフォンなしでは生活できない」と答えています。実際、多くのアメリカ人は自分たちの地域に良い学校があることよりも、通信接続環境の充実度の方が重要だと考えています。
米国の通信大手3社はいずれも好調
エーティー・アンド・ティー[T](以下、AT&T)、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、Tモバイル[TMUS]を筆頭とする通信サービス企業は2025年、計3,520億ドルを超える売り上げを上げました。米国の通信市場はすでに飽和状態にありますが、この競争の激しい業界でも、際立った存在となる通信事業者にとっては、非常に高い収益性を生み出す可能性があります。
ブランド調査会社Brand Keysは約30年にわたり、独自の「顧客ロイヤルティ・エンゲージメント指数(CLEI)」を用いて、各ブランドがどの程度消費者の期待に応えているかを測定してきました。期待に応えている、あるいはそれを上回る企業は、「顧客ロイヤルティやエンゲージメント」の水準が高いことが多く、それが将来の業績優位性を示す先行指標になり得ます。2026年のCLEIでは、通信サービス業界を含む106のカテゴリーで1,119ブランドを調査しました。そして、その頂点に立ったのは、やはりよく知られた企業でした。
勝者を発表する前に触れておきたいのは、米国の通信大手3社はいずれも業績が好調であるという点です。AT&TとTモバイルでは2025年の主力のポストペイド(月額契約)携帯の解約率がそれぞれ0.98%と0.93%にとどまりました。一方、ベライゾンは2026年の個人向け月額契約数は75万~100万件の純増になると見込んでおり、これは2025年の2~3倍に相当します。
AT&Tが17年連続で首位を獲得した3つの理由
米国の通信大手3社はいずれも好調ですが、顧客ロイヤルティとエンゲージメントで首位を獲得したのは、17年連続でAT&Tでした。なぜAT&Tなのでしょうか。
ブランド力、人口カバー率
第一に、ブランド力と人口カバー率が挙げられます。AT&Tは1885年3月創業の米国で最も歴史のある電話会社であり、アメリカの人口カバー率は99%を超えています。言い換えれば、ごく一部の例外を除き、高機能モバイル通信規格4GLTEや5Gサービスを利用したい人は、AT&Tのネットワークでアクセスすることが可能なのです。
インフラ投資を率先して実施
またAT&Tはネットワークへの積極的な投資を惜しみません。周波数帯の取得を含め、同社は2020~2024年にかけてネットワーク投資に1,500億ドル超を投じています。現在は、5Gサービス強化のため、米国の衛星通信会社EchoStarから国内のおよそ400市場をカバーする周波数50メガヘルツの低・中帯域を追加取得する計画を進めています。この230億ドル規模の取引は、2026年半ばに完了する見通しです。
2026年3月10日に米連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー委員長は、AT&Tの通信インフラ投資に関する発表の重要な2点である「米国内の通信インフラに2,500億ドルを投資すること。2026年は数千人規模の追加採用を行い、高速ネットワークの構築と拡張を進めていくこと」を好意的に紹介しました。
そして、AT&Tはこうした投資によって消費者から好意的な評価を獲得してきました。2025年、通信ネットワーク評価機関であるRootMetricsはAT&Tを「総合1位(Best Overall)」「最も信頼性の高いネットワーク(Most Reliable)」「最も高速なネットワーク(Fastest)」に選びました。ベライゾンやTモバイルといったトップクラスの競合相手がいる中で、このような評価を獲得するのは簡単ではありません。AT&Tが継続的にネットワークに投資し、財務の柔軟性を高めてきたことが、明らかに他社との差につながっています。
低い解約率を支えるブロードバンド契約者数の純増
また、AT&Tの通信サービスの成功や、1%未満という歴史的にも低い解約率を支えている「陰の立役者」は、ブロードバンド契約者数の大幅な純増かもしれません。ブロードバンドはもはや今世紀初頭のような成長ストーリーは描くのが難しいとはいえ、AT&Tは5Gインターネットを基に携帯端末や回線の一括契約を獲得し、高収益サービスを展開することが可能になっています。AT&Tは米国の通信サービス業界において、まさにトップクラスの存在であることを実証しました。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Sean WilliamsはAT&Tの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はTモバイル、およびベライゾン・コミュニケーションズを推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。
