現在のファンダメンタルズ:中東情勢激化による米ドル買い
先週(3月2日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 155.895円~158.088円 157.816円
・ユーロ/米ドル:1.15303ドル~1.17955ドル 1.16129ドル
・ユーロ/円: 182.029円~184.688円 183.282円
先週(3月2日週)の米ドル/円:米ドル全面高の中で円安が進行
先週(3月2日週)の米ドル/円は、2月28日のイスラエル・米国によるイランへの空爆を受け、週初早朝から中東情勢への懸念が強まりました。その結果、原油高と株安が進み、米ドル買いの動きとなりました。週初は米ドル建て金にも買いが入りました。しかしその後、株安で先物市場の証拠金が不足し、それを埋め合わせるため利が乗っている金が売却されて現金化されました。この動きが金価格下落につながりました。
イランへの攻撃が長期化する懸念が高まり、ほぼ週を通して原油高、株安、米ドル高という動きが続きました。今回の中東情勢を背景としたリスクオフが定着した一週間だったと言えます。
3月6日に米国雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数が予想外の大幅減となりました。米ドル売りの動きも見られたものの、相場はすぐに元の水準へ戻しました。押し目での米ドル買いの動きが根強いことを感じさせる週末クローズでした。
トランプ米大統領は、攻撃が長期化する可能性や後継指導者選出への関与に言及しました。こうした状況に加え、反米強硬派のハメネイ師次男が後継指導者となったことを受け、中東情勢悪化を懸念した更なるリスクオフの動きが強まり、週明け3月9日早朝の市場は始まりました。NY原油先物は時間外取引で111ドル台へと急騰、その動きを受け株価指数先物は大幅安、為替市場では米ドル買いの動きが強まっている状況です。
先週(3月2日週)のユーロ/米ドル:米ドル全面高を受け1.15ドル台前半へと下落
先週(3月2日週)のユーロ/米ドルは、中東情勢を受けた米ドル高の動きによってユーロ安の動きとなりました。日本でエネルギー価格急騰が問題になっているのと同様に、欧州でも原油と天然ガスの価格が急騰しました。これがロシアによるウクライナ攻撃後のエネルギー価格高騰を連想させ、米ドル/円以上にユーロ/米ドルでの米ドル買いが強まりました。
結果としてユーロ/円は週初の184円台半ばから182円台前半へと下げました。週半ば以降は182円台後半を中心にもみあう動きとなりました。週明け3月9日早朝の原油急騰の動きで、改めてユーロ/米ドルがより大きく下げたことで、ユーロ/円は182円台前半へと押す動きとなってきました。
米ドル/円チャート(週足)、移動平均線上抜け2週で上昇トレンド確定
長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。
週足チャート(図表1)では、終値が2週連続で移動平均線を上回って引けたことで、上昇トレンドが確定しました。直前の一時的な下降トレンドがダマシとなったことで、改めて年初来高値を視野に入れる展開となってきました。ただし、158円台後半よりも円安の水準では当局の牽制発言が強まることは確実です。レートチェックや介入への警戒感も高まり、年初来高値159.448円を簡単には抜けさせない流れだと見ています。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
米ドル/円チャート(日足)、2月18日のゴールデン・クロス状態が続き転換の予兆もなし
短期的な判断は日足で行います。
米ドル/円は2月18日にゴールデン・クロスとなった状態が続いている上に、2本の移動平均線の距離も広いことから、転換の予兆もありません。現状は、新たに引いた平行上昇チャンネルの中で推移しており、年初来高値を視野に入れる展開にあると言えるでしょう。ただし、前述のように158円台後半よりも円安の水準では警戒感が高まりやすく、慎重に試していく流れとなりそうです。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
ユーロ/米ドルは移動平均線下抜け1週目
ユーロ/米ドルのチャートからみていきます。
週足チャート(図表3)では、先週(3月2日週)の長い陰線で長期平行上昇チャンネル(青)の下限に達しました。また、20週移動平均線を下抜けて引けました。今週(3月9日週)はこのチャンネルを明確に下抜けてくるかどうかを見極める週となり、2週連続で移動平均線を下抜ければ下降トレンドが確定します。下抜けていく場合には2025年安値と2026年の年初来高値の38.2%押し、1.13534ドルをサポート兼ターゲットとする値動きになっていくと予想しています。
日足チャート(図表4)では、ユーロ/米ドルは先週初の米ドル高の動きを受け、3月2日にデッド・クロスとなりました。現状はこの短期下降トレンドがしばらく続きそうなチャートとなっています。特に3月2日の陰線はそれまでなかなか抜けられなかった1.17ドル台半ばを明確に下抜けた動きと重なったことで、ユーロ/米ドルの下降トレンドへの道を確定させた足となりました。
ユーロ/円は長期上昇チャンネル内の動きが続く
ユーロ/円(図表5)は先週(3月2日週)こそ上値が重くなっていましたが、いまだ長期上昇チャンネル内で粘っています。今週(3月9日週)以降の米ドル高のスピード差でユーロ/米ドルが一段安となるようであれば、チャンネル下抜けもありそうです。また、サポートラインと20週移動平均線が同じ水準に位置していることから、ラインの下抜けと移動平均線の下抜けは同時に起きることになります。今週(3月9日週)以降の週末終値の水準を注視していきましょう。
日足チャート(図表6)では2月18日のゴールデン・クロス状態が、不自然な形で続いています。というのも、2本の移動平均線が下向きであるにもかかわらず、終値移動平均線が上にあるという、通常では起きえない形状となっているためです。これは下降トレンドの中で、ローソク足では複数の陽線が出ていることによるものです。そのため、短期チャートはあまり参考にできません。現時点では、米ドルの動きを米ドル/円とユーロ/米ドルの両方で確認し、動きのスピード差を見ていくことが望ましいと言えます。
3月8日から米国で夏時間が始まり、朝が早くなりますね。今週も良いトレードを!
