現在のファンダメンタルズ:目立った材料が無い中で米金利上昇による米ドル買い戻し
先週(9月22日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 147.460円~149.950円 149.522円
・ユーロ/米ドル:1.16457ドル~1.18195ドル 1.17016ドル
・ユーロ/円: 173.687ドル~175.046円 174.964円
先週(9月22日週)の米ドル/円:米金利上昇で9月高値を更新
先週(9月22日週)の米ドル/円は、前週(9月15日週)の金融政策イベント経過後の材料探しといった感じで始まりました。9月23日は東京市場が休場だったこともあり、やや上値が重たい程度の静かなスタートとなりました。経済指標やイベントもそれほど大きな材料は無い週でしたが、9月23日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演はFOMC(米連邦公開市場委員会)と同様の内容ではあったものの、市場では追加利下げに対して慎重と判断され、9月24日東京市場で米金利(10年債利回り)は底打ち、上昇に転じることとなりました。
この米金利上昇から米ドル上昇へとつながり、米ドル/円は9月25日から26日にかけて週間安値の147.460円から149円台後半へと上昇、9月26日は高値圏でのもみあいとなりました。一時、大台に迫る149.950円をつけた後に週末前のポジション調整から売りも出て149円台半ばでの週末クローズとなりました。
これは米金利上昇による米ドル買い戻しで短期的なものですが、長い目で見ると米金利は今後も低下傾向を辿り、日米金利差は縮小する方向です。一方で米ドル/円は米ドル買いが根強く、金利差と米ドル/円の値動きには乖離が出ています。
この乖離は図表1からもわかるように2024年春から夏にかけて160円超えの時にも見られました。その時は日銀による為替介入によるものもあり、金利差の方向へと修正が入りました。今回もどこかで金利差の方向へと修正が入り、円安から円高へという流れの転換が起きる可能性には注意しておきたいものです。
今週の週初は四半期末、10月3日(金)には米国雇用統計発表がありますので、基本的には方向感が出にくい一週間になりそうです。
先週(9月22日週)のユーロ/米ドル:ユーロ/米ドルは米ドル高、ユーロ/円は年初来高値更新
先週(9月22日週)のユーロ/米ドルは、米ドル/円同様に米金利上昇による米ドル高(ユーロ安)の動きが続いたと言えます。ただ、ユーロ/米ドルに関してもECB(欧州中央銀行)の利下げサイクルが終了した一方で、FRBが年内2回の追加利下げを行えば米欧金利差は縮小方向となります。そのため、ユーロ買いに繋がりやすい流れがどこかで出てくる可能性はあるとみていた方が良さそうです。
またユーロ/円はじり高の一週間となり、9月26日には175.046円と175円の大台を超えて年初来高値を更新しました。日欧金利差で考えると日銀の年内追加利上げはほぼ確実でしょう。ユーロ/円も中期的には調整が入る可能性は高いのですが、2024年高値175.422円が近いこともあり、現状は2024年高値をトライしたいという力の方が強そうです。仮に高値を超える動きが今週以降出てくれば達成感による反落につながるのではないでしょうか。
米ドル/円チャート(週足)、収束を抜け始める動きに
長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
週足チャート(図表2)では、三角もちあい(黄色のサポートとレジスタンス)を先週終値で上抜ける動きとなってきました。テクニカルには米ドル一段高を考えることになるのですが、150円の大台間近と悩ましい水準にあります。今週(9月29日週)は四半期末と米国雇用統計の発表も控えているため、更なる米ドル買いには動きにくいというところです。現在の底固い地合いが続いた場合、次のターゲットとしては7月高値150.914円(青の水平線)があげられます。
短期的には日足チャートをご覧ください。
米ドル/円チャート(日足)、9月17日のゴールデン・クロス状態が続く
短期的な判断は日足で行います。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
米ドル/円は9月17日のFOMC後にゴールデン・クロスが発生し、そのゴールデン・クロス状態が先週末時点でも続いています(図表3)。短期テクニカルでは依然として米ドル買いとなり、次のデッド・クロスが出るまでは米ドル買い継続ということになります。このあたりは直近の短期的な米金利(10年債利回り)上昇と一致する動きではありますが、中長期的には金利の方向と乖離が進んでいくことになるため、次のデッド・クロスが起きる際には要注意と言えるでしょう。下方向のターゲットとしては上抜けたトライアングルの上側の水準、148円がサポートとなります。
ユーロ/米ドルは高値圏からの上放れ直後に下押し
ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。
週足チャート(図表4)は年初来高値を更新後に黄色のサポートラインと青のレジスタンスラインとで構成される三角もちあいの中での高値もみあいを継続中です。現在サポートラインをトライ中ですが、レジスタンストライの時も上ヒゲでのトライで反落したことを考えると、今回も下ヒゲでのトライで終わる可能性があります。ただ、既に頂点に近づいていることから、結局は方向感が出ないままで次のチャートパターンを待つという流れになっていきそうです。
日足チャート(図表5)ではレジスタンスラインをかなり抜けている動きですから、9月25日・26日のサポートライントライもまだ続いていくかもしれません。2本の移動平均線は9月23日にデッド・クロスに転換したことで短期的には上値が重たい流れとなっています。ただ現状は8月安値と9月高値の半値押しで下げ止まっていることもあり、短期的にも踊り場を形成しやすい流れにあるとみています。
ユーロ/円は年初来高値更新を継続中
ユーロ/円です。
ユーロ/円は7月28日週の大陰線の高値を抜けてからは、年初来高値を更新する流れが続いています。こうなると2024年高値175.422円をトライしないと満足できず、2024年高値を更新後に反落という流れになりそうです。すぐには抜けないと考えていましたが、先週(9月22日週)のじり高の動きを見ていると着実に買いが積み上がっており、まずは高値更新と考えている参加者が多いことをうかがわせます(図表6)。
日足チャート(図表7)では9月12日のゴールデン・クロス状態が継続中で、押し目買いで買いポジションが積み上がっている印象です。新たに緑の平行上昇チャンネルを引きましたが、この中での動きを当面は続けやすいということになると思います。トレンドに逆らうのは怖いですから、デッド・クロスに転じるまではユーロ/円は買いを続けるしかなさそうです。
それでは今週も良いトレードを!
