地政学リスクの高まりを株価はどうみているのか

2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃したことから、地政学リスクへの警戒が高まっています。またその影響から、3月3日の東京市場で、日経平均株価は1,778円安となりました。この下落幅は2026年最大で、過去に遡ってみても歴代7位の下落幅となっています。

こうした状況から、投資家の皆さんは今後株価がどこまで下がるのだろうと心配になっているのではないかと思います。そうしたなかで活用したいのが、これまで解説に使用してきたトレンドラインです。

トレンドラインは株価の方向を示すとともに、株価が上向きのトレンドラインより上に位置しているときはサポートになりますが、逆に下向きのトレンドラインが株価よりも上に位置しているときは上値の抵抗になるとされています。

そのため、株価がトレンドラインよりも上に位置しているところで急落した場面などでは、トレンドライン上で下げ止まるかどうかに注目することが重要になります。前述のように3月3日に大幅安となりましたが、その時点ではトレンドラインを維持しているため、上昇トレンドは継続中と考えられる点がトレンドラインから読み取れるポイントです。

一方、トレンドラインを下回り、回復できなくなると、上値の抵抗に変化して下降トレンドが発生する可能性が警戒されます。そのため、トレンドライン上を終値で維持できるかどうかが今後の株価動向を予測する重要なポイントだと言えます。

また、実際のチャート上では、2本のトレンドラインがありますが、それぞれ上向きで株価の下にあるため、両方を下回って戻せなくならない限り、サポートとして機能することが期待されます。

モメンタムの低下は下落の勢いの高まり

上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムは、3月3日の下落で上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っているのが分かります(図表)。こうした状況から、モメンタムに続いて、モメンタムの移動平均線であるシグナルも0ラインを下回ってしまうのかが注目ポイントです。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線の期間は5日(青線)、25日(赤線)、75日(グレー線)で設定
※出来高はプライム市場
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示

仮に2本線が0ラインを下回って低下が続くようですと、下落の勢いが強まってトレンドラインを割り込むことが考えられますので、トレンドとあわせてチェックする必要があります。

反面、2本線が低下しても限定的だったり、上向きに変化して0ラインを上回るとともに、上昇に転じたりするようだと、トレンドライン上を維持するだけでなく、下向きに変化した5日移動平均線を上回ることも視野に入ってくるため、モメンタムの方向や水準にも注意し、売買判断に役立てたいところです。