モトリーフール米国本社 – 2026年2月8日 投稿記事より

S&P北米テクノロジー・ソフトウェア指数は、弱気相場の領域に突入

AIツールがソフトウェア業界を大きく揺るがすのではないかという懸念から、S&P北米テクノロジー・ソフトウェア指数は、2025年9月の高値から30%下落しました。この指数はソフトウェア111銘柄で構成されており、現在は弱気相場の領域に入っています。

エヌビディアのフアンCEOは、ソフトウェア銘柄の下げは行き過ぎと考えている

アンソロピックの「コワーク」発表により、ソフトウェア株が下落

ソフトウェア業界では複数の企業がソフトウェア開発を自動化するAIツールを導入しており、プログラマーは自然言語を使ってコードの生成、不具合の修正・改良ができるようになっています。さらに最近では、AI開発スタートアップ企業であるアンソロピックが同様のアーキテクチャを基盤としつつ、営業・財務・マーケティングといった非技術系業務に特化したAIツール「コワーク」を発表しました。アンソロピックの「コワーク」が、現在も続くソフトウェア株急落の主な原因とされています。

しかし、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、「ソフトウェア株の急落は全く理にかなっておらず、市場の反応は過剰だ」と述べています。同氏は「AIがソフトウェアに取って代わるかのように、ソフトウェア企業の株価が大きな圧力を受けているが、それは、世界で最も理屈に合わない考え方だ」と語ります。

フアンCEOは、既存のソフトウェア製品とAIツールが併用されることを予想

フアン氏は、最終的に企業がAIを使ってソフトウェアを一から作り直すのではなく、既存のソフトウェア製品と並行してAIツールを活用し、業務を遂行するようになると考えています。同氏は、ネットワーク機器大手のシスコ・システムズ[CSCO]が主催した最近のAIサミットにおいて、こう比喩的に問いかけました「あなたならハンマーを使いますか?それとも新しいハンマーを発明しますか?」この観点を考慮すると、大きく売り込まれたソフトウェア株の中には、魅力的に見える銘柄があります。

株価が大きく下落したが、現在の水準は魅力的なソフトウェア関連銘柄5選

マイクロソフト[MSFT]

マイクロソフトは「マイクロソフト365」、「ダイナミクス365」、「パワー・プラットフォーム」など、人気のソフトウェア製品に生成AIコパイロットを追加しています。有料コパイロットの契約者数は直近四半期に160%増加し、日次アクティブユーザー数は10倍に増加しました。

同社の株価は高値から27%下落しており、本稿執筆時点の株価収益率(PER)は26倍です。これは、直近四半期決算で調整後利益が24%増加した企業としては、割安なバリュエーションです。

データドッグ[DDOG]

データドッグは大規模言語モデル(LLM)向けのパフォーマンス監視ソフトを提供しています。また、同社は最近、ソフトウェアエンジニアが問題を解決できるよう、異常や不具合の調査を自動化する「Bits AI SRE エージェント」を発表しました。

株価は高値から47%下落し、本稿執筆時点の調整後利益に基づくPERは53倍です。他の銘柄より割高ではあるものの、積極的に研究開発費を投じているにもかかわらず直近四半期に調整後利益が20%増加した企業としては、正当化できる水準と考えられます。

アップラビン[APP]

アップラビンは「Axon」と呼ばれる機械学習エンジンに特化した広告テクノロジー・ソフトを開発しています。これは、業界最高水準のターゲティング精度を実現しています。その秘密は、他の多くのメディアバイヤー向け広告テクノロジー・プラットフォームと異なり、複数の広告ネットワークを横断し、最も収益が高い広告を自動的に選んで配信し、広告枠を収益化するメディエーション・プラットフォームをアップラビンが自社でも保有している点にあります。

このメディエーション・プラットフォームから収集されるデータが「Axon」の学習に使われています。株価は高値から52%下落しており、本稿執筆時点のPERは45倍です。直近四半期に利益が96%増加した企業としては、割安と言えるでしょう。

アトラシアン[TEAM]

アトラシアンは業界をリードする業務管理およびサービス管理ソフトに、「Rovo」と呼ばれる生成AIアシスタントを組み込んでいます。「Rovo」はマーケティングなどの非技術系チームが情報を検索・要約したり、一部のタスクを自動化したりするのを支援します。また、開発チームや運用チームがコーディング関連のワークフローを自動化するのを支援します。

株価は高値から70%下落しており、本稿執筆時点のPERは22倍です。直近四半期に調整後利益が27%増加した企業としては、割安だと考えられます。

ハブスポット[HUBS]

ハブスポットは営業・マーケティング・カスタマーサービス業務全体を自動化する生成AIツールを導入しています。同社は、オープンAIのチャットGPT、アンソロピックのクロード、アルファベットのジェミニという主要な三つの生成AIツールの全てと自社プラットフォームを連携させた、初の顧客関係管理(CRM)ソフトウェアのベンダーでもあります。

株価は高値から73%下落しており、本稿執筆時点のPERは25倍です。直近四半期に調整後利益が22%増加した企業としては、比較的割安と言えるでしょう。

最後に、ソフトウェア株は今後、数週間から数ヶ月にわたって、さらに下落し続ける可能性があります。しかし、5年後に利益が増えている見込みのある企業の株式に、妥当な価格で投資できれば、忍耐強い投資家は良い成果を得られる可能性があるでしょう。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Trevor Jennewineはエヌビディアの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアトラシアン、シスコ・システムズ、データドッグ、ハブスポット、マイクロソフト、エヌビディアの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、情報開示方針を定めています。