リスクオフで米ドル「売られ過ぎ」修正へ=米ドル高を後押し
CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の米ドル・ポジション(非米ドル主要5通貨=円、ユーロ、英ポンド、加ドル、豪ドルのポジションから試算)は、2月24日時点で19.1万枚の売り越しだった(図表1参照)。これまでの実績からすると、20万枚前後の売り越しは、「行き過ぎ」懸念が強いと言える。
米ドル「売られ過ぎ」の状況にある中で、イラン攻撃をきっかけとしたリスクオフ拡大となり、インフレ懸念再燃で米金利が上昇し、米ドルの買い戻しが強まったことが米ドル高を後押ししたのではないか。
ユーロ「買われ過ぎ」修正へ=欧州向けの原油・ガス供給懸念
この米ドル「売られ過ぎ」の中身を見ると、かなり偏りがありそうだ。米ドル売り越し19万枚のうち大半は15万枚のユーロ買い越しだ。ユーロ買い越しは2月中旬には18万枚まで拡大、これはこれまでの実績を参考にするとかなり「行き過ぎ」懸念の強い動きとなっている(図表2参照)。イランによるホルムズ海峡封鎖により、欧州向けの原油やガス供給懸念が浮上し、それを受けて行き過ぎたユーロ買い・米ドル売りの修正が広がったということではないか。
円「ポジション要因は限定的」=新たな円売り拡大に動くか注目
原油の輸入依存度の高い日本にとって、ホルムズ海峡封鎖による原油供給への懸念は円売り要因となる。同時にこれは物価高を後押しする可能性があるため、日銀による追加利上げが早まる要因とも考えられるが、3月2日は短期、長期ともに金利は低下傾向となり、総合的には日本経済への悪影響と受け止められたようだ。
ただしユーロ/米ドルなどに比べると、投機筋の円ポジションは、2月24日時点で1.1万枚と小幅の買い越しにとどまっており、円の売り戻し、米ドル買い戻しが入る余地は限られるのではないか(図表3参照)。
どれだけ円安をもたらすかは、日本経済への悪影響との受け止め方から、新たな円売りポジション拡大に動くかが鍵になりそうだが、リスクオフ局面の中で新たな円売りリスクテイクに動くかは懐疑的でもある。
