現在のファンダメンタルズ:積極財政を材料に円売り再開も上値は重い

先週(2月16日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円:  152.484円~155.636円   155.029円
・ユーロ/米ドル:1.17415ドル~1.18735ドル 1.17855ドル
・ユーロ/円:  180.819円~183.148円   182.719円

先週(2月16日週)の米ドル/円:施政方針演説に向けた高市トレードの再開

先週(2月16日週)の米ドル/円は、週初から米ドル買いが先行し、前週の152円台前半で底固めしました。きっかけは、週初早朝に発表された日本の10-12月期GDP速報が予想よりも弱く、株安と円安が進んだことです。翌2月17日には、次回英中銀会合での利下げ思惑が強まったことから、欧州通貨でも米ドル買いが強まりました。

2月18日には、2月20日の施政方針演説を前に、高市首相が「責任ある積極財政、消費減税と税額控除を同時並行」と発言したことをきっかけに円売りが強まりました。さらに、テクニカル面でも直近高値を上抜けたことから円売りが加速し、2月20日の欧州市場では週間高値となる155.636円をつけました。しかし、NY市場に入ると、米連邦最高裁はトランプ米大統領が導入した相互関税について、「関税を課す権限は議会にあり、大統領の権限を越えている」として、違憲と判断しました。

これを受け、株式市場は関税がなくなる可能性を好感して上昇しました。ただ、直後にトランプ米大統領が別の法律に基づく関税導入を発表したことなどの先行き不透明感もあり、為替市場は米ドル売りで反応しました。週が明けた東京市場が休場となる2月23日も今後の関税に対する不透明感が強くリスクオフの動きから株安と円高が先行しました。

先週(2月16日週)のユーロ/米ドル:米ドル/円とともに緩やかなユーロ買い

先週(2月16日週)のユーロ/米ドルは、米ドル高を背景にユーロ売りが目立ちました。週前半はポンドの下げとともに、ユーロでも売りが入る流れでした。その後は米ドル/円を含めて全般的に米ドル買いが進み、ユーロ売りとなりました。ただ、2月20日の相互関税の違憲判断の影響もあり、ユーロ/米ドルは目先の底を打った動きとなりました。

ユーロ/円は、対米ドルでの動きがユーロ/米ドルよりも米ドル/円でより大きかったこともあり、週を通してじり高となりました。一方で、182円台半ばは、下げ局面でも上げ局面でもいったん引っかかりやすい水準です。そのため、同水準からの一段の上昇にはつながりにくそうな引け具合となっていました。

米ドル/円チャート(週足)、移動平均線下抜け2週で下降トレンド確定

長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。

週足チャート(図表1)では、先々週(2月9日週)に続いて先週(2月16日週)も終値が20週移動平均線を下回って引けたため、下降トレンドが確定しました。今週(2月23日週)は移動平均線が155円台前半に位置していることを考えると、155円台前半から半ばにかけて強いレジスタンスになりやすい水準と言えるでしょう。また2025年4月からの長期サポートライン(黄色)と、同4月安値と2026年1月高値との38.2%押し(151.973円)が同水準にあるため、151円台後半が強いサポートになると考えられます。

【図表1】米ドル/円(週足)
出所:マネックストレーダーFX
【週足チャートの見方】
長期トレンドは20週移動平均線と週足終値との位置関係で判断します。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断ではダマシを排除するため、週足終値が2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。

米ドル/円チャート(日足)、2月18日にゴールデン・クロス

短期的な判断は日足で行います。

米ドル/円は2月10日のデッド・クロスから2月18日にはゴールデン・クロスへと転じました。短期的には底堅い動きではあるものの、週足チャートで下降トレンドに転じたため、今後は次のデッド・クロスでの売り場を探るほうが良さそうです。今後の動き次第ではあるものの、週前半にもデッド・クロスに転じる可能性が高そうな動きとなってきました。デッド・クロス発生を注意深く見守りたいと思います。

日足チャートにおいては2025年9月安値と2026年1月高値の半値押し152.469円が当面のターゲット兼サポートになるとみています。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:マネックストレーダーFX
【日足チャートの見方】
短期売買シグナルは5日終値移動平均線(青)と5日始値移動平均線(赤)のゴールデン・クロス(GC)、デッド・クロス(DC)で判断します。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。
※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。

ユーロ/米ドルは収束局面の継続

ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。

週足チャート(図表3)を見ると、前回も書いた通り、長期平行上昇チャンネル(青)の上限と短期平行下降チャンネル(緑)の上限に挟まれ、上昇トレンドの中での収束局面が継続しています。ここ3週間ほど(今週は4週目)は横方向の狭い値幅でのもみあいとなっているため、日足チャートで見ましょう。

【図表3】ユーロ/米ドル(週足) 長期トレンド=上昇トレンド
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表4)の通り、ユーロ/米ドルは予想通り2月16日にデッド・クロスに転じましたが、ゴールデン・クロス(GC)に転じそうな動きが続いています。ただ、そろそろ動きに弾みがつく可能性にも注意が必要だと思います。米ドル/円週足における下降トレンドへの転換を重視するならば、米ドル売り(ユーロ買い)方向が本流ということになるかもしれません。

【図表4】ユーロ/米ドル(日足) 短期トレンド=2月16日にデッド・クロス
出所:マネックストレーダーFX

ユーロ/円はかろうじて移動平均線の上側での推移を継続

ユーロ/円(図表5)は先週(2月16日週)の大陰線が出現後も思いのほか底堅く、かろうじて移動平均線の上側での推移を継続しています。今後いつ下抜けてもおかしくはないものの、現時点では上昇トレンドを継続中です。長期サポートライン(黄色)もまだ効いていますので、逆に移動平均線の下抜けとサポートラインの下抜けは同時に起きやすいと考えると、その場合は大きなトレンド転換となりそうです。

【図表5】ユーロ/円(週足) 長期トレンド=上昇トレンド継続
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表6)では2月18日にゴールデン・クロスとなり、いったん長期トレンド転換への動きが止められたチャートとなりました。ただ、2月9日からの下げの後の動きが短期平行上昇チャンネル(緑)を形成し、チャートパターン的にはフラッグ形成中にも見えてきます。フラッグを下抜けするとその前のトレンドが再開するというのが一般的な動きとなります。そのため、下抜けが出てくる時には、週足も含めての大きなトレンド転換になるかもしれません。警戒すべき段階になりつつあるとみておきましょう。

それでは今週も良いトレードを!

【図表6】ユーロ/円(日足) 短期トレンド=2月18日にゴールデン・クロス
出所:マネックストレーダーFX