外部環境の不透明感から波乱含みの展開を予想、問題は急落のあと
名実とも3月相場入りとなる今週の国内株式市場は、短期的な過熱感や地政学リスクの高まりなど外部環境の不透明感から、波乱含みの展開が予想される。週明けは米国のイラン攻撃を受けて大幅安となる場面もあるだろう。
実は、この月初第一営業日の急落というのは、このところずっと観測されてきた現象である。2025年6-12月は7ヶ月連続で月初に大幅安となってきた。2026年の大発会は大幅高で、いったんこのジンクスが途切れたが、2月の月初はまた667円安となった。今回も急落は免れ得ないと思われるが、問題はそのあとの展開だ。
わかりやすい話、先週の日経平均を振り返っても、トランプ米大統領による新関税の発動といったネガティブな材料をこなしつつ、26日には史上初めて5万9000円台に乗せた。つまり、ずっと高値更新が続いているわけだから、押し目は絶好の買い場になってきた。投資家もこれがわかっているだけに、月初の急落に買い向かう動きも見られるのではないかと思われる。
注目は週末に控える米雇用統計や米ブロードコムの決算発表、物色による資金シフトも鮮明に
こうした中、今週は週末に控える米雇用統計や、4日に予定されている米ブロードコム[AVGO]の決算発表が注目点となる。米国の早期利下げ期待が後退する中、雇用情勢が市場予想を上振れればハイテク株にはさらなる逆風となり得るが、ドル・円相場の下支え要因として機能すれば日本株へのネガティブな影響は相殺される。
物色面では、米ハイテク株の先高期待が揺らぐ中で、グロース株からバリュー株への資金シフトが一段と鮮明になるだろう。3月期末の配当権利取りに向けた動きが本格化し、高配当利回り銘柄への関心が高まりやすい時期でもある。加えてイランへの軍事攻撃からの連想もあって防衛関連も買われやすい。
新設された「社会保障国民会議」での議論を通じ、生活必需品関連の消費環境改善への思惑が内需ディフェンシブ銘柄を支えるとの見方もある。不透明感が強まる中ではディフェンシブへの逃避もあり得るだろう。
一方、主力大型株が反動安に見舞われる場面で、出遅れ感のある中小型株に物色が向かうことも考えられる。東証が新しく開発した「JPXスタートアップ急成長100指数」構成銘柄などへの個人投資家主体の資金流入があるか注目したい。
強まるAI・半導体関連への懸念には要警戒
地政学以外のリスクではAI・半導体関連についての懸念が一段と強まっている点だ。エヌビディア[NVDA]が想定以上の好決算を発表しながらも週末にかけて続落したことは、AIバブルへの警戒感が根強いことを如実に示した。4日には米ブロードコムの決算発表が予定されており、前回決算が株価下落材料となった経緯もあることから、今回もまた要警戒だ。エヌビディアの例を見ても分かる通り、AI相場が弱気に傾くなかでは、決算が良くても悪くても売りのきっかけにされ、半導体セクター全体への売りが広がるリスクがあることには注意が必要である。
そのほかの注意点は英住宅ローン会社マーケット・フィナンシャル・ソリューションズの破綻を受けた金融システムへの警戒感も上値を抑制する一因となり得ることを頭に入れておきたい。
今週は相場の上値を重くする材料が多いが、先高観の強いなか、下がる場面でどれだけの押し目買いが入ってくるかを確認するよい機会となるだろう。日経平均の下値のめどは25日移動平均の手前、5万6000円程度を想定している。
予想レンジは5万6000円-5万9000円とする。
