「アベノミクス株高」の後追いだった「高市株高」

第2次安倍政権の経済政策「アベノミクス」をきっかけに起こった急激な株高。それが一段落したのは、2015年6月だった。これを日経平均の5年MAかい離率でみると、67%で拡大が一巡していた。それは、当時としては1980年代後半の日本株バブル以来の株価「上がり過ぎ」を示すものだった(図表1参照)。

【図表1】日経平均の5年MAかい離率(1980年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

その「アベノミクス」継承を主張した高市政権でも株価は大きく上昇した。日経平均の5年MAかい離率は、一時70%まで拡大、上述のアベノミクス株高で記録したピークを僅かながら上回った。

以上を踏まえると、「高市株高」は、5年MAかい離率などを前提とした場合、これまでのところまさに「アベノミクス株高」を後追いした動きだったと言えるだろう。同じような値動きを「アナロジー」というが、それを参考にしたらさすがにそろそろ高市株高も一巡するタイミングを迎えていた可能性があるのではないか。

アベノミクス相場と異なる金利、為替の関係=高市相場

「高市株高」と「アベノミクス株高」は、5年MAかい離率などに類似性があるものの、中身を考えた場合にはかなり違いがある。アベノミクス株高は、日銀による大胆な金融緩和と、それを受けた円安を容認することでデフレからの脱却を目指す中で起こった現象だった。このため、円安と株高は高い相関関係が続いた(図表2参照)。

【図表2】米ドル/円と日経平均(2012~2015年)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

これに対して、高市株高は、インフレ局面で日銀が利上げを続ける中でも円安傾向が続き、その中での株高。その意味では当然のように、円安と株高はアベノミクス相場ほどの相関関係がなかった(図表3参照)。以上のことから、類似しているのは株高だけのようでもある。

【図表3】米ドル/円と日経平均(2025年9月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

アベノミクス相場は円安終了で株高一段落=高市株高一段落なら円安はどうなる?

日銀の金融緩和と円安が大前提だったアベノミクス株高は、2015年6月に円安が終了すると、それから間もなく株安に転じた。大前提の1つ、円安終了を受けて株高から株安に転じたのは分かりやすい。

一方、今回の「高市株高」は、日銀の金融緩和や円安が前提になっている感じがない。アベノミクス株高との類似は、5年MAかい離率などでみた場合の「上がり過ぎ」拡大だけと言っても良さそうだ。

それでもアベノミクス株高同様に、今回の高市株高もそろそろ「上がり過ぎ」の一巡から、その反動で株安に向かうところとなったのか。その場合、アベノミクス株高局面とは因果関係が逆になるものの、為替の円安も円高に転換することになるだろうか。