【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,461.28 ▼171.71 (7/30)
NASDAQ: 21,129.67 △31.38 (7/30)
1.概況
前日の米国市場は高安まちまちの結果となりました。ダウ平均は、44ドル高の44,677ドルで取引を開始しました。中ごろまでは前日の終値である44,632ドル付近で一進一退に推移となるも、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長によるFOMC(米連邦公開市場委員会)後の記者会見にて早期の利下げに慎重姿勢を示し、市場ではこれがタカ派的との受け止めから株式市場を下押しし、ダウ平均は最終的に171ドル安の44,461ドルで取引を終えました。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は31ポイント高の21,129ポイントで反発となりました。一方でS&P500株価指数は7ポイント安の6,362ポイントとなり続落で取引を終えました。
2.経済指標等
2025年4~6月期の米実質GDP速報は前期比年率3.0%増と市場予想を上回り、米国経済の底堅さを示すものとなりました。7月のADP雇用者数は前月比10万4,000人増と前月から増加となり、また市場予想を上回る結果となりました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち3業種が上昇しました。公益事業、情報技術、コミュニケーション・サービスの3業種が1%未満の小幅高となりました。一方で、8業種が下落し、中でも素材、不動産、エネルギーが1%以上の下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中8銘柄が上昇となりました。エヌビディア[NVDA]がアナリストによる目標株価引き上げを受けて2%以上の上昇となり、続いてユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が1%台後半の上昇となりました。キャタピラー[CAT]などその他6銘柄は1%未満の上昇で取引を終えています。一方で、スリーエム[MMM]が3%以上下落し、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]とシェブロン[CVX]、ナイキ[NKE]の3銘柄が2%以上の下落となり、主力株への売りが目立ちました。
ダウ平均構成銘柄以外では、メディケア向けの保険販売等を手掛けるヒューマナ[HUM]は第2四半期の業績が市場予想を上回ったほか、通期見通しの引き上げを材料に12.4%高と大幅高となりました。トランプ大統領が銅への輸入に50%の関税を課すとしたことが嫌気されたフリーポートマクモラン[FCX]は9.5%安となりました。またスターバックス[SBUX]は市場予想を下回る一株利益を発表するも、事業環境の再建が予定より早く進んでいるとCEOが発言したことで、底堅く推移し0.2%安となりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日から0.05%高い4.37%となりました。31日朝のドル円はFOMCの結果をうけて149円台半ばと円安で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
前日の米国市場はFOMC後の記者会見がタカ派的との受け止めが株式市場を下押ししました。一方でナスダックやハイテク株はプラスで取引を終えた銘柄が多く、またドル円も150円に迫る水準で円安となっていることは本日の日本市場の支えとなるでしょう。
一方で、大引け後に予定される日銀金融政策決定会合後の会見を前に、後場にかけては動きづらい展開が予想されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
