パソコン、スマホ、データセンター…銅張積層板(CCL)への関心高まる

AI(人工知能)データセンターの需要増加などを背景に、半導体を搭載するサブストレート(基板の土台となる板状の材料)を構成する素材の一つである「銅張積層板(CCL)」への関心が高まっている。

半導体の中でも、データ処理や機器制御などを行うものは「ロジック半導体」(演算を行う半導体)に分類される。身近なところではパソコンやスマホに使われているが、近年では大量のデータを迅速に処理するデータセンターに実装されるケースが増加している。より高機能なロジック半導体が求められるようになり、半導体の実装技術も一層、複雑化・高度化している。

ロジック半導体の高機能化に欠かせない銅張積層板(CCL)

ロジック半導体では素子であるトランジスタの数が増えるほど計算能力が高まる。対応する半導体の線幅の微細化には高度な加工技術が求められるが、歩留まりが悪化する懸念がある。最近では半導体チップを複数に分割して実装することでこれをクリアする「チップレット」という技術も登場している。チップレット化により、ロジック半導体はさらに高機能化する。

チップレット化に不可欠なのがCCLだ。CCLはプリント基板(PCB)の主要材料である。CCLは、絶縁性の高いガラス繊維で織られたガラスクロスに、熱硬化樹脂と充填材を含浸させてプリレグ(シート状の中間材料)を作り、その上下に銅箔をプレス成形し、熱硬化させて作る。

銅張積層板(CCL)関連銘柄をピックアップ

1955年からCCLそのものを製造しているのがレゾナック・ホールディングス(4004)である。一方、CCLに使われる部材としては、ガラスクロスは日東紡績(3110)、銅箔を手掛けているのは三井金属(5706)やJX金属(5016)だ。そしてCCL成形用の真空プレス装置は北川精機(6327)が扱っている。CCLは日本企業の技術によって成り立っているといっても過言ではない。関連銘柄をピックアップする。

レゾナック・ホールディングス(4004)

半導体後工程材料で世界首位。1955年からCCLの製造を開始。半導体チップを搭載する際には「はんだバンプ」と呼ばれるはんだを高温で溶解し、その後に冷却してパッケージ基板に接合・搭載する。この冷却の際に、パッケージ基板と半導体チップの熱膨張率の違いによって、パッケージ基板の反りが発生しやすくなる。反りが発生すると、半導体チップとの剥離が起きたり、パッケージ基板をマザーボードに搭載する際に隙間ができて接続できなくなったりする。不良品発生の原因となるため、CCLの低熱膨張による反り低減が欠かせない。同社ではその課題を解決し、製品を提供している。

【図表1】レゾナック・ホールディングス(4004):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年3月5日時点)

日東紡績(3110)

世界で初めてガラス繊維を工業化し、現在でも中核製品となっている。ガラス繊維を織布としたガラスクロスを提供する機能材事業が拡大している。同社がスペシャルガラスと呼ぶNEガラス(低誘電特性ガラスクロス)は、データセンターなどの高速・大容量通信に対応するプリント基板材料として引き合いが活発だ。独自開発したNEガラスヤーン(単糸)を使用することで伝送損失を抑えている。NEガラスは大量の情報を扱うAIサーバーのマザーボード(CCLを含む)向けに需要が伸びている。

【図表2】日東紡績(3110):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年3月5日時点)

三井金属(5706) 

非鉄金属の大手。銅箔では電解銅箔を専門に扱う。主用途はプリント配線基板。銅箔と基板の組み合わせで電気回路が形成される。両面平滑箔「VSP」シリーズ、キャリア付き薄膜銅箔「マイクロシン」シリーズがけん引役。VSPは、高周波信号の伝送ロスの要因となる表面の凸凹を、極限まで低減する。周波数が高くなるほど電流が導体の表面に集中することを「表皮効果」という。データトラフィックの増加に伴い、通信ネットワーク機器で需要が増加。マイクロシンはキャリア付き極薄銅箔として世界シェア95%以上。半導体パッケージ基板の微細な回路形成用などに用いられる。

【図表3】三井金属(5706):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年3月5日時点)

JX金属(5016)

非鉄金属大手。フレキシブルプリント基板用の電解銅箔「JXEFLシリーズ」を手掛けている。電解銅箔トップレベルの屈曲性を有する。高周波特性を良好にするため、表面の粗さを低減した。樹脂と組み合わせたCCLとして使われる。豊富な箔厚ラインナップを揃えている。また、ガラスなどの硬い絶縁材料に樹脂を含浸させて作るリジット基板向けの電解銅箔も展開している。

【図表4】JX金属(5016):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年3月5日時点)

北川精機(6327)

CCL成形用の真空プレス装置を手がけている。熱板の平坦度を増し、CCLの精度を高める。熱板は金属製の板にヒーターを内蔵し、表面を均一に加熱する工業用部品のことである。大判(2メートルサイズ)の板を採用することで、生産性が向上する。同社の技術は熱歪みを抑制し、高い品質での生産を可能にしているという。同社によると、CCL成形用大型プレスでは世界シェアトップを誇る。

【図表5】北川精機(6327):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年3月5日時点)