東京市場まとめ
1.概況
日経平均は637円安の54,387円と、下落して寄付きました。中東情勢の不透明感を背景に、原油先物相場が上昇したことなどからリスク回避の売りが優勢となりました。前場中ごろには、292円安の54,733円をつけるなど下げ渋る場面もありました。しかし買いは続かず、848円安の54,177円で前引けとなりました。
後場は、下落して始まりました。節目の54,000円を割り込み、12時35分には1,229円安の53,796円で、この日の安値をつけました。その後は押し目買いも見られ、徐々に下げ幅を縮小した日経平均は最終的に572円安の54,452円で3営業日ぶりに反落しました。
TOPIXは49ポイント安の3,649ポイント、新興市場では東証グロース250指数が18ポイント安の761ポイントでいずれも同じく3営業日ぶりに反落しました。
2.個別銘柄等
商船三井(9104)は1.2%安の6,174円をつけ、4営業日ぶりに反落しました。11日、日本経済新聞が、同社をはじめとする大手海運3社が出資するオーシャン・ネットワーク・エクスプレスが運航するコンテナ船がホルムズ海峡付近のペルシャ湾内で損傷したと報じました。詳細は不明なものの、業績への影響懸念から売りが出ました。
川崎重工業(7012)は3.8%高の16,715円をつけ、反発しました。米国・イスラエルによるイラン攻撃が長期化するとの懸念などから地政学的リスクが高まり、防衛関連銘柄に買いが入りました。また一部では、「19日に予定される日米首脳会談を前に、米国が日本に対して防衛費増額およびイラン情勢に関する後方支援を要請するとの思惑が拡大しやすい」といったコメントもあり、防衛関連銘柄が物色されました。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は1.1%安の2,654円をつけ、続落となりました。12日、米ブルームバーグ通信が「米モルガン・スタンレー[MS]は、同社のプライベートクレジット(ノンバンク融資)ファンドの一つについて償還上限を設けた」と報じました。プライベートクレジット市場での信用リスク懸念が国内にも波及し、金融セクターが軟調に推移しました。
電子部品メーカーの三井ハイテック(6966)は11.6%安の669円をつけ、3営業日ぶりに反落しました。11日、2028年1月期までを対象とした中期経営計画の下方修正を発表しました。最終年度の営業利益目標は従来の235億円から150億円へと引き下げられ、成長鈍化への懸念が売り材料となりました。また、あわせて2027年1月期(今期)の連結営業利益が前期比13%減となる110億円にとどまる見通しも示しています。
野菜卸のデリカフーズホールディングス(3392)は13.8%高の947円をつけ、3日続伸となりました。11日、中期経営計画における2027年3月期の連結売上高目標を、従来の600億円から670億円へと上方修正したと発表しました。また、2026年3月期(今期)の売上高予想は、前期比9%増の640億円と見込むとし、堅調な需要を評価した買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は572円安で反落しました。引き続き地政学リスクを嫌気した売りが出たほか、米国のプライベートクレジットを巡る不透明感が、金融セクターの売りにつながりました。明日に向けて、米国では1月の貿易収支や、週次の新規失業保険申請件数の発表が予定されています。また、ソフトウェアのアドビ[ADBE]が決算発表を予定しています。足元では、人工知能(AI)による代替懸念から、軟調に推移しているソフトウェア銘柄の業績や見通しに注目です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
