東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場にて、主要3指数が揃って大幅続落となった流れを引き継ぎ、日経平均は367円安の36,931円と続落で寄付きました。21日の米国市場では、米長期金利の上昇が重荷となり、日経平均も節目の37,000円を割り込んでのスタートとなるも、下値では押し目買いも入り、序盤は底堅い推移となりました。次第に下げ幅を縮小し、再び37,000円台をつける場面が見られましたがその後は弱含み、前引けは331円安の36,967円となりました。
後場は海外勢による株価指数先物への売りが日経平均を押し下げ、下げ幅を拡大しての推移となりました。13時21分に443円安の36,855円をつけ本日の安値を更新しました。その後は持ち直し、下げ幅を縮小するも最終的には313円安の36,985円をつけ続落で大引けとなりました。
新興市場も安く東証グロース250指数が続落となりました。
2.個別銘柄等
京成電鉄(9009)は10.9%安の1,365.5円をつけ続落となりました。21日、中期経営計画を発表し、最終年度となる2028年3月期の営業利益は2025年3月期と比較し6%増の380億円を目指すとし、また株主還元は連結配当性向が30%以上と定めるも、市場はより大きな株主還元を期待しており、発表された数値は物足りないとの受け止めから売りが出ました。
古河電気工業(5801)は11.3%高の6,238円をつけ大幅反発となりました。21日、2026年3月期(今期)を最終年度とする中期経営計画の進捗説明会を開催し、AI向けの光関連製品を中心に受注が増えるとの見方を示したことが好感され買いが集まりました。
大成建設(1801)は1.2%高の7,992円をつけ続伸で取引を終えました。国内証券が同社の投資判断を3段階の最上位に位置する「買い」に引き上げ、また目標株価を従来の7,400円から9,500円へと引き上げたことが買い材料となりました。アナリストは、「建築粗利益率は中期で10~11%まで改善するだろう」と指摘しています。
情報通信機器メーカーであるサクサ(6675)は8.9%安の3,900円をつけ大幅反落となりました。未定としていた2026年3月期(今期)の業績予想を発表し、売上高は前期比2.2%円の430億円、当期純利益は同57.2%減の15億円を見込むとし、大幅な減益見通しを嫌気する売りが優勢となりました。
メタプラネット(3350)はストップ高水準となる16.1%高の1,083円と、5日続伸となる大幅高で取引を終えました。ビットコイン価格が上昇している中で、ビットコインの値上がりによって収益拡大が見込まれるとの思惑から買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は0.8%安となりました。5月20日には小幅高となったものの先週半ばから売り基調での推移が続いている状況です。
明日の材料は、日本の経済指標で全国CPI(消費者物価指数)があげられます。サービス関連の物価上昇が予想され、市場コンセンサスでは、コア指標は前年同月比3.5%上昇と前回から伸びが加速すると見込まれています。日銀は利上げに慎重な姿勢をみせていますが、彼らが注目するサービス物価の上昇が確認できれば、追加利上げ観測が意識される可能性があるでしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)