新しい1年の始まりに際し、株主優待投資を実践している、PANさん、ぽんちよさん、まーしーさんに2025年の投資計画、人生における投資の位置づけなどをお聞きしました。

PANさん:新政権により追い風となる分野をメインシナリオにボジションを構築していく

 

2023年の夏に会社員をアーリーリタイアし、現在は投資系の情報発信を行うPANさん。(男性・投資家・既婚・首都圏在住)

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――2024年の投資の振り返りと良かった点や反省点などを教えていただけますか?

良かったことは生成AIテーマにしっかりと乗れて、いい時期に撤退できたことです。反省点はリセッションリスクを意識しましたが、結局経済は絶好調だった点です。

――2025年の投資計画はどのような予定ですか?

―投資全般の方針について

インフレ率低下、利下げが進む、長期金利低下、リセッションはこない、といったことを念頭に置いて、トランプ新政権により追い風となる分野をメインシナリオにポジションを構築していきます。

―NISAの活用方針について

積立枠はNASDAQ100に連動する投資信託を月10万円で考えています。成長枠はタイミングと銘柄をこれから吟味し、3銘柄ぐらいに分けて、5年間程のスパンで保有を継続できるようなボジションを構築予定です。

――人生における投資・資産運用の位置づけについてお聞かせください。

2023年まではハイテク企業のマーケティング責任者として働いていました。会社員をアーリーリタイアして以降は、自己資金の運用はもちろん、YouTubeやセミナーでの発信等、投資が人生において中心的存在になっています。

ぽんちよさん:20代の「資産を増やす」投資から、30代からは「インカムゲイン狙い」「守りの資産形成」に移行

 

チャンネル登録者数 46万人越えの投資系YouTuberぽんちよさん。(30代・男性・2022年に退職し投資系YouTuber、個人投資家に・大阪在住)

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――2024年の投資の振り返りと良かった点や反省点などを教えていただけますか?

2024年の米国株相場はスポットで下落するタイミングはありましたが、年初来からほぼ右肩上がりで約25%の上昇となりました。このため、新NISAなどで投資をする場合には「年初一括投資」が大正解の相場でした。自分自身の投資においては、1年を通して徐々に資金を投入したため、4月・8月の一時的な下落相場でスポット購入をタイミングよくできました。しかし、年初来からみた大きな上昇相場に完全に乗り切れたわけではなく、反省の残る1年となりました。

――2025年の投資計画はどのような予定ですか?

―投資全般の方針について

2022年3月に早期退職して以来、ポートフォリオをハイテク・グロース銘柄から高配当系の銘柄へ徐々に移行し始めています。ただし、依然としてエヌビディア[NVDA]などをはじめとしたハイテク銘柄の比重が重いため、ポートフォリオの変更を行う予定です。現状、年間の配当収入は約200万円ですが、2025年はポートフォリオの組み替えにより配当収入300万円を目標にしています。

―NISAの活用方針について

特に2025年はトランプ大統領就任により、大統領発言などで相場が動揺し、ボラティリティの大きい相場となることが予想されます。それを踏まえて、キャピタルゲイン・資産額の増加に注力するのではなく、配当収入の増加に注力したいと思います。また、2025年の新NISAでは、積立投資枠はS&P500に連動する投資信託の積立、成長投資枠についてはインド株投資信託の積立と、高配当系の商品を年初に一括で投資をしようと考えています。

――人生における投資・資産運用の位置づけについてお聞かせください。

投資を始めたことをきっかけに、FIRE(※当時はセミリタイアなどの言葉が主流)といった言葉を知り「資産を増やした先に見える未来」を思い描けるようになり、私の人生が変わりました。そして、20代の頃は「資産を増やす」ということが人生の幸福につながると考え、グロース銘柄などの攻めた投資を行いました。

その後、2022年3月で早期リタイアし、「会社員の給料」という安定収入を手放したことにより、投資は「お金を増やす手段」から「人生における経済的な不安を取り除くもの」という定義に変化しました。同時に、投資方針も30代からは「インカムゲイン狙い」「守りの資産形成」に移行しています。お金の大小が必ずしも「人生の幸せ」に直結するわけではありませんが、経済的不安は「人生の幸福度の下落要因」に確実になりうるでしょう。今後の人生において経済的不安を抱えないためにも、「不安を抱えないための投資」を継続していきたいと思う。

まーしーさん:保有銘柄数を縮小し、持続可能なリターンを目指すと同時に、株価が急落しにくい特徴のある(ボラティリティの低い)銘柄へと切り替えていきたい

 

米国急成長株集中投資を行い、33歳にして億り人(投資などで億単位の資産を築いた人)となったまーしーさん。(30代・男性・団体職員・四国地方在住)

2024年8月掲載:7年で資産1億円!米国株で爆速・資産形成を実現した3つの成功要因【前編】

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――2024年の投資の振り返りと良かった点や反省点などを教えていただけますか?

良かった点は保有銘柄数を増やしていたため、単一の投資先の株価急落による資産変動を比較的抑えられた点です。一方、銘柄分散によって単一の投資先の株価急上昇によるリターンも抑えてしまったところは反省点です。今後は、保有銘柄数を縮小し、持続可能なリターンを目指すと同時に、株価が急落しにくい特徴のある(ボラティリティの低い)銘柄へと切り替えていきたいと考えています。

――2025年の投資計画はどのような予定ですか?

―投資全般の方針について

ポートフォリオ内のボラティリティを下げる方針です。具体的には、時価総額の大きい大型株の保有割合を増やしたいと思っています。2021年以降、リターンの最大化を目的として小型株への投資機会を増やしました。大型株と比較した際、小型株は流動性の低さゆえに株価が上にも下にも短期的に大きく変動しやすい特徴があります。なかには高いリターンに繋がった投資もありますが、想定外に高水準なインフレ、インフレの長期化によって損失を抱えた投資も多数ありました。

爆速で資産を増やす運用方法は、その特徴ゆえに爆速で資産を減らすことにもつながります。現在36歳であることを考慮すれば、ある程度ボラティリティを下げても、将来的には十分な金融資産を獲得できると考えています。

―NISAの活用方針について

投資対象が主に個別株かつ、ボラティリティが激しい銘柄を運用する場合、損失を抱えた際のデメリットが大きいことから、私にとってNISAは基本的に優先度が低いです。

一方、S&P500指数などの優良インデックスや、比較的時価総額が大きい銘柄で運用する際は、NISAを積極的に利用したいとも考えています。実際、私自身も「この銘柄は長期で上がる!」と強く信じている銘柄ではNISA枠を利用しています。なかには、後悔しているものもありますが…。

――人生における投資・資産運用の位置づけについてお聞かせください。

十分な金融資産は人生の自由度を高めると考え、私は日々の生活においてお金を中心に考えたくないからこそ投資をしています。

例えば、「隣人」との付き合いにおいて、相性という問題があります。どのようにしても好かれることがあるように、どのように努力しても嫌われることもあります。その際、隣人との関わり方に自由度をもたせることができるのがお金ではないでしょうか。職場内で人間関係上の軋轢があるのなら仕事を辞める(転職する)選択ができ、住まいの「隣人」ならば、住む場所を変えるなどの選択ができます。

これはあくまでも自由度の一例ですが、私は投資によって金融資産を高め、今後の人生すべての「選択肢」を増やしたいと考えています。

――本記事は2024年12月に実施したメールアンケートをもとに構成しました。アンケートにご協力いただきありがとうございます。