今回は登録者数30万人を超える人気YouTubeチャネル「【投資家】ぽんちよ」を運営するぽんちよさんにインタビューしました。ぽんちよさんは社会人になってすぐ投資を始め、企業で働きながらブログやYouTubeなどの副業にも挑戦。目標資産の5000万円を達成し、2022年3月に念願のFIRE(経済的自立、早期リタイア)を果たしました。ぽんちよさんにFIRE達成までの道のりや、副業で収入を得るコツ、節約術などを伺いました。

●ぽんちよさんプロフィール●
北陸地方在住、20代の個人投資家。大学院を卒業し就職後、学生時代に何も挑戦しなかった自分を変えようと思い、友人に勧められた投資にチャレンジ。投資・副業の経験や数々の失敗、転職を経て、現在は「経済的自由を目指す人の背中を押す」ことをコンセプトに動画を作成。2022年3月にFIREを実現。

――投資を始めたきっかけを教えてください。

新卒で入った会社は初任給が比較的高かったのですが、上司の給与明細などを見せてもらうと、その後の昇給にあまり期待できないことが分かりました。大学時代の友人と焼き肉屋に行った時にそのことを愚痴ったんですね。友人が投資経験者であったこともあり、「それなら、お金に働いてもらえば?」と資産運用について熱心に話してくれました。給料への不満があったので友人の話に「なるほど!」と思い、その日のうちにネットで証券口座開設の申込みをしました。

――初めての投資は預貯金のほとんどを元手に投資を始めたと伺いました。不安はありませんでしたか?

元手は学生時代の貯蓄が100万円、社会人になってから無茶苦茶節約して貯めたお金が200万円の計300万円弱でした。

投資を始めた当初は投資についてあまり詳しくなく、税制優遇制度である「NISA」や「つみたてNISA」などの存在も知りませんでした。私は個別銘柄からスタートしました。最初の1銘柄を買うには勇気が入りましたが、気がついたらあっという間にキャッシュアウトしていました。当時は相場環境が良かったこともあり、購入した銘柄の株価が上がったり、配当金が振り込まれたりして、株式投資自体が本当に楽しかったです。

資産5000万円超えでFIRE実現

――目標資産を達成して最近FIREされたそうですね。FIREした理由を教えていただけますか?

FIREを考え始めたのは最初の会社にいた頃です。当時は仕事でストレスを抱えていたこともあり、会社を辞めて自由に生きていきたいという気持ちが強かったです。

その後転職していい職場に巡り合えたのですが、本業の仕事が終わった後にYouTuber活動する生活でオーバーワーク気味になってしまって…。会社を辞めてYouTubeなどの個人事業に注力し、それ以外の時間は趣味など自分の時間に充てようと、(2022年)3月中旬に退職しました。

個人事業でそこそこ稼げているのと、FIREの目標としていた資産5000万円を達成し、株式などの配当で最低限の生活を維持できることが分かっていたので、決断に当たって不安は特にありませんでした。

――FIREされて、1日の時間の使い方は変わりましたか?

だいぶ変わりましたね。YouTubeの動画は週3~4本のペースでアップしていますが、1つの動画を作成するためにかかる時間は5時間程度です。ネタをリサーチしながら資料を作るなど、同時並行してやっています。

FIREする前は本業以外の時間の大半をこうした副業に充てていため、職場の同僚と一緒に出かけたり趣味のことに時間を割くことはほとんどできませんでした。しかし、今は時間的な余裕も生まれ、こちらから友人に声をかけて夜一緒にジムで汗を流したりしています。

グーグルの株を買うのが目標だった

――米国株投資を始めた経緯について教えてください。

投資を始めた頃の目標が、グーグルの親会社であるアルファベット(GOOGL、GOOG)の株を買ってみたいなと感じていたことだったんです。しかし、最初に口座を開設した証券会社ではスマホアプリ内で米国株の取引ができなかったんですね。それで日本株への投資を始めて、ひとまずは日本株で満足していました。それでもアルファベットへの思いは消えることなく、しばらくして米国株を買い始めました。実際にやって見るとこれが面白くて、個別銘柄では現状では金額ベースで米国株が85%、日本株が15%くらいの割合になっています。

――どのような銘柄に投資されているのですか?

気になった銘柄があったら、とりあえず1株買っておくというのが私のやり方です。割高かなと思って買わずにいた株がその後値上がりし、慌てて買っても高値づかみになってしまうことがありがちです。これは「所有欲」の問題だと思います。欲しいと感じた時に1株買っておけば、自分自身の当面の所有欲は満たされてしっかりと買い時を待てるようになったような気がします。

しかし、この方法だと結果的に1株しか持っていない株が多くなるというデメリットもあるように思います。米国株は全部で40銘柄くらい保有していますが、1株の後に本腰を入れて追加購入したのは8銘柄程度です。よく知られている銘柄ですと、アップル(AAPL)、台湾セミコンダクター・マニファクチャリング(TSM)、ホーム・デポ(HD)などですね。

自分の性格や生活スタイルに適した投資の考え方を見つけ、生活の質を高める

――投資は長期保有が前提ですか?

その時々のトレードにもよりますが、基本的に長期保有が多いですね。投資を始めて間もない頃に、1日、1週間、1ヶ月と、様々な期間で試してみたことがあります。私の場合、その中で最も結果が出て、なおかつストレスとも付き合いやすいのがガッチリ保有する投資法でした。自分の性格や生活スタイルと一番合っていたんです。一時期はデイトレもやってみましたが、私自身は毛色が合わないと思いましたね。投資に束縛されるのは嫌だと感じたものですから。

――現在も個別銘柄を長期保有する方針をとられているのですか?

いいえ、これまでは個別銘柄がメインでしたが、最近はETFの保有比率を高めています。2021年12月頃にはFIREの時期が見えてきたので、それに伴い、個別株をS&P500に連動するETFに変えたり、個別株の中でもグロース株から高配当株に切り替えたりしました。今は総資産の4割くらいがETFです。

投資も好きですが、今後はできるだけ自由に生きていきたい、銘柄分析よりもやりたい事業などに注力したいと考えたからです。自分好みのポートフォリオを組んだ高配当ETFなどもある程度存在するので、そういうものを活用していった方が、QOL(生活の質)が上がってくるのではないかと思っています。

>> >>高配当株を選ぶ4つのポイント、副業・節約術とは【後編】

※本インタビューは2022年3月25日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。