>> >>【前編】7年で資産1億円!米国株で爆速・資産形成を実現した3つの成功要因

米国株を運用することで、33歳で「億り人」となった個人投資家のまーしーさん。前編では成功要因や投資戦略についてお聞きしました。後編では、米国成長株の発掘法や企業分析の仕方、保有銘柄の情報収集、そして投資初心者へのメッセージなどについて語っていただきました。

中長期の投資スタンスで大切にしていること

――米国成長株を投資対象とする場合、対象銘柄はどのような方法で探し出すのでしょうか。

まず、現在や未来の「旬」の銘柄が何かを考えることです。また他の投資家がどのようなテーマに興味を持っているのかを例えばブログやXなどで確認します。これらや各種報道などから総合的に判断して自分なりの注目テーマ・企業を絞っていきます。次に何をやっている会社なのか事業内容などを把握します。そして「なぜ、いま業績が伸びているのか」「将来的に、どのくらいの市場規模を目指しているのか」といった視点でリサーチを重ね、納得かつ共感できたら投資対象として検討する、というのが大きな流れでしょうか。銘柄の調査にかける時間は、投資スタンスによって変わってきます。短期投資の場合は、調査に多くの時間を割かないで臨むケースもあります。

――中長期の投資スタンスで臨む場合は、どのような点に注意されていますか? 

私はファンダメンタルズ分析を主眼としています。企業経営や財務状況などを元に本質的な価値を探る方法で、主に決算書を判断材料とします。米国株は年4回の決算報告があり、企業ホームページ上のIRページで閲覧できます。英語が苦手だとしても無料の翻訳ツールを利用することで、十分理解できます。

――決算書を見る上でのチェックポイントを教えてください。

基本的には、「売上高」「EPS(1株あたり利益)」「ガイダンス(来期以降の業績見通し)の3つを押さえれば良いと思います。私はこの3点がアナリストの評価以上であれば、経営は良好と判断しています。アナリストの評価以下だったとしても、その理由が成長のために必要な事柄なら問題としません。

決算書やIRなどの情報を含め、私がもっとも重要視するのは「将来的な市場規模がどれくらい大きいか」です。その企業の成長性、「将来の利益」に投資するのです。

――著書で、「『株価』より『利益』を意識する」と書かれていた理由を教えてください。

2017年のことです。当時アマゾン・ドットコムの(以下、アマゾン)PER(株価収益率)は3桁を示し、これを見て株価が非常に割高だと判断した私は「近いうちに暴落するだろう」と考えていました。ところが同年7月からの1年で、アマゾンの株価は80%もの急騰を演じました。

株式投資を検討する際、株価を重要視する人は多いと思います。過去のチャートを見て現在の株価が割高・割安なのか、あるいは競合他社の株価を見て割高・割安なのかを推し量るでしょう。とはいえ、目の前の株価だけを盲目に信じてしまうと、該当企業の成長や将来の利益を見逃しかねません。先のアマゾンはその失態を犯した最たる例です。

当時のアマゾンに対する私のイメージはeコマース企業でした。最強の収益柱であるAmazon Web Service(AWS)というクラウドサービスをすでに所有していたのにもかかわらず、そのテクノロジー領域のビジネスを頭に入れていませんでした。すなわち、AWSによるアマゾンの適正価値を見誤っていたことになります。

2017年以降、アマゾンのAWSサービスは多額の利益を叩き出します。現在は同分野で世界シェアナンバー1を誇っており、その利益を計算に入れていたら2017年当時の3桁のPERはまったく割高ではなかったといえます。ですから直近の株価に左右されず、将来得られるかもしれない利益に焦点をあてて投資することが、結果的に資産爆増につながるのです。

――投資観点で、どのようなセクターに関心がありますか?

ハイテク分野の企業が好きです。一番の魅力は利益率が高いことですね。例えば、モノを作るメーカーの場合は、人や工場、モノの輸送などを必要とし、原価が高くなります。対してテクノロジーサービスは、サービスの提供に時間やコストもかかりにくい傾向があると思います。その分、利益率が高い、成長性の維持や発展を望めるのではないでしょうか。

――保有する銘柄もハイテク関連が多いのでしょうか?

はい。割合として多いですね。一例を挙げると、ジースケイラー[ZS]というクラウドベースのセキュリティーサービスを提供する米企業です。最初の買い付けは2021年になります。企業にとって情報管理の重要性は高まるばかりですが、米国でも中小企業などまでクラウド上にデータを預ける状況には至っていません。サイバーセキュリティの需要が今後本格的に増加するのは間違いなく、その本命として保有しています。

また、近年話題の半導体大手エヌビディア[NVDA]も保有しています。最初の買い付けは2019年になります。20世紀の戦時下で資源の貴重さを訴えた「石油の一滴は血の一滴」という格言になぞり、現代ではあらゆるものを動かすのに半導体が必要不可欠とされるだろうと考え、その製造に優れた会社として投資しました。ここまで早く成長するとは予想していませんでしたが(笑)。

――現在の保有銘柄数と管理方法を教えてください。

米国株で1億円を築いた2021年7月時点は、前述した「フルインベストメント&集中投資」の戦略から4銘柄に絞っていましたが、現在は資産全体に占める1銘柄の割合を4%程度とし、約25銘柄を保有しています。銘柄分散しているのは米国の金利動向がはっきりしないからです。今後、利下げ局面となったら銘柄数を絞り込み、もう少し資本集中させたいと考えています。金融政策やマーケットなどの状況に応じて、リバランスするスタンスです。

目標は40代で2億円の金融資産、投資・資産運用では「規律性が重要」

――今後の目標や、将来的に目指すFIREの目処をどう考えていますか?

目先の目標は40代で2億円の金融資産を保有することですが、目先は税引き後1億を目処に1.2億円の金融資産を目指しています。

一方で、FIREに関しては以前ほど早急に実現したいとは考えていません。なぜならば、数年前に職場で異動があり、現在は株式投資で培った学びと親和性がある仕事に就いたことで、ある程度本業での満足感を得られているからです。ただ、いつか再び異動のときがやってきます。その際には、税引き後1億円がFIREを実行に移す上で現実的な目安としています。1億円をインデックスで運用できれば、年9%程度のリターンは今後も望めると思うためです。税引後で年600万円程度あれば、仮に無収入だったとしても、極端な節制なしに生活していけるでしょう。

――最後に、これから投資を始めようと考えている20代30代の方にメッセージをお願いします。

私は2021年2月、33歳で1億円という金融資産を手に入れました。低収入でも億り人になれる可能性は十分あります。収入の多寡は関係ありません。

ただし、誰でもその道が開けているわけではなく、「規律性」が重要だと私は考えています。
例えば、投資に回すお金をいかに確保するか。少ない収入の中、その入金力を維持していくには支出のコントロールが不可欠になります。規律を持って資産運用をしていかなければならないのです。

そして何より、自分が実際に投資をすることで日々のマーケット動向や企業の動向が気になってきます。実践しながら学んでいけば良いと思います。チャンスをつかむための第1歩を踏み出しましょう!

※本インタビューは2024年6月28日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。