高金利通貨 の記事一覧
吉田恒の為替デイリー
新興国通貨高の「謎」を考える
メキシコペソや南アフリカランドなど新興国通貨は対円で上昇傾向が続いている。米金融引き締め局面では、新興国通貨は急落、「通貨危機」になったことも考えると、この新興国通貨高は「謎」でもある。
対米ドルで先進国通貨以上に新興国通貨が選好されている要因に金利水準の高さはありそう。ただ、金利はリスクの裏返しでもある。リスクテークが限界に達すると、新興国通貨の高い利回りも、リスク面として意識される可能性は要注意か。
吉田恒の為替デイリー
トルコリラと金融政策、原油との関係
トルコリラは年明け以降、トルコ利下げ中断で底固い展開が続いている。ただ、基本的に逆相関関係にある原油相場が一段高となる中でもトルコリラ下げ止まりはなぜか?
この間のトルコリラ下げ止まりは、記録的な短期的「下がり過ぎ」反動の影響が基本ではないか。
吉田恒の為替デイリー
トルコリラ、当面の底打ち条件とは?
トルコの20日金融政策会合では、久しぶりに利下げは見送られる見通し。では、2021年9月の利下げ開始から、ほとんど「底割れ」となっていたリラも、ついに当面の底打ちを確認することになるか!?
経験的に、リラの当面の底打ちは、短期的な「下がり過ぎ」拡大に対し、通貨防衛的に利上げを行ったことがきっかけだったが、利上げがないまま「二番底」を確認できるかに注目。
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トルコリラ安終了「W底」という目安
トルコリラは先週から急反騰となった。暴落相場の転換は、いわゆる「V字型」より、本当に底を打ったのか何度か試しながら反転に向かう、いわば「W字型」が少なくなかった。
暴落相場の終わりは、下落リスク再燃を凌げるか、つまり安値更新を回避できるかが目安か。
吉田恒の為替デイリー
トルコリラ安は終わったのか?
先週のトルコリラ急反騰は、『トルコリラ暴落は短期的な「下がり過ぎ」反転で一段落する』といった過去のパターンからすると、トルコリラ安一段落の可能性が注目される値動きではある。
ただ、インフレ下での通貨安が利上げなしで本当に終わるかなど、なお悩ましさを抱えている。
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「暗黒の金曜日」と新興国通貨暴落
南アフリカのコロナ変異種報道をきっかけとした26日「暗黒の金曜日」ブラック・フライデーに、当事者とも言える南アの通貨ランド以上にメキシコペソが大きく下落した。
代表的な新興国通貨でみられたこのような急落の背景には、中長期的に高値限界圏に達しており、その修正局面が続くといった見通しがあるのではないか。
吉田恒の為替デイリー
メキシコとトルコ、金融政策会合の影響は?
メキシコは前回、6月に「サプライズ利上げ」となった。今回も追加利上げ予想が一部にある。ただ、すでに中長期的な高値警戒域にあることから、追加利上げの有無とは別にさらなるメキシコペソの上昇は限られそう!?
トルコリラは、エルドアン大統領の利下げ圧力が再燃している。
吉田恒の為替デイリー
4通貨の中長期為替予想の考え方
豪ドル、NZドル、トルコリラ、ブラジルレアルの4通貨の対円相場について、1年以上といった中長期の予想を、おもに購買力平価と5年MAとの関係の分析から考察する。
吉田恒の為替デイリー
高金利通貨・トルコリラの「押し目買い」
トルコリラ/円は、90日MAからのかい離率で見ると、一時的に「上がり過ぎ」懸念が強くなっていた。ただ一方で、5年MAなどで見ると、中長期的には「下がり過ぎ」圏。
以上を総合すると、最近の下落は短期的な「上がり過ぎ」修正に伴う限定的な動きであり、中長期的には「下がり過ぎ」の反動から上昇に向かう動きがまだ続いている可能性あり?!
吉田恒の為替デイリー
トルコリラ「6年安」は終わったのか?
トルコリラ/円は52週MAを大きく上回り始めた。これは、6年以上続いた下落トレンドではなかった現象だけに、トレンドが上昇へ転換した可能性を感じさせる意味で注目。
一方、90日MAとの関係を見ると、短期的な「上がり過ぎ」懸念が拡大している。目先的には上昇一服の可能性がある。金利差が有効となる「下がったところは買い」がワークする状況に変わり始めた可能性にも注目。
吉田恒の為替デイリー
高値警戒域に接近してきた新興国通貨
メキシコペソ、南アフリカランドといった新興国通貨の対円相場がじりじりと上昇、90日MAからのかい離率は3%前後に拡大してきた。
経験的に同かい離率が5%以上に拡大すると短期的な「上がり過ぎ」懸念が高まってくる。足元で計算すると、メキシコペソ/円は5円前後、南アフリカランド/円は6.5円前後から高値警戒が高まる見通し。
吉田恒の為替デイリー
南アフリカランド/円投資を考える
相対的な高金利通貨投資では、割高、割安の見極めがきわめて重要。
南アフリカランド/円は、移動平均線との関係を参考にすると、短期的にはニュートラル、中長期的には割安気味との評価が基本か。
吉田恒の為替デイリー
メキシコペソ/円の当面のシナリオ
メキシコペソ/円は、購買力平価を2割以上下回ると経験的には「下がり過ぎ」圏、足元で計算すると4.5円以下は「下がり過ぎ」の可能性。
一方、短期的には90日MAからのかい離率がプラス10%前後に拡大すると「上がり過ぎ」警戒域。それを参考にすると足元では5円以上は「上がり過ぎ」警戒域。
吉田恒の為替デイリー
高金利通貨、メキシコペソ買いの考え方
高金利通貨投資の最大の魅力は大幅な対円金利差優位。メキシコペソ/円の場合、大幅な金利差優位がある程度価格下落を吸収、トータル収支プラスを維持できるかが鍵になる。
大幅な下落が起こるのは基本的に「割高」水準にある場合。「割安」水準で、下落リスクが限定的なケースでは、金利差優位が効果的になる可能性が高まる。
吉田恒の為替デイリー
メキシコペソ/円の歴史的割安圏
2001年以降で、メキシコペソ/円が購買力平価を最も下回ったのは2011年9月の25%だった。足元の購買力平価は5.7円程度なので、それを25%下回るのは4.2円。
購買力平価との関係で見ると、足元のメキシコペソは歴史的割安圏にある。
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メキシコペソ暴落前との類似と相違
先週のメキシコペソ/円は最大1割近い急落となった。このメキシコペソ/円は、2月から3月にかけて3割近い暴落となったが、当時と今回での違いとは?
2月暴落が始まる前のメキシコペソ/円は、短期的にも中長期的にも「上がり過ぎ」懸念が強まっていた。一方足元は短期的には「上がり過ぎ」懸念が強まり出したが、中長期的には「上がり過ぎ」が懸念される状況ではない。
吉田恒の為替デイリー
続・メキシコペソを下支える2つの要因
メキシコペソ/円は足元で3月中旬以来の水準まで反発してきた。メキシコペソの「下がり過ぎ」修正、また原油相場の「下がり過ぎ」修正が産油国通貨・メキシコペソにとってプラスになったためと考えられる。
ただそれらの「下がり過ぎ」はかなり是正された。
吉田恒の為替デイリー
メキシコペソを下支える2つの要因
メキシコペソ/円は一時リーマン・ショックに次ぐ「下がり過ぎ」に。徐々に修正されてきたものの、なお下落余地は限られそう。
産油国通貨、メキシコペソにとって、空前の「下がり過ぎ」の反動に伴う原油上昇はプラス要因として働きそう。
吉田恒の為替デイリー
新興国通貨下落は止まらないのか?
足元のメキシコペソ/円は、購買力平価との関係でみると、2001年以降で最大の「下がり過ぎ」となっている可能性がある。
トルコリラも「大暴落」の後は、下がり過ぎ拡大も限定的にとどまる可能性が高かったが、コロナ問題でそんな経験を上回る下落になるのかが試されている。
吉田恒の為替デイリー
「下がり過ぎ」のトルコリラとメキコシペソ
トルコリラ/円は先週にかけ最安値更新。新型コロナ感染者急増で経済への打撃懸念が主因とされる。
トルコリラ/円は90日MAからのかい離率でみると「下がり過ぎ」懸念が拡大。「大暴落」後は下がり過ぎも限定的にとどまるといった経験則は、コロナの影響で覆るのか?!