下落相場の終わり方、V字とW字
トルコリラは、トルコ政府のリラ防衛策などをきっかけに先週から急反騰となった(図表1参照)。ではこれで、トルコリラ安は終わったのかについて、前回のコラム「トルコリラ安は終わったのか?」に続いて考えてみる。今回は、過去のトルコリラ暴落の終わりにおける、とくに値動きの特徴を参考に考えてみたい。テーマはV字ではないW字型の反転、いわゆる「二番底」だ。
2000年以降で、主なトルコリラ/円の暴落は、今回以前では2001年、2008年、2018年の3回あった。この3回は、いずれもトルコリラ/円の90日MA(移動平均線)からのかい離率がマイナス30%以上で拡大が一巡することで、当面の底打ちとなった(図表2参照)。
以上で確認できるのは、トルコリラの暴落も、90日MAからのかい離率がマイナス30%以上に拡大すると、さすがに短期的な「下がり過ぎ」懸念が強まる中で一段落してきたということ。
ところで、トルコリラ暴落終了のもう1つの特徴として、底打ちパターンについても注目してみたい。上述のように、直近2回のトルコリラ暴落は、2018年と2008年だが、そんな暴落の終わり方は、暴落から反騰へ急反転したいわゆる「V字型」ではなく、何度か底値を模索しながら上昇トレンドへ転換に向かうといったいわば「W字型」だった(図表3、4参照)。
急落相場が反転したケースにおいて、下落再燃でも底値更新に至らなかったことは、「底値=一番底」を確認した「二番底」と呼ばれる。これは、下落相場が底打ち反転する場合の代表的なプライス・パターンとして知られるが、トルコリラ暴落局面でも、似たようなことが起こっていたようだ。
というより、今回のトルコリラのような暴落相場こそ、反発となった場合でも、底打ちはにわかに信じられず、何度か下落リスクを試しながら下落相場の終わりを確認するということは想像できる。
以上からすると、今回のトルコリラ/円の場合も、下落リスクが再燃する可能性はありうるだろう。それでも12月の安値である6円を下回らず、6円「一番底」という「二番底」の確認こそが、トルコリラ暴落が本当に終わったかの目安になるのではないか。