メキシコペソ/円と原油の90日MAからのかい離率
メキシコペソ/円が、4.5円前後で底固い展開となってきた。これを受けて、「下がり過ぎ」も少しずつ修正されてきた。
メキコシペソ/円の90日MA(移動平均線)からのかい離率は、一時はマイナス22%まで拡大した(図表1参照)。これは、リーマン・ショック後に記録したマイナスかい離率に次ぐ大幅なマイナスのかい離率。要するに、メキシコペソ/円は、リーマン・ショックに次ぐ記録的な「下がり過ぎ」となっていたわけだ。
【図表1】 メキシコペソ/円の90日MAからのかい離率(2000年~)
その後も、メキシコペソ/円は反発力は限られた状況が続いたものの、一方で底固い展開となる中で、同かい離率は足元ではマイナス12%程度まで縮小した。徐々にだが、下がり過ぎが修正されてきたといえるだろう。
ただ、同かい離率がマイナス10%以上にある中では、依然として「下がり過ぎ」の状況にあることには変わりない。このため引き続き、下落余地は限られた展開が続きそうだ。
ところで、メキシコは産油国であることから、原油相場が材料視されることが少なくない。その原油相場は、一時先物価格がマイナスを記録するなど空前の大暴落となり、これまで述べてきたメキシコペソ/円以上の「下がり過ぎ」となった(図表2参照)。この原油相場の「下がり過ぎ」修正に伴う上昇も、産油国メキシコの通貨ペソにとってプラス要因として当面働く可能性がありそうだ。
【図表2】 WTIの90日MAからのかい離率(2000年~)