金融テーマ解説の記事一覧

チーフ・アナリスト 大槻奈那が、毎回、旬な金融市場のトピックについて解説します。市場の流れをいち早く把握し、味方につけたいあなたに、金融の「今」をお伝えします。

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金融テーマ解説
「管理変動相場」に向かう長期金利:「勝ち組」はインフラ、商社等。金融には慎重スタンス
9月21日に日銀が発表した金融施策では、インフレ実績値2%達成までの緩和継続と、新たな長期金利のコントロール策(長短金利操作付き量的・質的金融緩和)が発表された。今回の政策は、恐らく近...
日銀・金融政策に関する個人投資家アンケート結果~ 緩和効果に対し一層懐疑的に
マネックス証券では、9月14日から16日にかけて、個人投資家向けに日銀の金融政策に関するサーベイを行い、554名から回答を得た。これによれば、総じて日銀の金融政策の効果について懐疑的な見方...
長期金利上昇と金融機関の利益の関係:「事実」と「誤解」
主要国の金融政策が注目を集める中、世界的に長期金利が上昇している(図表1)。日本でも9月20-21日の金融政策決定会合と総括的検証を前に、イールドカーブのスティープ化、すなわち、長期金利...
米早期利上げを裏付けるこれだけの根拠
26日の米ジャクソンホール年次シンポジウムでのジャネット・イエレンFRB議長とフィッシャー副議長の発言を受け、市場では米国の早期利上げ観測が高まったと受け止められた。この半月、FRB高官や...
"目詰まり"を起こす緩和マネーと今後の見通し
2月16日のマイナス金利導入から半年が経過した。9月の金融政策の「総括的検証」では「大胆な」政策を取るだろうとする報道がある一方、緩和は限定的との見方もあり、市場は金融関連のニュースに...
日銀金融政策の決定内容と今後の見通し:高まる手詰まり感
7/28-29の金融政策決定会合では、ETFの購入枠拡大と、米ドルの資金供給枠の拡大と、市場の事前予想よりは小規模な緩和が決定された(図表1)。資産購入枠の拡充(量的緩和)は見送られ、年間80...
日銀金融政策決定会合プレビュー:効果と副作用の整理
今週7/28-29の金融政策決定会合を控え、市場では経済対策と金融緩和策の全力投下への期待が高い。しかし我々は、今回の決定会合では、追加緩和は、資産購入対象の拡充とETF購入枠拡大等、やや規...
揺れる欧州銀行セクターに関する10の質問
BREXITの国民投票後の株式市場の動揺は消化され、市場は今週一気に盛り返している。米国の雇用統計の強さ、今月の各国中央銀行の金融政策への期待、日本の大型補正予算の可能性等が支えとなって...
BREXIT後の日・欧金融セクター:株価暴落の背景と今後
6月23日の英国のEU離脱の国民投票を受け、一旦大幅に下落した日本の株式市場は、週明け以降やや落ち着きを取り戻している。ところが、依然として世界の金融機関の株価は下げ止まらない。欧州の...
英BREXITリスク:金融システムへの影響を検証
英国のEU離脱(BREXIT)の是非を問う国民投票がいよいよ今週木曜日(日本時間では金曜日朝)に迫った。先週末の世論調査では残留派が離脱派をリードしたものの、依然僅差で推移している(BREXIT...
金融政策の行方とマイナス金利影響の定点観測
今週6月15-16日の日銀金融政策決定会合を控え、不安定感を増す為替、株式市場から、追加緩和への期待が徐々に高まっている。しかし我々は、以下の要因から今回大きな緩和措置が取られる可能性は...
消費増税延期で懸念される「格下げ」とその影響
1.日本国債の格下げはありうるのかG7も終了し、政府内では、消費増税延期の是非を巡る議論が本格化している。これに対し、一部では、日本の国債格付けの引き下げに対する懸念が台頭している。我...
邦銀決算速報と大手行の見通し
サマリー-16/3期の大手行の当期利益は、ノンバンク業務やエネルギー関連等の損失計上で事前想定よりやや弱めだったが、17/3期の会社予想(目標)は、総じて想定通りの減益幅-株主還元は引き続き...
マイナス金利下の銀行決算見通し:高配当狙いの投資機会を検証
今週は、16年3月期の企業決算発表が集中している。なかでも5月13日金曜日は東証上場のうち940社もの決算発表が予定されている。銀行セクターの決算発表も今週ピークを迎える。株価は日銀の4月28...
日銀の追加緩和見送り:今後も金融政策への過度な期待は禁物
4月28日、日銀は金融政策の維持を決定した(図表1)。緩和期待が高まっていた市場は、一気に円高、株安に巻き戻した。市場は緩和効果を過度に見積もっていた感も今回の維持は、既に追加緩和を織...
再編ラッシュの地銀セクターの注目点 史上最悪の事業環境を勝ち残る銀行の条件とは?
4月25日、常陽銀行(8333)と足利ホールディングス(7167)(以下HD)が統合の最終合意に達し、グループ名を「めぶきフィナンシャルグループ(FG)」とすると発表した。これを含め、近時、日本...
金融規制の方針転換発表~余剰資金1,000兆円の行方に注目
3月24日、金融規制に新たな動きがあった。世界の金融規制を決めるバーゼル委員会(BIS)が、高度なリスク計算手法の利用を制限し、格付機関の格付に準拠するよう求めるという、いわば「先祖返り...
ECBの'新バズーカ'と日本の金融政策の見通し
3月10日、ECB(欧州中央銀行)が事前予想を上回る金融緩和を決めた。欧州メディアは、これを'バズーカ'と呼び、これを受けた翌日の世界の株式市場は、金融株を中心にそろって上昇した。今週は日...
高配当の銀行株:配当確度のチェックポイント~今期配当維持の可能性大。来期以降も収益は厳しいが一部で還元拡充も?
マイナス金利を受け、高配当銘柄が見直されている。とりわけ、先月の株価下落に伴い、金融株の配当利回りが高まっており照会も多くいただく。実際、下記の通り、日経225の高配当銘柄のうち、20...
金融システムのリスクを検証:その1:エネルギー関連与信 ネガティブなニュースフローは予想されるが、全体影響は限定的
足元で金融機関への市場の懸念が拡大している。年初来、世界の29行の上場大手銀行(GlobalSystemicallyImportantBanks)の株価は平均で26%下落した(図1)。金額にして60兆円以上の時価総額が...