2026年2月16日(月)8:50発表
日本 2025年10~12月期四半期別GDP速報(1次速報)

【1】結果:12月期GDP速報は小幅ながらプラス成長に 消費や設備投資は横ばい圏

2025年10~12月期の国内実質GDPは前期比年率0.2%増と2四半期ぶりにプラス成長となりました。ブルームバーグが集計する市場予想は同1.6%増であったことから、市場が見込むほどの改善とはなりませんでした。

寄与度の内訳をみると、内需では住宅投資が前期比0.2%増と前回から持ち直した一方で、民間在庫が下押ししました。個人消費や設備投資は概ね横ばい圏での推移となりました。また、米国の関税措置の影響もある程度は落ち着たことで、輸出は減少幅を縮小し、前期比0.1%減、輸出と輸入を合算した外需は前期比0%と横ばいとなりました(図表1、2)。

【図表1】2025年10~12月期GDP速報の結果
出所:内閣府よりマネックス証券作成
【図表2】実質GDP成長率と寄与度分解(季節調整値の前期比、%、%ポイント)
出所:内閣府よりマネックス証券作成

【2】内容・注目点:名目GDPは前期比0.6%増 企業の2026年業績予想は上方修正

四半期ベースの名目GDPは668.9兆円で、前期比0.6%増となり、伸びが加速しました。GDPデフレーターが前期比0.5%増と物価が堅調な伸びとなったことが主因で、名目GDP成長率は年率で2.3%増となりました(図表1)。

株価は、その企業の「物価を反映した名目ベースの利益」に対する価格であるといえます。もちろん価格転嫁を前提とした考え方となりますが、ここから名目の国内総生産(≒儲けである付加価値の合計)が拡大した際には、株価も上昇する傾向にあるといえます。

実際に図表3をみると、コロナショック以降のインフレ下においてTOPIXも上昇しており、インフレと歩調を合わせて推移していることが確認できます。足元では、衆議院選挙における自民党の大勝を背景とする政権基盤の安定などを理由に、TOPIXは2026年2月12日に3,882ポイントと最高値を更新しました。足元では株高が急ピッチで進んでいることもあり、名目GDPの成長以上に株価が先行していることが確認できます。

【図表3】名目GDP(四半期実額)とTOPIXの推移(兆円、ポイント)
出所:内閣府、Bloombergよりマネックス証券作成

急ピッチで株価が上昇していることから、一部には日本株の割高さを指摘する向きもあり、高値警戒感はくすぶっています。一方で、先行きの業績見通しを確認すると、2026年のTOPIXベースの増益率は、執筆時点で13%増となっており、3ヶ月前と比べて上方修正されています(図表4)。直近の株高は衆議院で過半数を獲得し、政策が進めやすくなった高市政権の期待感が大きい部分がありますが、ファンダメンタルズの観点では、業績の上方修正が割高さを緩和するものと考えられます。

【図表4】TOPIXのEPS成長率の推移(前年比、%)
出所:FactSetよりマネックス証券作成 *は先行きで市場予想コンセンサスの集計値 
※2026年2月16日時点

【3】所感:先行きは前期比年率1%程度の成長が見込まれる

先行き1年間の実質GDPについて、市場は前期比年率で1%程度の成長を見込んでいます(図表5)。筆者も同様で、物価が緩やかに落ち着いていくことで、それによる実質賃金の改善が消費を底上げしていくと考えており、1%程度の成長は達成可能なものと見込んでいます。実質賃金は、2025年の1年間を通して、マイナス推移となり、物価の高止まりにより家計は賃金の伸びを実感しづらい状況が続いていました。

【図表5】先行きのGDP予想(前期比年率、%)
出所:内閣府、ブルームバーグよりマネックス証券作成、点線は先行きで市場コンセンサス集計値
※2026年2月16日時点

物価高の主要因は食料品価格の高騰による部分が大きい中で、足元では食品価格でもインフレの減速基調が確認できます。また帝国データバンクの調査によれば2026年4月の食料品価格の改定予定品目数は、2025年比で減少が見込まれており、期初は価格改定が実施されやすい局面ですが、ある程度の食料品価格のディスインフレ基調が継続するものとみています。加えて、足元の株高による資産効果なども個人消費にはプラスに寄与するものと想定しており、2026年は実体経済の成長も確認できると考えています。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太