現在のファンダメンタルズ:米国によるレートチェックがサプライズに
先週(1月19日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 155.624円~159.219円 155.740円
・ユーロ/米ドル:1.15761ドル~1.18338ドル 1.18292ドル
・ユーロ/円: 182.731円~186.871円 184.231円
先週(1月19日週)の米ドル/円:植田日銀総裁の会見後から円高へと急反転
週明け1月19日の早朝はトランプ米大統領による欧州8ヶ国への追加関税を嫌気して当初はユーロ売り、すぐにリスクオフの米国売りへと転じました。米国と日本とで、トリプル安比べの様相となりましたが、米ドル/円は押し目買いも根強く、多少の上下を挟みながら1月23日の日銀会合と衆院解散を迎えました。
日銀の現状維持も、衆院解散も予定通りでしたが、日銀会合後の会見で、植田和男総裁は引き締め方向を示したもののインフレが上昇する状態ではないと発言。これにより円安が進み、一時米ドル/円は159.219円の高値をつけました。しかし、その直後にレートチェックとみられる動きがあり、157円台前半へと急落。さらにNY市場昼前には、米当局によるレートチェックの実施がサプライズとなり、155.624円まで続落し、安値圏での週末クローズとなりました。
先週(1月19日週)最大のイベントは日本のレートチェックだけでなく米国でもレートチェックが行われ、現在の円安について日米で懸念を共有していることを実際に確認した点です。これまでもベッセント米財務長官と片山さつき財務相の間では「円安の懸念を共有している」との発言はあったものの、実際に米国でレートチェックが行われたことはサプライズとなりました。今回は直前に円債の利回りが急上昇する動きが見られたことも大きかったと思います。
しばらく為替市場では円安の動きは収まりそうですが、中期的にはいつまで抑えることができるのかは悩ましいところです。1月23日の調整が入った後に、更に実際に介入をするといった動きが出なければ、気づいたらまた円安になってしまうリスクは大きいとみています。
先週(1月19日週)のユーロ/米ドル:ユーロはグリーンランド領有問題で上昇
先週(1月19日週)のユーロ/米ドルは、週初早朝こそユーロ/米ドル売りでスタートしたものの、その後は米国売りへと転じユーロ/米ドルは着実に上昇する動きを見せました。1月20日以降は欧州が米国債売りに動くという民間レポートが発表され、デンマークの年金が実際に米国債の売りを決定したあたりから、米国のトリプル安の動きが強まりました。
しかしダボス会議に出席していたトランプ米大統領がグリーンランド領有への意欲は示しつつも武力行使はせず、また欧州8ヶ国への関税も発動しないとしたことで、これまでの米国トリプル安に対する動きは1月21日でいったん沈静化。巻き戻しから債券高(米金利低下)、株高、米ドル高の動きとなりましたが、為替市場ではユーロ/米ドルの買いは引くことがなく、週末に向けて更に上昇する動きとなりました。
1月23日には米ドル/円のレートチェックによる米ドル売りが強まったことを受け、ユーロ/米ドルも1.18338ドルへと上伸し、高値圏での引けとなりました。またユーロ/円は植田日銀総裁会見後に186.871円へと史上最高値を更新したものの、米ドル/円で日米双方のレートチェックが入ったことからユーロ/円もまた反落して一週間を終えています。
米ドル/円チャート(週足)、平行チャンネル内で昨年高値を一時的に上抜け
長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。
週足チャート(図表1)では、日米双方のレートチェックを受け2025年10月安値を起点とした平行上昇チャンネル(青)を明確に下抜けました。長期的には再び円安に戻る可能性は否定できませんが、当面は米ドル/円は159円台半ばで円安の流れは終わったとみてよいでしょう。
週明け1月26日の早朝市場でも円高方向への動きが続き、2025年9月安値と2026年高値との38.2%押しに位置しています。20週移動平均線も同じ水準にあることからいったんは下げ止まりやすい水準となりますが、今後は半値押し152.444円を視野に入れながら、日米当局の動向を探る展開となっていきます。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
米ドル/円チャート(日足)、1月23日の大陰線とともにデッド・クロスに転じる
短期的な判断は日足で行います。
米ドル/円は2025年12月30日のゴールデン・クロス状態から1月23日に久しぶりにデッド・クロスに転じました。大陰線での転換となったため、このデッド・クロス状態はしばらく続くことになるとみられますが、今後週足で移動平均線を下回る動きとなってくればデッド・クロスでの売りからエントリーし、ゴールデン・クロスで利食いの買い戻しという、高市トレードからの大きな変化を見ることになるかもしれません。今後総選挙に向けての動きにはテクニカルにも要注目となってきました。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
ユーロ/米ドルは下降トレンドに転換直後に週足移動平均線を上抜け
ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。
週足チャート(図表3)は長期平行上昇チャンネル(青)と短期平行下降チャンネル(緑)による三角持ち合いの収束パターンを上抜け、前回転換したばかりの下降トレンドにも黄信号が点灯です。前回も移動平均線がほぼ平らであることを注意点としましたが、移動平均線を上抜けて引けたことで、今週も上抜ければ改めて上昇トレンドへの転換となります。これまでもユーロ/米ドルは息の長い上昇トレンドであったことを考えると、下降トレンドはダマシに終わる可能性が高そうです。
日足チャート(図表4)で見ると2本の移動平均線は2025年12月30日のデッド・クロス状態から、こちらも久しぶりに1月20日にゴールデン・クロスへと転じました。米ドル/円とユーロ/米ドルの長期トレンドの変調と短期トレンドの転換を見る限りにおいて、今回の米ドル安の動きは息が長いトレンドになる可能性がありそうです。ユーロ/米ドルの当面のターゲットは2025年高値1.19183ドル、そして週足の平行上昇チャンネル(青)の上限に重なる大台1.20ドルということになります。
ユーロ/円は史上最高値更新後の調整局面が長引くか
ユーロ/円(図表5)は1月23日の日銀総裁会見後に改めて史上最高値更新の動きとなりましたが、米ドル/円で日米双方のレートチェックが入ったことを受け、今回は調整局面が長引きそうです。米ドル/円、ユーロ/米ドルともに米ドル安の動きとなっていますので、ユーロ/円は本来横方向の動きとなり、長期上昇チャンネルを下抜けてもいません。ただ、レートチェックが米ドル/円で入ったことを考えると円安から円高への転換がユーロ/円でも起きやすい地合いにあるとみてよいでしょう。
日足チャート(図表6)でも米ドル/円、ユーロ/米ドル双方での米ドル安の流れが結果として同じようなスピードとなっていることから、週足での青の平行上昇チャンネル内での動きが続いていることがわかります。2本の移動平均線も1月9日のゴールデン・クロス状態のまま変わりません。しかし、ここからの米ドル安のスピード差によって今週(1月26日週)前半にもデッド・クロスに転じる可能性はあります。これまでデッド・クロスになりそうでならない流れでしたから注意しておきたいところです。
それでは今週も良いトレードを!
