【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 47,207.12  △472.51 (10/24)
NASDAQ: 23,204.87  △263.07 (10/24)

1.概況

先週末の米国市場は主要3指数が揃って続伸、最高値更新となりました。同日朝に発表された9月のCPI(消費者物価指数)が市場予想を下回り、FRB(米連邦準備制度理事会)が10月28-29日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利下げを決めるとの見方が強まったことが、主力株の買いにつながりました。

ダウ平均は、76ドル高の46,811ドルで取引を開始しました。朝方から堅調に上げ幅を拡大し、中ごろからは47,200ドル近辺で底堅い値動きとなりました。後半にかけても勢いを落とすことなく、最終的には472ドル高の47,207ドルと、終値で初めて47,200ドル台で取引を終えました。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は263ポイント高の23,204ポイント、S&P500株価指数も53ポイント高の6,791ポイントで共に続伸となり、2指数は揃って10月8日以来の最高値更新となりました。

2.経済指標等

発表が遅れていた9月のCPI(消費者物価指数)は前月比0.3%上昇、前年比では3.0%上昇と共に市場予想を下回る結果となりました。コア指標も市場予想を下回る前月比0.2%上昇、前年比3.0%上昇となりました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち6業種が上昇しました。情報技術が1.6%高でセクターの上昇率トップとなりました。そのほか、コミュニケーション・サービス、金融、公益事業の3業種が1%台の上昇となった一方で、5業種が下落となりました。エネルギーのみ1%以上の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中19銘柄が上昇となりました。アイビーエム[IBM]が7.9%高で構成銘柄中の上昇率トップとなりました。ゴールドマン・サックス[GS]が4.4%高となり、エヌビディア[NVDA]とジェイピー・モルガン・チェース[JPM]が2%台の上昇となりました。一方で前の日に大きく上昇していたハネウェル・インターナショナル[HON]が2.1%安で下落率トップとなりました。そのほかスリーエム[MMM]など計3銘柄が1%台の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、グーグルを運営するアルファベット[GOOGL]は、AIスタートアップのアンソロピックと数百億ドル規模の契約を結び、最大100万個の特定用途向けAIチップを供給するとの報道から買われ、2.7%高となりました。アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]もアイビーエムが、同社が手掛ける半導体により量子コンピューティング分野の進展が見られたことが買い材料となり7.6%高となりました。一方で、靴メーカーのデッカーズ・アウトドア[DECK]は通期の売上見通しが市場予想を下回ったことが嫌気され、15.2%安となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、前の日から横ばいの4.00%となりました。27日朝のドル円は153円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場は主要3指数が揃って最高値更新となりました。これを受けて、本日の日本市場も上昇してのスタートが予想されます。今週は日米の中銀会合や米大手ハイテク銘柄や、日本の半導体関連銘柄の決算発表が控えており、内容が盛り沢山で、株式市場のボラティリティーも高まる可能性があるでしょう。また、本日はトランプ米大統領が来日する予定とされています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)