【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 45,271.23  ▼24.58 (9/3)
NASDAQ: 21,497.73  △218.10 (9/3)

1.概況

前日の米国市場は高安まちまちの結果となりました。3日発表の7月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が718.1万件と、前回6月と市場予想を下回ったほか、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表され、各地域での消費動向に陰りがみられたことから、景気敏感株を中心に売りが優勢となりました。

ダウ平均は、13ドル高の45,309ドルと小幅高で取引を開始しました。その後は早々に下げに転じ、終日軟調な推移となりました。一方で、下値では押し目買いも入り、取引終了にかけて下げ幅を縮小したダウ平均は最終的に24ドル安の45,271ドルで取引を終えました。

アルファベット[GOOGL]は、米連邦地方裁判所が子会社グーグルに対する独禁法違反の是正措置の発表をしたことを受けて大幅に上昇し、ハイテク株全般にも買いが目立ちました。S&P500株価指数は32ポイント高の6,448ポイントで反発、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も218ポイント高の21,497ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

7月の製造業新規受注は前回6月の前月比4.8%減少から改善を示す1.3%減少となりました。耐久財受注の確報値は前月比2.8%減少と速報値からの修正はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち4業種が上昇しました。アルファベット[GOOGL]が上昇に寄与したコミュニケーション・サービスが3%以上の上昇となりました。そのほか3業種は1%未満の小幅高となりました。一方で、7業種が下落しエネルギーが2.3%の下落でセクター内の下落率トップとなりました。そのほか6業種は1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中、13銘柄が上昇となりました。アルファベット[GOOGL]の地裁判決を受け、アップル[AAPL]も連れ高となり3.8%上昇しました。そのほか、ウォルマート[WMT]やセールスフォース[CRM]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]、アイビーエム[IBM]の4社が1%台の上昇となりました。一方でエネルギーのシェブロン[CVX]、アメリカン・エキスプレス[AXP]、ボーイング[BA]が2%台の下落となり、4銘柄が1%台の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、アルファベット[GOOGL]は司法省が求めていた、同社のウェブブラウザ「クローム」の売却提案を米連邦地方裁判所が退けたことが好感され9.1%上昇し、上場来高値を更新しました。百貨店のメーシーズ[M]は通期の利益見通しを引き上げたことで、20.7%上昇と大幅高となりました。一方で、ディスカウント小売のダラー・ツリー[DLTR]は関税によるコスト負担が業績の下押し圧力となるとしたことで8.4%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日から0.05%低い4.21%となりました。4日朝のドル円は148円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

前日の米国市場は高安まちまちとなりました。S&P500株価指数やナスダック総合株価指数の上昇は日本市場の追い風になると考えられ、寄付きは上昇してのスタートが予想されます。一方で主要な半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は小幅安となっており、日本の半導体関連銘柄への買いは限定的と考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)