東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場ではナスダック総合株価指数が最高値を更新するなど、ハイテク株高となりました。その流れを引き継ぎ、日経平均は56円高の39,734円と続伸で寄付きました。しかし上値を追う勢いに乏しく、早々に下げに転じると9時28分には157円安の39,520円をつけ本日の安値を更新しました。その後は持ち直すも、方向感に欠ける推移となった日経平均は35円安の39,642円で前引けとなりました。
後場は前日終値(39,678円)付近で、小動きとなるも次第に上げ幅を拡大する展開となりました。14時00分には245円高の39,923円をつけ本日の高値を更新しました。一方で、高値を付けてからは利益確定の売りが出たことで、上げ幅を縮小すると、大引け間際には前日終値付近でもみ合いとなり、最終的には14円安の39,663円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が4日ぶりに反発、0.5%高となりました。
2.個別銘柄等
東宝(9602)は一時11.4%高の9,231円をつけ年初来高値を更新しました。15日、2026年2月期(今期)の当期純利益は投資有価証券の売却益を計上することにより、前期比で微増の435億円(従来は前期比14%減の375億円)を見込むとし、上方修正による最終増益見込みを好感した買いが入りました。
三井不動産(8801)は1.4%安の1,343円をつけ続落となりました。15日、国内の新発10年物国債利回りが1.595%まで上昇するなど、国内金利の上昇が進む傾向にあるなかで、企業の利払い増加が景気を冷やすとの懸念が売りを呼びました。
レーザーテック(6920)は5.0%安の18,125円をつけ反落となりました。オランダの半導体製造装置大手、ASMLホールディング[ASML]が14時に発表した2025年4~6月期の決算は、売上高・純利益が前四半期から微減となったことを受け、ASMLの好決算に期待して先回り買いが入っていたレーザーテック株は利益確定売りが優勢となりました。
家計簿アプリのマネーフォワード(3994)は4.6%安の4,817円をつけ大幅反落となりました。15日、2025年11月期の中間決算にて、営業損益が15億円の赤字となったことを発表し、前年同月比では赤字幅を縮小するも、前の四半期(2024年12月~2025年2月期)の5.8億円の赤字から、赤字幅が拡大したことが嫌気され、売りが優勢となりました。
串カツ田中ホールディングス(3547)は一時22.1%高の1,831円をつけ年初来高値を更新しました。15日、2025年11月期の中間決算にて、純利益が前年同期比2.2倍の6.1億円となり、従来の会社予想3億円を大きく上回ったことで、業績の上振れを好感した買いが集まりました。
VIEW POINT: 明日への視点
ASMLホールディング[ASML]の決算を経て、日本の半導体関連銘柄に利益確定の売りが出たことで日経平均は小幅安で取引を終えました。
明日に向けて、米国企業の決算発表に注目が集まります。昨日から続く米銀大手では、ゴールドマン・サックス[GS]、モルガン・スタンレー[MS]、バンク・オブ・アメリカ[BAC]が予定されるほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]の決算も予定されています。その他には、6月の米PPI(生産者物価指数)の発表やベージュブックが公表される予定です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
