【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,023.29 ▼436.36 (7/15)
NASDAQ: 20,677.80 △37.47 (7/15)
1.概況
昨日の米国市場は、高安まちまちの展開となりました。寄付き後、欧米関税を巡る先行き不透明感が広がり、下げに転じるとダウ平均とS&P500株価指数は徐々に下げ幅を拡大する展開となりました。
ダウ平均は小幅高で寄付いたものの、寄付き後に上値が重くなると次第に売りに押されてマイナスに転じました。引けにかけても軟調な地合いが続き、安値圏で取引を終え、最終的に436ドル安の44,023ドルとなり、反落しました。
また、S&P500株価指数も26ドル高と小幅に続伸して寄付いたものの、ダウ平均と同様に徐々に売りに押され、マイナスに転じました。引けにかけては下げ幅を広げ、最終的に24ポイント安の6,243ポイントで反落となりました。一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は、半導体株やバイオ株が大きく買われたことから上昇し、37ポイント高の20,677ポイントと最高値を更新して取引を終えました。
2.経済指標等
6月のCPI(消費者物価指数)は前月比0.3%の上昇となり、市場予想通りの結果となりました。前年比では2.7%の上昇となっています。一方、変動の大きいエネルギーと食品を除くコアCPIは、前月比0.2%の上昇と市場予想を下回り、前年比では2.9%の上昇で市場予想と一致しました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち、情報技術の1業種のみが1%を超える上昇となりました。一方、10業種は下落し、なかでも素材、ヘルスケア、金融などの2%程度の下げが目立ちました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、ハイテク株4銘柄が上昇しました。エヌビディア[NVDA]は、中国向けAI半導体「H20」の出荷を再開する計画を表明したことが好感され、4%超の上昇となりました。マイクロソフト[MSFT]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、アップル[AAPL]もいずれも1%未満ながら上昇しています。
一方で、26銘柄が下落しました。とくにアメリカン・エキスプレス[AXP]とホームデポ[HD]は3%超の下落、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]は約3%の下落、メルク[MRK]は2%半ばの下落となりました。このほか、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]、シャーウィンウィリアムズ[SHW]、アムジェン[AMGN]、ゴールドマン・サックス[GS]なども1%台後半の下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が、エヌビディアと同様に中国向け半導体「MI308」の販売再開を発表し、6.4%の上昇となりました。レアアース関連企業のMPマテリアルズ[MP]は、アップルが同社に5億ドルを投資すると報じられ、20.0%高と大幅上昇となりました。一方、決算発表を受けて下落した企業もありました。ウェルズ・ファーゴ[WFC]は第2四半期決算で増益となったものの、純金利収入が市場予想を下回り、通期の業績見通しも下方修正されたことで、5.5%の下落となりました。
5.為替・金利
米長期金利は前日比0.05%高い4.48%となりました。16日朝のドル円は、148円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
前日の米国市場はまちまちの展開となりました。ナスダック総合株価指数は連日で最高値を更新しており、日本市場でも本日は半導体関連銘柄など、ハイテク株への買いが優勢なスタートが予想されます。また、足元では米長期金利の上昇を背景に円安・ドル高基調が続いており、輸出関連銘柄にも買いが入りやすい地合いが見込まれます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
