【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 39,869.38  ▼38.62 (5/16)
NASDAQ: 16,698.32  ▼44.07 (5/16)

1.概況

米国市場は利益確定の売りや持ち高調整の売りが出て小幅に反落となりました。4ドル高でスタートしたダウ平均は上げ幅を広げると昼前に143ドル高の40,051ドルまで上昇し、40,000ドルの大台に初めて乗せる場面もありましたが、買い一巡後に伸び悩むと引けにかけて売りが優勢となり結局38ドル安の39,869ドルで取引を終え3日ぶりに反落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も44ポイント安の16,698ポイントと4日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件減の22万2000件となり市場予想ほど改善しませんでした。また、5月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数も4.5と前月から低下し市場予想も下回りました。4月の米住宅着工件数も年率換算で前月比5.7%増の136万戸に止まり市場予想を下回っています。さらに4月の米鉱工業生産指数も前月から横ばいとなり市場予想を下回りました。設備稼働率は前月から0.1ポイント低下の78.4%となり市場予想と一致しています。一方で4月の米輸入物価指数は前月比0.9%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比0.5%上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや素材、資本財・サービス、エネルギーなどの10業種が下げました。一方で生活必需品が1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルマート[WMT]が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで7%近く上げたほか、スリーエム[MMM]とボーイング[BA]も3%を超える上昇となりました。インテル[INTC]とトラベラーズ[TRV]も2%以上上げています。一方でシスコシステムズ[CSCO]とキャタピラー[CAT]が2%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算を発表したスポーツ用品のアンダーアーマー[UAA]が通期の業績見通しが市場予想を下回ったことで1%以上下げています。農機のディア[DE]も通期の純利益の見通しを下方修正したことで4%を超える下落となりました。高級衣料品のカナダ・グース・ホールディングス[GOOS]は決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで15%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い4.37%となりました。ドル円は155円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が75日移動平均線(昨日時点で38,568円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)