【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 39,908.00 △349.89 (5/15)
NASDAQ: 16,742.39 △231.21 (5/15)
1.概況
米国市場は米消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想を下回ったことを受けて利下げ先送りへの警戒感が後退し続伸となり、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。56ドル高でスタートしたダウ平均は寄り付きを安値に一日を通して上げ幅を広げると結局349ドル高の39,908ドルと続伸となり、3月28日に付けた史上最高値(39,807ドル)を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も61ポイント高の5,803ポイントと続伸となり、こちらも3月28日に付けた史上最高値(5,254ポイント)を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も231ポイント高の16,742ポイントと3日続伸となり、前日に続いて史上最高値を更新しました。
2.経済指標等
4月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇となり市場予想を下回りました。食品とエネルギーを除くコア指数も前月比0.3%上昇となり市場予想を下回りました。また、5月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数もマイナス15.6と前月から低下し市場予想を下回りました。4月の米小売売上高も前月比横ばいとなり市場予想を下回っています。さらに5月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も45と前月から低下し市場予想を下回り、3月の米企業在庫も前月比0.1%減となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスを除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術が2%を超える上昇となったほか、不動産とヘルスケア、公益事業も1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース[CRM]が4%近く上げたほか、アムジェン[AMGN]とホーム・デポ[HD]、メルク[MRK]も2%以上上げました。一方でウォルト・ディズニー[DIS]が2%を超える下落となり、司法省が小型機「737MAX」の墜落事故を巡る和解に違反したとの見方を示したことでボーイング[BA]も2%余り下げています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体関連株が高く、半導体株ではアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とブロードコム[AVGO]が4%以上上げ、エヌビディア[NVDA]も3%を超える上昇となりました。クアルコム[QCOM]とウエスタン・デジタル[WDC]も3%近く上げ、マイクロン・テクノロジー[MU]とテキサス・インストゥルメンツ[TXN]も2%以上上げています。半導体製造装置株ではKLA[KLAC]が4%余り上昇し、ラム・リサーチ[LRCX]も4%近く上げています。アプライド・マテリアルズ[AMAT]も3%を超える上昇となりました。また、デル・テクノロジーズ[DELL]が目標株価の引き上げを受けて11%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は米消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想を下回ったことで0.10%低い4.34%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ154円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は取引開始前の8時50分に1-3月期の国内総生産(GDP)速報値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)