積立投資を実践しているセロンさん、ねこまにあさんに2025年の投資を振り返るとともに、2026年の投資計画や人生における投資の位置づけなどをうかがいました。

セロンさん:老後資金「夫婦で6,000万円」は折り返し地点、「投資方針書」をもとにブレない投資を継続

社会人1年目から、自身が設定した「投資方針書」に基づき、インデックス投信の積立を実践しているセロンさん。目標は「リタイア時に夫婦で6000万円」。「インデックス投資ナイト」などの個人投資家が集まるイベントの運営にも携わられています。
(30代後半・男性・会社員・投資歴15年・首都圏在住)

――2025年の投資の振り返りや印象的な出来事があればお聞かせください。

市場関係者による2025年始の株価予想では、日経平均の高値が4万7,000円以上と予想する方は1割程度でした。それが4月のトランプ米大統領による関税ショックで一時3万円近辺まで下落した後、年後半には5万2,000円を超える歴史的な上昇相場に。投資タイミングを事前に探ることは本当に困難だと改めて実感させられた1年でした。

私自身は年始に特定口座で保有している投資信託や一般NISAの非課税期間が終了した投資信託を売却し、同額分をNISAの成長投資枠で購入しましたが、あとは淡々と積立投資を継続しました。地道に投資を継続していた個人投資家にとって恩恵が大きい1年だったと思います。

――現在の金融資産について、資産ポートフォリオを教えてください。

投資を始めた2010年に「国内株式:海外株式:国内債券:海外債券」の比率を「35:35:15:15」とする基本ポートフォリオを決めました。2025年もその比率は変えていません。

【図表】資産ポートフォリオ
※1:外国債券は現時点では先進国債券
※2 :2022年は前回インタビュー時のポートフォリオ配分
出所:セロンさん作成

――NISAについてお聞きします。現状の活用法と、2026年の方針についてお聞かせください。

上述したように、2025年は旧NISA(一般NISA)の非課税期間が終了した投資信託を売却し、同額分をNISAの成長投資枠で購入しました。2026年も同様に実行する予定です。つみたて投資枠では毎月、国内・先進国・新興国の株式を投資対象とする投資信託と先進国債券を投資対象とする投資信託を計約7万円購入しています。

また、子どもの証券口座でも投資をしています。2023年まではジュニアNISAで投資していましたが、2024年以降は特定口座で投資を行っています。経済合理性で考えれば、親のNISA口座で投資したほうが良いことは分かっていますが、将来「自分のお金なのだよ」ということを意識して欲しいので、あえて子どもの証券口座で投資しています。

――2026年の投資方針と今後の投資目標、目標金額などについてお聞かせください。

基本的にNISAでの積立投資と確定拠出年金による投資を淡々と継続していく予定です。

目標額で言うと、老後資金のため「夫婦で6,000万円」という目標を立てています。すでに折り返し地点を超えていているので、順調に推移しているのではないでしょうか。ただし、最近のインフレで老後に必要な生活資金も変わってきていることから、そろそろ目標金額の見直しが必要かもしれません。

――ご自身にとっての投資の醍醐味や魅力についてはどのようにお考えでしょうか? 

私が取り組んでいるのはインデックスファンドでのコツコツ投資です。この投資自体は一度仕組みを整えてしまえばあまりやることが無い、退屈な投資とも言えます。ですが、そこが逆に魅力とも言えて、投資以外の仕事や家族、趣味などに打ち込める時間ができる投資方法でもあります。

私自身は、企業の損益計算書や賃借対照表を見るのはとても楽しいのですが、上昇する株式や投資信託を選ぶ目利きに優れているわけではありません。ですので、現状の投資方法がとてもマッチしています。

――投資を継続するにあたって、決めていることがあれば教えてください。

投資を始めるにあたって、投資の目的や目標、投資プランなどを「投資方針書」として書き出し、これまで「投資方針書」に沿って投資を続けてきました。これからも急落や暴落といった局面に出会うことは避けられないと思っていますが、そういった時は「投資方針書」に戻って、自分が何のために投資をしてきたのか、改めて思い出し、冷静になりたいと思います。

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大学卒業後、銀行員として働き始めて2年目に起きたリーマン・ショックでの経験から投資方針を見直し、インデックス投資を実践している、ねこまにあさん。投資歴20年。相場の変動に振り回されず、ストレスフリーに投資を続けている。
(30代後半・女性・会社員・家族とともに東北在住)

――2025年の投資を振り返って、感想をお聞かせください。

2025年は自分自身の仕事が忙しい時期が多く、投資に関しては考える時間や相場を確認する時間がほとんど取れませんでした。

そんな中で時折、手続きや確認などで証券口座にログインすると、インデックス投資中心のポートフォリオにしては予想以上に資産が増えており、思わず利益確定してしまいたい気分になりました。それでも「今、利益確定しても仕方ない」と考え、積立をしっかり続けられたことは良かったと思います。

2026年もこれまでと変わらず、インデックスファンドの積立を行う予定です。ファンドの変更なども考えていません。

――NISAについてお聞きします。現状の活用法と、2026年の方針についてお聞かせください。

現在の活用方法は、つみたて投資枠でのインデックス投資です。全世界型のファンド2種に2万円ずつ、合計4万円を積立投資しています。

2026年も基本的に現状維持ではありますが、成長投資枠での個別株も一部保有しようかと思っています。日本企業でいくつか応援したい企業があるので、今、検討しているところです。

――今後の投資目標、目標金額などはありますか?

目標額は定めていません。出来る範囲で積立を続け、引退するときに資産が増えてたらいいな、という気持ちです。仕事が好きなので、続けられる限り、仕事も続けていきたいなと考えています。

一方で、今しかできないことには時間とお金を使い、「今を楽しむ」生き方を心がけています。

――ご自身にとっての投資の醍醐味や魅力についてはどのようにお考えでしょうか?

投資は、それぞれのニーズや状況に応じて様々な戦略を取れるところが良いと思います。今の私のように、積立オンリーで全くの「ほったらかし投資」をすることも可能ですし、短期売買で利益を出したり、応援したい企業の個別株を長期保有することもできます。

興味関心や目的に合わせてアレンジできるので、どんな人にも何かしら投資の最適解がありそうなところが魅力だと思います。

――投資において、「これだけはやらない」と決めているルールがあればお聞かせください。

手元に現預金がしっかり残るようにしておくこと、上げ相場の時に安易に投資しないことです。

私の場合、相場が良い時は財布の紐が緩みがちというか、買えば上がる状態だと投資に対して気が大きくなりがちです。乗り遅れまいという気持ちが働いて、よく検討する前に「買っちゃえ」「買い足しちゃえ」という気分になってしまうことがあるので、上げ相場の時こそ気をつけています。

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