インデックス投信をメインに、ボーナス時にリバランス

――独自の「投資方針書」に基づき、22歳から投資をスタートされたセロンさん。65 歳で 6000 万円(夫婦合計)の資産形成に向けた、現在のポートフォリオと積立商品について教えてください。

 「国内株式:国外株式:国内債券:国外債券」の比率を「35:35:15:15」とするというのは、運用を始めた頃から変わっていません。リバランスは基本的にボーナスが入ったタイミング(年2回)や配分比率が上下5%以上になった際に行っています。

【配分比率(2022年12月時点)】
出所:セロンさん作成

個人型確定拠出年金(iDeCo)や「一般NISA」口座を活用した投資信託の積立を、資産形成の柱としています。投資信託は、新興国株式、TOPIX連動型、先進国株式、先進国債券の4本を軸に、コストをはじめ、長く付き合える商品か、信頼できる運用会社かという点も重視して選んでいます。資産残高の推移や指数との連動性、投資家とのコミュニケーションなども含めて判断しています。

アクティブ投信なども保有していますが、積立ではなくスポットで不定期に投資しています。こちらは投資理念に共感できるものや、情報収集のために投資しています。

その他、子どものためにジュニアNISA口座を開設し、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「ひふみプラス」などを運用しています。2024年から新NISAが始まると、ジュニアNISAは終了して2023年末で新規投資はできなくなりますが、非課税で保有できる18歳までは保有するつもりです。2024年以降の新規投資は子ども名義の特定口座で行おうと考えています。

――お子さまにはどのように「投資」について伝えていきたいですか。

まだ小さいので、金融経済教育を始めるのは先の話となりますが、たとえば子ども名義の投信を通じて、金融や経済について教えたいと考えています。「自分が投資したお金を企業が活用することで、みんなに役立つ新しい製品やサービスが生まれていること」「投資はよりよい社会にしていくための循環のひとつである」ということは、ぜひ伝えたいと思っています。


投資初心者に向けて積極的に情報発信

――イベント運営や個人投資家同士の交流活動などに積極的に関わっている理由を教えていただけますか。

投資に興味を持つ方が増えつつあり、世の中には投資に関する様々な情報があふれています。一方で、投資に初めて触れる方が、自分にとって有益な情報を見出すのはハードルが高い状況です。そこで、少しでも役立つ情報が提供できればと思い、「インデックス投資ナイト」や「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」などのイベント運営に携わっています。ただ、私にとっては投資に関連する時間というよりは、純然たる「趣味の時間」という位置づけです。

私は、イベントを通じて様々な投資家の方々と接する中で知識も増え、人生に対する考え方が変わりました。たとえば、投資を始めた当初、私が響いたのは、山崎元さんの「自分に投資するのが最大のリターン」という考え方。「人的資本」が注目される今となっては当たり前のことかもしれませんが、非常に心に残っています。

最初の仕組みさえ作れば、ほったらかし投資が可能

――これから投資を始めようと考えている20代、30代の方へのアドバイスをお願いします。

スポーツと同じように、投資も始めるときには基本動作やルールを知ることが必要ですが、その後は実践あるのみです。そして積立投資は“時間”が強力な武器になります。私自身も、社会人になった22歳のタイミングで投資を始めたことは非常に幸運だったと思います。

また、投資を始めて多くの仲間と出会うことができました。得られた知識や経験をもとに投資をテーマにした同人誌制作にもチャレンジするなど、世界が一気に広がったと実感しています。

私は普段、「投資方針書」に基づいたほったらかし投資を淡々と続けているだけなので、日々の生活のなかで投資自体のウェートはそれほど大きくありません。最初の仕組みだけしっかり作っておけば、投資やお金のことにあまり振り回されず、仕事や家族と過ごす時間、趣味を大事にすることができます。これがインデックス投資の良いところだと思います。

―――本日はどうもありがとうございました。


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※本インタビューは2023年2月17日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。