【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,459.65 △88.14 (7/14)
NASDAQ: 20,640.33 △54.80 (7/14)
1.概況
前日の米国市場では、主要3指数が揃って反発しました。トランプ大統領が8月1日からEUおよびメキシコに30%の関税を課すと発表し、高関税による消費の減速や物価上昇への懸念から、ダウ平均は25ドル安の44,346ドルと下落して取引を開始しました。米CPI(消費者物価指数)の発表を控えるなかでありながら次第に買いが優勢となり、最終的にダウ平均は88ドル高の44,459ドルで取引を終え、反発となりました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は54ポイント高の20,640ポイントで取引を終え、最高値を更新しました。
また、幅広い銘柄で構成されるS&P500株価指数も8ポイント高の6,268ポイントとなり、反発となりました。
2.経済指標等
この日は、主な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち7業種が上昇しました。コミュニケーション・サービス、金融、不動産、資本財・サービス、公益などが1%未満の上昇となりました。一方、エネルギーは1%以上の下落となったほか、素材、ヘルスケア、情報技術は小幅に下落しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中17銘柄が上昇しました。ボーイング[BA]は、インドで起きた航空事故に関する調査結果において、航空機の設計や製造が原因ではなかったと報告されたことが好感され、1%以上上昇しました。このほか、ウォルマート[WMT]、スリーエム[MMM]、ゴールドマン・サックス[GS]も1%以上の上昇となりました。
一方で、13銘柄が下落し、シェブロン[CVX]とプロクター・アンド・ギャンブル[PG]が2%以上下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ[TSLA]は、イーロン・マスクCEOが運営するxAIへの投資に前向きな姿勢を示したものの、投資についての判断は株主に委ねるとしたことで1.1%の上昇となりました。メタ・プラットフォームズ[META]は、AI向けの大規模データセンターの第1弾が2026年にも稼働する計画を発表し、これが好感され0.5%上昇しました。ソフトウェアメーカーのオートデスク[ADSK]は、競合であるピー・ティー・シー[PTC]への買収を断念したと報じられ、5.1%の上昇となりました。
5.為替・金利等
米長期金利は前週末比で0.02%上昇し、4.43%となりました。15日朝のドル円は、147円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
前日の米国市場は主要3指数が揃って反発しました。関税リスクが意識されつつも、一部には楽観的な見方もあり、小幅高での取引となりました。足元のドル円は円安方向で推移しており、この点は輸出関連銘柄にとって支援材料となると考えられます。
一方で、今晩発表される米CPI(消費者物価指数)を前に、後場にかけては様子見ムードが広がる可能性が高く、上値余地は限られる展開となるでしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
