【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,371.51  ▼279.13 (7/11)
NASDAQ: 20,585.53  ▼45.14 (7/11)

1.概況

米国市場は主要3指数ともに反落となりました。トランプ米大統領が、来月8月1日よりカナダに35%の関税を課すと発表し、貿易摩擦への警戒感が強まったことを受けて市場心理が悪化、幅広い銘柄に売りが出ました。また、高値圏にあったこともあり、主力株には利益確定の売りが出て、終始軟調な推移となりました。

ダウ平均は169ドル安の44,480ドルで寄り付き、下げ幅を拡大しての推移となりました。下値では押し目買いも入り、一進一退の展開となったものの、結局は279ドル安の44,371ドルでこの日の取引を終え、3日ぶりに反落となりました。

S&P500株価指数は20ポイント安の6,259ポイントで、3日ぶりに反落。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も45ポイント安の20,585ポイントで取引を終え、こちらは4日ぶりの反落となりました。

2.経済指標等

主な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500では、全11業種のうちエネルギーと一般消費財・サービスの2業種が、1%未満ながら上昇しました。一方で9業種が下落し、金融が1%の下落となったほか、そのほか8業種は1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中8銘柄が上昇しました。なかでも、アナリストが目標株価を引き上げたアマゾン・ドットコム[AMZN]やユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が1%以上の上昇となりました。一方、22銘柄が下落し、ナイキ[NKE]は2.5%超の下落、セールスフォース[CRM]とビザ[V]は2%超の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]がマスターカード[MA]やペイパル・ホールディングス[PYPL]など金融サービス企業に対して、顧客の銀行口座アクセスに手数料を課すと報じられたことで、マスターカードは2.4%安、ペイパルは5.7%安と売られました。ジーンズを主力とする衣料品メーカーのリーバイ・ストラウス[LEVI]は、通期の売上見通しを引き上げたことが好感され、11.2%高の大幅高となりました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日比0.06%高い4.41%となりました。14日朝のドル円は、147円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場は、主要指数が揃って下落となりました。また、週末にかけてEUおよびメキシコに対して30%の関税を課すと発表されたことから、本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。

さらに市場の関心は、明日15日に発表される米CPI(消費者物価指数)に向けられており、関税によるインフレ動向を見極めるまでは、様子見ムードが広がる可能性があるでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)