【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,386.84  △404.41 (6/26)
NASDAQ: 20,167.91  △194.36 (6/26)

1.概況

昨日の米国市場では、主要3指数が揃って1%近く上昇しました。イスラエルとイランの停戦が維持される中で中東情勢を巡る警戒感が後退し、主力株を中心に買いが入りました。また、トランプ米大統領が次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長を早期に指名するとの報道を受けて利下げ期待が高まり、長期金利の低下が相場を支援しました。さらに、FRBは25日、米銀行大手の自己資本規制の一部を緩和する案を公表しており、規制緩和に向けた動きが好感され、金融株を中心に買いが入ったほか、AI関連の強い需要が業績の追い風になるとの見方が続き、半導体株や関連のハイテク株も堅調に推移しました。

ダウ平均は101ドル高の43,084ドルで寄付くと、始値がこの日の安値となり、終日堅調な推移となりました。取引終盤には448ドル高の43,430ドルで高値を付けました。最終的に404ドル高の43,386ドルと高値圏で取引を終え、ダウ平均は反発となりました。

また、S&P500株価指数は48ポイント高の6,141ドルで取引を終え、こちらも反発となりました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は194ポイント高の20,167ポイントで取引を終え、4日続伸し年初来高値を更新しました。

2.経済指標等

第1四半期米GDP確報値は、年率換算で前期比0.5%減となりました。速報値と市場予想は0.2%減で、いずれも下振れての結果となりました。先週までの新規失業保険申請件数は前週から1万件減となる23万6000件と市場予想の24万4000件を下回って労働市場の改善を示しました。5月の耐久財受注(前月比)は16.4%増となり、市場予想(0.8%増)と前回結果(6.6%減)を上回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち9業種が上昇となりました。なかでも、コミュニケーション・サービスやエネルギー、一般消費財・サービス、資本財・サービス、素材が1%以上上昇しました。一方で、不動産と生活必需品の2業績が1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は、全30銘柄のうち21銘柄が上昇となりました。特に、ナイキ[NKE]やキャタピラー[CAT]、ゴールドマン・サックス[GS]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、スリーエム[MMM]は2%以上上昇しました。また、ボーイング[BA]やウォルト・ディズニー[DIS]、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、シスコシステムズ[CSCO]、セールスフォース[CRM]、マイクロソフト[MSFT]は1%以上上昇しています。一方で、9銘柄が下落となり、特にウォルマート[WMT]とメルク[MRK]は1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、太陽光発電のエンフェーズ・エナジー[ENPH]が12.8%上昇してS&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。米上院が住宅用ソーラーパネル設置に対する連邦税控除の削減を見送る可能性が報じられたことが好感されました。また、調味料のマコーミック[MKC]は第2四半期決算で市場予想を上回るEPS(1株当たり純利益)を達成したほか、通期のガイダンスでEPSの見通しを維持して市場予想を上回り、株価は5.3%上昇しました。一方で、半導体のマイクロン・テクノロジー[MU]は、前日引け後に第3四半期決算を発表し、売上高、EPSが市場予想を上回る好決算を発表して時間外取引では上昇したものの、通常取引では利益確定売りなどに押され、結局1.0%安となりました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前日から0.05%低い4.24%で取引を終えました。ドル円は、144円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場では、主要3指数は揃って1%近く上昇となりました。特に、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、およそ4ヶ月ぶりに2万ポイント台を回復し年初来高値を更新しました。この流れを受け、本日の日本市場も上昇してのスタートが予想され、日経平均は大台の4万円回復に向けて上げ幅を広げられるかが注目されます。

本日は国内では、寄付き前に6月の東京都区部CPI(消費者物価指数)や5月の失業率、有効求人倍率、小売業販売額の発表が控えており、これらの指標の結果が相場の材料となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)