【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 42,299.70 ▼155.09 (3/27)
NASDAQ: 17,804.03 ▼94.98 (3/27)
1.概況
昨日の米国市場では、主要3指数がそろって小幅に続落しました。トランプ大統領は26日、輸入自動車に対して25%の追加関税を課す方針を公表し、これは期限を設けない恒久的な措置として、4月2日に発効する予定とされています。こうした関税政策への警戒感が相場の重荷となり、指数を押し下げました。一方で、国内総生産(GDP)や雇用関連などの経済指標が米経済の堅調さを示したことで一時上昇に転じる場面も見られました。
ダウ平均は21ドル安で寄付くと終日一進一退の展開となりました。高値は69ドル高、安値は312ドル安となった末、最終的には155ドル安の42,299ドルで取引を終え、小幅に続落となりました。
また、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は94ポイント安の17,804ポイント、S&P500株価指数は18ポイント安の5,693ポイントとなり、いずれも小幅に続落となりました。
2.経済指標等
2024年第4四半期の実質GDPの確報値は年率換算で前期比2.4%増となり、速報値の2.3%増から上方修正されました。一方で、個人消費(前期比年率)の確報値は4.0%増となり、速報値の4.2%増から下方修正されています。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の22万4000件となり、増加を見込んだ市場予想に反して改善を示しました。中古車住宅販売成約指数は前月比2.0%増となり、市場予想を上回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数は、全11業種のうち生活必需品やヘルスケア、一般消費財・サービスの3業種が上昇となり、特に生活必需品は1%以上上昇しました。一方で、エネルギーやコミュニケーション・サービス、情報技術などの8業種が1%未満の下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中16銘柄が上昇となりました。特に、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]やビザ[V]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]、アップル[AAPL]、コカコーラ[KO]が1%以上上昇しました。一方で、14銘柄が下落となり、特にスリーエム[MMM]やゴールドマン・サックス[GS]、エヌビディア[NVDA]が2%以上下落しました。また、アメリカン・エキスプレス[AXP]やジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、セールスフォース[CRM]が1%以上下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、ディスカウントストアのダラー・ツリー[DLTR]が11.2%上昇してS&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。同社は取引開始前に発表した第2四半期決算で増収、営業利益は黒字転換となったほか、ファミリー・ダラー事業を投資会社に10億ドルで売却することで合意に達したと伝わったことが材料視されています。また、レンタカー会社のエイビス・バジェット・グループ[CAR]は、関税による自動車価格の上昇によりレンタル需要が高まるとの思惑買いが入り、20.5%上昇しました。一方で、自動車株は売られ、ゼネラルモーターズ[GM]は7.4%安、フォード・モーター[F]は3.9%安、ステランティス[STLA]は1.3%安となりました。
5.為替・金利等
米長期金利は前日から0.01%高い4.36%となりました。ドル円は、151円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場で主要3指数がそろって小幅に続落となったことを受けて、本日の日本市場は軟調な出だしが予想されます。なお、本日は3月期末配当の権利落ち日で、日経平均には300円程度の下押し影響が出るとみられています。
米国の自動車関税の影響が引き続き懸念される一方、外国為替市場での円安方向への進展が支えとなるか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)