台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)[TSM]決算:純利益は3252億台湾ドルで市場予想を上回る

台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)は、ほぼ60%の市場シェアを有する世界最大級の半導体ファウンドリである。1987年にフィリップス、台湾政府、プライベート市場の投資家により合弁会社として設立された。1997年に米国市場にADRを上場し、公開企業となった。競争の激しいファウンドリ事業においても、スケーラブルで高度なテクノロジーを有することで高い営業利益率を維持している。また、業界全体がファブレス・ビジネスモデルへ移行していることも追い風となっている。ファウンドリのリーダー的企業であり、半導体の設計に最先端のプロセス技術を求めるアップル[AAPL]、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)[AMD]、エヌビディア[NVDA]など、強固な顧客基盤を有する。7万3千人の従業員を擁する。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

主要項目、第3四半期(7-9月期)実績

★売上高・・・前年同月比39%増の7596.9億台湾ドル(市場予想は7510.6億台湾ドル)

★営業利益率・・・47.5%(市場予想は44.6%)

決算総括

売上高が前年同期比39.0%増の7596億台湾ドル(約3兆5000億円)、純利益は54.2%増の3252億台湾ドルだった。生成AI(人工知能)や最新スマートフォン向けに先端半導体の販売が好調だった。売上高、純利益とも四半期ベースで過去最高となった。増収増益は3四半期連続。競合の韓国サムスン電子や米インテル[INTC]が先端品の量産や受注獲得に苦しむなか、旺盛なAI向け需要をつかみ半導体生産で「独り勝ち」の構図が鮮明だ。

トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]決算:1株利益は5.24ドルで市場予想を上回る

トラベラーズ・カンパニーズは、商業保険と個人保険の両分野で幅広い保険商品を提供している。商業保険事業は、企業の規模を問わずさまざまな種類のリスクをカバーする商品を手掛けるが、中規模事業者向けへの集中度が高い。個人保険事業の保険料収入は、自動車保険と住宅保険でほぼ二分されている。保険料収入の6%を海外市場が占めている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

主要項目、第3四半期(7-9月期)実績

★収入・・・前年同月比12%増の119.04億ドル(市場予想は117.08億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・5.24ドル(市場予想は3.56ドル)

決算総括

7-9月期(第3四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。収入は、前年同月比12%増、純利益は前年同月比168%増となった。

アルコア[AA]決算:1株利益は0.57ドルで市場予想を上回る

アルコアは、ボーキサイト採掘、アルミナ精錬、一次アルミニウムの製造などを手掛ける、アルミニウムの垂直統合企業である。ボーキサイト採掘およびアルミナ精製の生産量で世界最大規模を誇る。利益はアルミニウムのサプライチェーンに沿った一般的な商品価格による影響を受ける。ボーキサイト、アルミナ、アルミニウムの各部門からなり、アルミニウム部門から最大の収益を生み出す。地理的には、米国から収益の大半を得ている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

主要項目、第3四半期(7-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比12%増の29億ドル (市場予想29.8億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.57ドル(市場予想は 0.25ドル)

決算総括

7-9月期(第3四半期)売上高は予想を下回り、調整済みEPSは予想を上回った。

ゼネラルモーターズ[GM]決算:1株利益は2.96ドルで市場予想を上回る

ゼネラルモーターズは、旧GMの経営破綻後、2009年7月に新生GMとして再建された。GM北米(GMNA)、GMインターナショナル・オペレーションズ(GMIO)、クルーズ、GMファイナンシャルの4部門からなり、8ブランドを展開する。半導体不足により2021年にトヨタに奪われた米国市場シェア首位の座を2022年に奪還した。2023年の市場シェア16.5%であった。以前、クルーズ自動運転車部門は、サンフランシスコやその他の都市で無人ジオフェンス機能を利用したAVロボタクシーサービスを提供していたが、事故の発生を受けて2023年後半に停止した。2024年に再開したが、カリフォルニアでは再開されなかった。GMはクルーズ株の80%以上を保有している。アメリクレジットを買収して2010年10月にGMファイナンシャルが設立され、自動車ローンを手掛ける金融子会社となった。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

主要項目、第3四半期(7-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比10%増の487.57億ドル(市場予想は446.94億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.96ドル(市場予想は2.45ドル)

決算総括

7-9月期(第3四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。自動車部門の販売が好調だった。ガイダンスも公表し、通期の1株利益、EBITの見通しを上方修正した。自動車フリーキャッシュフロー(FCF)も上方修正している。市場全体が低迷する中でも、利益率の高い製品に対する米国での堅調な需要を反映した。北米で大型車がけん引し、電気自動車(EV)販売も伸びたが、中国事業は持ち分法損益の赤字が続いた。

GEエアロスペース[GE]決算:1株利益は1.15ドルで市場予想を上回る

GEエアロスペースは、CFM合弁事業のパートナーであるSafranとともに、大型航空機エンジンの設計、製造、サービスを手掛ける世界的リーダーである。約70,000基の商用および軍用エンジンという大規模な世界設置ベースを擁し、利益のほとんどを数十年にわたって稼働する機器の定期的なサービス収入から得ている。米国の発明家トーマス・エジソンが設立した会社ともう一社が1892年に合併して誕生したゼネラル・エレクトリック・カンパニーは、2000年のピーク収益が1,300億に達する名高い複合企業となったが、2016年から2024年にかけての家電、金融、ヘルスケア、風力発電事業の分社後、中核の航空事業が残った。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

主要項目、第3四半期(7-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比46%減の89.43億ドル (市場予想は90.03億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.15ドル(市場予想は1.13ドル)

決算総括

7-9月期(第3四半期)売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSは予想を上回った。ガイダンスも公表し、通期の1株利益の見通しは上方修正し、予想を上回った。売上高は1桁台後半の見通しを維持している。ボーイングのストライキが影響した。

今後の株価見通し

当面底値模索の動きが予想される。