【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 39,056.39  △172.13 (5/8)
NASDAQ: 16,302.76  ▼29.80 (5/8)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました、ダウ平均は景気敏感株やディフェンシブ株の一角が買われ上昇となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が売られたことで下落となりました。65ドル安でスタートしたダウ平均は寄り付きをほぼ安値に下げ渋るとまもなくしてプラスに転じ昼前に98ドル高まで上昇しました。その後は一旦伸び悩みましたが、取引終盤に再び上げ幅を広げると結局172ドル高の39,056ドルで取引を終え6日続伸となりました。一方でS&P500株価指数が0.03ポイント安の5,187ポイントとほぼ横ばいとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も29ポイント安の16,302ポイントと続落となっています。

2.経済指標等

3月の米卸売在庫は前月比0.4%減となり市場予想と一致しました。また、卸売売上高は前月比1.3%減となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や素材、一般消費財・サービスなどの7業種が下げました。一方で公益事業や金融などの4業種が上げ、公益事業は1%高となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は21銘柄が上げ、アムジェン[AMGN]とボーイング[BA]、JPモルガン・チェース[JPM]が2%以上上昇したほか、シスコシステムズ[CSCO]も1%以上上げています。一方で9銘柄が下げ、4-6月期の売上高が予想の中央値以下になるとの見通しを公表したことでインテル[INTC]が2%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外ではテスラ[TSLA]が2%近く下げました。テスラの運転支援機能について米当局が調査を始めると伝わったことが嫌気されました。配車サービスのウーバーテクノロジー[UBER]も決算で1株損益が市場予想に反して赤字となったことなどから5%を超える下落となっています。さらに決算を発表した英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]は2025年3月期通期の売上高見通しの中央値が市場予想を下回ったことから時間外取引で大幅安となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い4.49%となりました。ドル円は155円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続伸となったことや、昨日に大きく下げた反動で堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)