中央銀行ウィークを乗り切り日米株価は史上最高値更新
日米株価が史上最高値を更新している。今週の中央銀行ウィークを無難に乗り切ったのだから、至極当然の結果だ。
NYダウ平均は4日続伸し、前日比269ドル高の3万9781ドルと連日で過去最高値を更新した。S&P500、ナスダック総合株価指数も続伸。主要3指標がそろって最高値を更新した。
これを受けて日経平均も4日続伸で始まった。取引開始早々に節目の4万1000円を上回った。
冒頭、「中央銀行ウィークを無難に乗り切った」と述べたが、無難どころではない。日銀の金融政策決定会合もFOMC(米連邦公開市場委員会)も市場の期待に応えたという意味では、「満額回答」だったと言えるだろう。日銀会合の結果は、ほぼ事前の報道通りだった。それだけなら、18日月曜日の日経平均1,000円高で反応済みとなるはずだった。市場が気にしたのは、マイナス金利解除の「その次」だ。日銀は従来からマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持すると表明してきた。今回の会合後に開かれた記者会見でも植田和男総裁は追加利上げを示唆せず、海外との金利差が開いた状況が続くとの見方が広がった。外国為替市場では円は一時1ドル151円台後半と2023年11月以来の円安・ドル高水準を付けた。
これを受けて春分の日の祝日が明けた21日には日経平均は再び大幅高となった。折しもFOMCで今年3回の利下げ見通しが維持され、米国株が大幅高になったことも重なった。事前には強過ぎる米景気が利下げを阻む懸念もあったが、パウエル議長はそんな市場の懸念を一掃した。
さすがに一服、そろそろ戦略変更の時期
日銀・FOMCとも市場にとってパーフェクトな結果となった。だからこそ、当面は材料出尽くしとなるだろう。日経平均は4万1000円台をつけ再び目標達成感が出る。予想PER(株価収益率)も17倍台に達した。さすがに一服となるだろう。
来週は年度内最終週となる。需給面では期末の配当権利取りや機関投資家による配当再投資などの買い要因もあるが、年金のリバランス売り要因も残されており売り買い交錯となるだろう。4月になれば外国人買いや新年度の日本株アロケーション増加に伴うニュー・マネーの流入期待で一段と堅調になるだろう。4月下旬から始まる3月企業の決算発表で新年度の業績を織り込めば、日経平均は再び高値をつけにいく可能性が大きい。
まだ上値があるが、そろそろ戦略を変更する時機だと思う。
ポイントはレバレッジを落とすタイミング
投資戦略のポイントは、いつレバレッジを落とすかだ。これまでの一本調子の上昇局面ではNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)(以下、日経レバレッジ上場投信)などのレバレッジETFを買い持ちしてきた人が多いだろう。僕もそうである。3月8日付のレポート『目先ピーク 日柄調整へ』で示した通り、いったん高値では売ったが急落局面では買い戻してきた。3月7日の大引け間際で日経レバレッジ上場投信を29,440円で買い、今日の寄り付き31,470円で売ったので2,000円の値幅は抜けている。しかし、3月7日の大引けから今日の寄り付きまでの日経平均は1,300円上昇した。2倍きっちりは獲れていない。もちろん、レバレッジETFは約定からその翌日までの2日間の値動きが2倍になるように設計されているのであり、それ以上の間隔が空き、かつ、その間に上下動があれば連動率が下がる。端的に言って、もみ合いになれば効率(パフォーマンス)が悪化する。
売ったといっても保有する一部を売ったに過ぎず、まだレバレッジETFのポジションを残しているが、ここからは売り上がる方針だ。もちろん日本株の先高を見ているので単純に売ってしまうつもりはない。レバレッジETFを売ったら、レバレッジのかかっていない、シンプルなインデックスに乗り換えるつもりである。エクスポージャーを落とすということだ。一本調子の上昇はそろそろ終わり、もみ合い局面が多くなると見ているからである。