日経平均史上最高値を更新、日本経済と資本市場は新しいステージへ

先週木曜日、日経平均は史上最高値を更新し、その日の終値は3万9000円台に乗せた。その後の米国株式市場でNYダウも3万9000ドル台に達し、日経平均とほぼ同じ値に並んだ。日米の代表的株価指数が同水準に並んでともに史上最高値を更新するのは、偶々とは言え、感慨深い。

日経平均の史上最高値更新はメディアでも大々的に報じられ、長年にわたる停滞を打破し、新しいステージに踏み出した日本経済と資本市場の変化を前向きに捉える論調が多く見られている。今週の東京株式市場の焦点は、この高揚感とポジティブな市場センチメントを保ったまま、堅調な相場が続くかという点であろう。

売り一巡後は一段高、日経平均4万円台の可能性も

日本は天皇誕生日の祝日で金曜日が休場だったが、その日の米国株式市場ではダウ平均は小幅に続伸し連日で最高値を更新した一方、ナスダックは反落となった。日経平均への影響度が大きいハイテク株や半導体関連株が米国市場で利益確定売りに押されたことはマイナス材料だが、シカゴの日経平均先物は3万9000円台半ばで終えた。

週明けの東京市場も史上最高値を更新した余韻が残っていることもあり続伸で始まるだろう。そのあとは売り買い交錯する展開になると思われるが、売り物はそう多くないはずだ。上昇ピッチが速すぎるため、投資家は下値でじゅうぶんに買う余裕を与えられていないからである。従って、大きく崩れることなく、売り一巡後は一段高となって、状況次第では4万円の大台を試す場面もあり得るだろう。

今週備えるべきは機関投資家の持ち高整理の動きによる波乱の展開

今週の経済指標は国内では、2月27日に1月の消費者物価指数、29日に1月鉱工業生産などが発表される。米国では、28日にコンファレンスボード消費者信頼感指数、10-12月GDP改定値、29日にPCEデフレータ、3月2日にISM製造業景気指数などの発表がある。

今週は月末月初週である。需給面では日米の株価が大きく上昇しているため、機関投資家の持ち高整理の動きで波乱の展開にも備えたい。一方、名実ともに3月相場入りとなるため3月期決算企業の権利配当取りの動きが強まるだろう。新NISAでもJTなど高配当株が買われていることがデータから明らかになっており、追随買いの動きも出るだろう。この機関投資家のリバランスvs. 個人の高配当株買いの構図は期末まで需給面の大きな要因となる。

予想レンジは3万8000円~4万100円とする。