今週は関税問題でボラタイルな展開ながら下値は堅い

今週の日本株相場は強弱材料が複雑に交錯し、ボラタイルな展開となるだろう。

3連休明けの東京市場は、トランプ米大統領が通商法122条に基づき全世界への一律関税を15%に引き上げると表明したニュースを嫌気する形で、輸出関連株を中心に売りが先行する可能性が高い。米国最高裁が相互関税策を無効と判断したことで一旦はコスト上昇圧力の低下が期待されたものの、トランプ氏は即座に代替的な法的枠組みを発動しており、こうした予測不能な政策変更が市場の不透明感を増大させている。特に今回の122条による関税は、150日という適用期限はあるものの、これまで発動された例がない異例の措置であり、中間選挙を控えた連邦議会が延長を承認するかどうかも含め、今後の大きなリスク要因として意識される。

一方で、相場の下値は堅いだろう。2月第2週の投資主体別売買動向では、海外投資家が2014年11月以来の規模となる1.6兆円超の買い越しを見せており、主要国の中で際立つ日本の政権基盤の安定が、海外資金の継続的な日本株シフトを促していると思われる。

また、米国のベセント財務長官が、ドルの信認維持やAIインフラへの投資加速などの建設的な長期ビジョンを示したことは、米国経済の底力と資本市場の拡大を再確認させる材料となる。

今週最大イベントは米エヌビディア決算

今週の最大の焦点は米エヌビディアの決算発表である。米国では夕刻、日本時間で26日早朝の発表となり、東京市場が真っ先に織り込む。エヌビディア[NVDA]決算はポジティブサプライズとなる観測も一部にあるが、日経平均への影響力が大きい半導体関連株はまだそれをじゅうぶん織り込んでいるとは思えず、決算を受けた株価の反応が注目される。また、好決算を機に「NVIDIA GTC AIカンファレンス」に向けた期待感が再点火する余地は大きいだろう。

ただし、同日に発表されるセールスフォース[CRM]の決算で、「SaaSの死」に対する懸念が再び意識され相場の重石となるリスクには警戒が必要だ。

テクニカル面でも強気ながらイラン情勢には警戒

ほかの材料では対米投融資の第2弾として次世代原発建設が有力候補に浮上しており、三菱重工業(7011)や日立製作所(6501)といった関連銘柄への物色も期待される。

テクニカル面では、日経平均は一目均衡表の三役好転で強気形状を維持しており、短期的な調整を挟みつつも、下値を切り上げるトレンドが継続する公算が大きい。

イラン情勢が緊迫している。仮に米軍による武力行使となった場合、マーケットには衝撃が走り、それなりの下落を見せるだろう。無論、大きなリスク要因で警戒を怠るべきではないが、「銃声が鳴ったら買い」という相場格言も忘れないようにしたい。

予想レンジは5万6000円-5万7500円とする。