第4四半期はAI株の強さで幕開け、ナスダック100は0.65%上昇して最高値更新

米国株は、金利上昇と中東情勢への懸念を抱えながらも、AI関連株の強さに支えられて第4四半期に入りました。

先週(9月28日週)のS&P500は-0.27%下落し、7,722.72で終了した一方、ナスダック100は+0.65%上昇して史上最高値を更新しました。企業の成長を評価する買いは続いています。

9月を振り返ると、その特徴はさらに明確になります。S&P500は月間で-0.45%下落しました。例年、米国株が弱くなりやすい9月らしい結果ですが、ナスダック100は+3.2%、フィラデルフィア半導体株指数は+9.48%上昇しています。

第3四半期のS&P500も+2.0%上昇しました。景気や金利への不安が続く中でも、AI関連企業の業績成長に期待が集まっている表れかと思います。

雇用統計で利上げ懸念が後退も、長期金利の動向には要注意

先週(9月28日週)前半は、中東情勢や追加利上げへの警戒から売りが優勢でした。しかし、週後半には金融政策を巡る見方が変わり始めました。

8月のPCE(個人消費支出物価指数)では、食品とエネルギーを除くコア指数の前月比上昇率が0.2%にとどまり、予想より落ち着いた内容となりました。さらに、10月2日(金)発表の9月雇用統計では、非農業部門の雇用増加が2万9000人、失業率は4.2%となりました。雇用の減速が追加利上げの必要性を弱めるとの見方から、10月2日(金)のS&P500は+0.73%上昇し、週間の下げ幅を縮めました。

長期金利の動向には注意が必要です。米10年債利回りは週中に5.3%近辺で推移し、株式のバリュエーションを圧迫しています。企業が増益を達成しても、金利の高止まりによってPER(株価収益率)が低下すれば、増益による株価の押し上げ効果が相殺される可能性があります。このため、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利だけでなく、長期金利が落ち着くかどうかも見極める必要があります。

相場を支えるエヌビディア、マイクロン・テクノロジー、アクセンチュア AI投資の評価は活用段階へ

セクターを見ると、先週(9月28日週)はS&P500の11セクター中8セクターが下落しました。

9月は各銘柄を均等に扱うS&P500等ウェイト指数で見た場合、上昇したのは情報技術セクターだけでした。また、幅広い銘柄を含むラッセル3000では、50日移動平均線を上回る銘柄が約20%にとどまっています。指数の底堅さと、多くの銘柄の弱さが同時に存在する相場です。少なくとも、ITセクター内での買いの広がりが実現すれば、相場の支えは増すと考えています。

そのITセクターの中心は、やはりエヌビディア[NVDA]です。同社株は先週(9月28日週)1週間で+4%上昇し、史上最高値を更新しました。AIの活用が広がるほど計算能力への需要が増えるという成長シナリオが、金利上昇の中でも買いを引き付けています。一方、指数に対する影響が大きいため、同社への期待が変われば市場全体も揺れやすくなります。

マイクロン・テクノロジー[MU]の好決算も、週後半のAI関連株を支えました。AI向け投資の恩恵が、計算を担う半導体からメモリーにも及んでいることを示す材料です。さらに、アクセンチュア[ACN]は10月1日(木)には1日で+15.8%上昇しました。

これまでAIによってコンサルティングの仕事が減るという懸念がある一方、企業がAIを実際の業務に組み込む過程では、導入支援への需要も生まれます。市場のこの反応は、AI投資の評価対象がインフラから企業の活用段階へ広がる可能性を示すものだと見ています。

テスラは株価が4.7%上昇、強みはソフトウェア事業が牽引する成長の好循環

テスラ[TSLA]も、AIの恩恵を考えるうえで注目したい銘柄です。

10月2日(金)に発表されたテスラの7~9月期の世界納車台数は、48万6532台で前年同期比約2%減でしたが、市場予想(約7%減)を上回ったため、株価は4.7%上昇しました。一方、米国ではフォード・モーター[F]やゼネラルモーターズ[GM]のEV販売が大きく減少しています。

ガソリン価格の上昇に加え、テスラ車のコストパフォーマンスや、FSD(テスラの高度運転支援システム)の魅力が、購入判断を後押しし始めていると考えています。こうした要因を踏まえると、2027年の納車増加率は、市場予想の約9%を上回る可能性があるでしょう。

納車台数の増加はFSDの販売機会を広げ、ソフトウェア収入の拡大を通じて利益率の拡大につながる可能性があります。また、FSDの利用が広がれば、学習に活用できる走行データの蓄積が進み、機能の改善が商品価値をさらに高めることも期待できます。

テスラの強みは、車両販売とソフトウェア事業が互いの成長を支える好循環を生み出し得る点にあります。既存の自動車メーカーは、EVの採算確保と運転支援技術の競争力強化の両面で、厳しい競争に直面するでしょう。今後の焦点は、FSDの利用拡大が、実際の利益率改善と持続的な利益成長に結びつくかどうかです。

ブロードコム主導で600億ドル支援か?沸騰するAI投資の課題

AI投資では、ブロードコム[AVGO]と金融機関が、アンソロピック向けに600億ドル規模の資金調達支援を計画していると報じられています。

半導体の供給側が購入側の資金調達にも関与することを、僕は現時点で問題視していません。ただ、資金供給が縮小した場合に投資計画の継続が難しくなる可能性は、潜在的なリスクとして意識しておきたいところです。発表された投資額の大きさに加え、AIサービスが実際に収益を生み、その収益で次の投資を支えられるかも、確認していきたいポイントです。

10月相場は「Stay Invested」、上昇アノマリーと24%増益予想の決算が下支えに

10月入りで、季節性は支援材料になります。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによる1950年以降の統計では、中間選挙年の10月のS&P500は平均3.0%上昇、第4四半期は平均6.6%上昇しています。

今週10月5日~9日の注目点は、5日(月)のISMサービス業景況指数と7日(水)の9月FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨です。サービス業の新規受注、雇用、価格の動きから、景気が減速する中でもインフレ圧力が弱まっているかを確認したいと思います。議事要旨では、9月の利上げ判断と、その後の追加利上げに必要と考えられていた条件を見極めます。ただし、議事要旨は9月の会合時点の議論です。直近の雇用統計を踏まえたFRB高官の発言も合わせて判断する必要があります。

その先には、第3四半期決算が控えています。現時点の第3四半期のコンセンサス企業業績の伸びは24.51%です。これは現在の高金利下でも株価を支える材料となるでしょう。米国株への投資を続ける「Stay Invested」の姿勢を維持したいと考えています。