モトリーフール米国本社 – 2026年10月4日 投稿記事より

大型契約を相次いで獲得

12年ほど前までは、航空・防衛大手ボーイング[BA]株の先行きは、明るいものではありませんでした。同社の防衛部門がブラジルや韓国、米国に至るまで、戦闘機調達競争で相次いで契約を逃していたためです。しかし、2026年、ボーイングの防衛・宇宙・安全保障(BDS)部門は、相次いで大型案件を獲得しています。

2025年3月、米空軍は最新ステルス戦闘機となる「次世代航空優勢(NGAD)」戦闘機の独占開発・製造契約をボーイングと結びました。現在、F-47と呼ばれるこの第6世代戦闘機の開発だけで、ボーイングには200億~500億ドルの売上がもたらされる見込みです。さらに実際の製造段階に入れば、数百億ドル規模の追加売上が予想されています。

快挙:米海軍の第6世代戦闘機「F/A-XX」も受注

F-47の契約獲得から間もない2025年7月、国防総省が進めるもう1つの第6世代戦闘機の大型契約(今度は海軍向け)について、ボーイングが受注の有力候補になっているとの観測が広まり始めました。
「F/A-XX」と呼ばれるこのプロジェクトでは、受注企業が米海軍のF/A-18スーパーホーネットの後継となる攻撃戦闘機を開発・製造するものです。そして2026年9月29日、この契約をボーイングが獲得したことが明らかになりました。

今回、「開発段階」の契約額は200億ドルと評価されています。その中には「地上試験、飛行適性試験、システム試験、兵器統合試験」を目的とする複数の試験機の製造・調達費用が含まれています。最終目標は、F/A-18よりもレーダーに捕捉されにくく、航続距離がより長く、さらに防衛テクノロジー企業のアンドゥリル・インダストリーズおよびゼネラル・アトミクスが開発中の攻撃用無人機(ドローン)である「協調戦闘機(CCA)」との連携・統制が可能なステルス戦闘機を開発することにあります。

またF/A-XXには電子戦(EW)システムも標準搭載される可能性が高いでしょう。国防総省は、機体の配備によって、米海軍のF/A-18だけでなく、ボーイングと防衛大手ノースロップ・グラマン[NOC]が共同開発した派生型電子戦システムEA-18Gグラウラーの後継機として代替すると言及しているからです。

これらの契約獲得がボーイングと競合各社に何を意味するのか?

F/A-XXとF-47の両方の契約をボーイングが獲得したことには、防衛セクターへの投資家にとって幾つかの重要な意味があります。まず、何より、第5世代戦闘機ではF-22とF-35という2つのステルス戦闘機の契約を獲得したロッキード・マーチン[LMT]が圧倒的な存在感を示したのと同様に、第6世代戦闘機市場ではボーイングが圧倒的なポジションを確保するだろうということです。

ただし、ボーイングが第6世代市場を独占するわけではありません。ノースロップ・グラマンは第6世代のB-21ステルス爆撃機の製造契約を獲得しています。とはいえ、戦闘機分野に限れば、今やボーイングが突出しているのです。

ボーイングは、空軍と海軍の両方に第6世代戦闘機を供給する唯一の企業となったため、今後、他社と価格競争する必要がありません。そして、将来的には空軍と海軍を合わせて370機を超える第6世代戦闘機の調達が見込まれる中、巨額の調達費用を考え合わせると、国防総省がボーイングと価格面で競合するような別の第6世代戦闘機を追加で調達する余裕はないと考えられます。

これは、ロッキード・マーチンにとって悪い知らせです。同社は戦闘機業界においてトップの座を失ったことになります。少なくとも第6世代はそうであり、場合によっては今後も取り戻せない可能性もあります。また、ノースロップ・グラマンにとっても良くない知らせです。同社は第6世代ステルス爆撃機B-21の契約獲得後、F/A-XX、さらにはF-47についても最有力候補は自社だと踏んでいた可能性が高いと思われるからです。

防衛・宇宙・セキュリティ部門は4年連続の赤字を経て黒字に転じる

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのデータによれば、同社のBDS(防衛・宇宙・セキュリティ)部門は4年連続の赤字を経て最近、ようやく黒字に転じたことは、ボーイングの投資家にとって、よいニュースです。。ウォール街のアナリストは以前から、2027年がボーイング全社で長期にわたる利益成長を再開する最初の年になると予想していました。

今回、F-47とF/A-XXの契約を確保したことで、少なくともボーイングの防衛事業は今後何十年にもわたって利益を生み出す可能性があります。

免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Rich Smithは記載されたどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社は、ボーイングとロッキード・マーチンの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、ノースロップ・グラマンを推奨しています。モトリーフール米国本社は、情報開示ポリシーを定めています。