ユーロ高・円安は187円で終わったのか
ユーロ/円は、10月2日時点で182.8円だった52週MA(移動平均線)を、週末終値ベースで見ると、5週連続で、最大3%近く下回った(図表1参照)。経験的には、52週MAを1ヶ月以上と「長く」、かつ5%以上と「大きく」下回る動きは一時的ではなく、上昇から下落へ「トレンド」が転換した可能性が高い。
これを参考にすると、ユーロ高・円安はすでに187円で終わり、ユーロ安・円高トレンドへ転換した可能性が次第に高まっている。このように、52週MAなどとの関係に着目したテクニカルな観点から円安トレンドが終了し、円高トレンドへ転換の可能性が高まっているのは、ユーロ/円以外のクロス円にもみられる現象だ。
2024年以来のメキシコペソ/円、52週MA割れの意味
代表的な高金利通貨として日本の個人投資家の間でも人気の高いメキシコペソ(Mペソ)/円の52週MAは10月2日時点で8.93円だったが、この日の終値はそれを3%近く、比較的大きく下回った(図表2参照)。
Mペソ/円は、2024年7月に米ドル/円の急落に連れる形で急落、52週MAを大きく割り込んだ。結果的にこれは、2024年5月の9.4円から2025年4月の6.8円まで、1年近く続いた下落トレンドへの転換したことを示すものだった。
ここに来て、Mペソ/円が52週MAを大きく下回り始めたことで、2025年4月から続いてきたMペソ/円の上昇トレンドがすでに終わり、下落トレンドへ転換した可能性を試す局面に移行しているといえそうだ。
未確認の状況が続く米ドル高・円安の終了
では米ドル/円はどうか。米ドル/円は、週末終値ベースを参考にすると、9月に入り3週連続で52週MAを下回る局面があった。一時152円まで米ドル安・円高となった局面のことだ。
ただその後は、10月2日時点で157.2円の52週MAを、米ドル/円は2週連続で上回ったものの、これまでのところ52週MAを「長く」、「大きく」下回るまでには至っていない(図表3参照)。その意味では、あくまで52週MAとの関係といったテクニカルな観点からは、152円までの円高の動きも一時的なものに過ぎず、円安トレンドがあの163円で終わったかどうか未確認の状況が続いている。
根強い円安傾向に対して、ベッセント米財務長官をはじめ、日米の通貨当局もその流れを変えるべく粘り強い対応を続けている。そうした攻防を経て、ついに当局が勝利し、円高へ反転することになるか、それとも当局が敗北し、いよいよ1ドルが170円に向かうことになるか、主観を排して現在進行形で判断するのは至難の業ではないか。そうした意味では、52週MAとの関係などテクニカルな客観的な判断は、一つの目安になるだろう。
