日経平均株価は5万円の水準を意識した展開が続いています。その腰の強さには率直に驚きを隠せません。日中関係が一時的に冷え込むなどの悪材料はありますが、日本全体で見ればその影響を吸収できるくらいリスクマネジメントが徹底されており、成長期待が大きいということなのでしょう。歴史的に、日米が蜜月関係にあるときは株価も強い印象があります。古くは中曽根内閣時代、そして、小泉内閣時代、安倍内閣時代などです。現政権は発足から間もないものの、それらに匹敵する蜜月関係を株式市場は想起しているのかもしれません。これまでの注目点は「どの程度の日柄調整があるか?」でしたが、当面は5万円水準を大納会まで維持できるか、というところへシフトしてきたように受け止めています。

2025年の重大イベント振り返り

さて、今回は毎年恒例となった「翌年(今回は2026年)の重大イベント」を取り上げてみましょう。2024年末の本コラムでは、半導体関連が大きなテーマになるのではないかとの予想に加え、参議院選挙を契機とした政治混乱、そして東証改革効果の顕在化に注目するとの見方を提示しました。結果論ですが、2025年はまさに想定した通りの展開になったように思います。半導体関連は言うに及ばず、政治面では首相が代わり、連立与党の顔ぶれも変わってしまいました。東証改革はついにグロース市場にまで及び、10月に本コラムで取り上げた通り、IPO件数が急減するという現象も引き起こしています。

一方、想定外だったのはなんといっても日経平均5万円の突破でした。基本的に相場には楽観論で臨んだ一年でしたが、5万円超まで一気に駆け上がるとは想像もできませんでした。つくづく相場は面白いなあと改めて感じた一年でした。結局のところ、史上最高値を34年ぶりに更新した2024年に引続き、2025年は強気派が成功を収めた一年と言えるでしょう。まさに、「辰年・巳年は天井(辰巳天井)」という相場格言通りの展開になったと受け止めています。

2026年に国内外で予定されている主なイベント

それでは2026年はどうでしょうか。主なイベントとしては、2-3月に冬季オリンピック/パラリンピック(ミラノ/コルティナ・ダンペッツォ大会)が、同じく3月にはワールド・ベースボール・クラシックが、6-7月にはアメリカ・カナダ・メキシコ共催のFIFAワールドカップがそれぞれ開催されます。このように見ると、2026年はスポーツイベントが目白押しです。また、6月にはスペインにある未完の世界遺産サグラダ・ファミリアの尖塔など主要部分が完成予定(全体完成予定は2034年)、米国では11月に中間選挙が予定されています。

日本に目を転じると、1-4月にガソリン・軽油の暫定税率廃止が予定されているほか、3月末にはNTTドコモのFOMAが終了、10月を目途にいわゆる「106万円の壁」の見直しが予定されています。ガソリン・軽油の暫定税率廃止や社会保険への加入が義務となる「106万円の壁」の撤廃は、それぞれ高騰する輸送コストの抑制や手取りの増加に繋がるため、実質賃金が10ヶ月連続で減少している消費者には恵みの雨になると期待したいところです。また、FOMAサービスの終了は、「iモード」サービスの終了も意味します。これにより、名実ともに携帯電話はスマホの時代へシフトすることになります。ガラケー時代に青春を過ごした者には、ちょっとした物寂しさがありますね(笑)。

注目はアメリカ中間選挙と中国の春節・国慶節

そうした中、ここでは特に米中間選挙と中国の春節・国慶節に注目したいと思います。中でも米中間選挙は、トランプ政権が推進する政策への信任投票とも位置付けられ、極めて注目度の高いイベントと言えるでしょう。それは選挙結果の帰結にとどまらず、そのかなり前から選挙への影響を勘案した動きが起きるという意味でも重要です。支持率次第では、トランプ大統領はこれまでとは異なる、あるいはより極端な内政・外交スタンスを採る可能性もあり、ひいては日本の政治・経済にも少なからず影響が及ぶものと想像します。そうした観点では、2026年に予想される米中首脳の相互訪問も、そこでどのような「ディール」が俎上(そじょう)に上がるのかが気になる重要なイベントとなります。

中国の春節(2月)・国慶節(10月)に注目するのも、冷え込む日中関係の改善進捗度を占うイベントになると考えるためです。現在、中国政府は自国民に対しての訪日自粛要請、種々の日本製品に対しての輸入制限などを展開し、直近は軍事衝突を想起させる出来事も起きています。これ以上のエスカレーションは考えたくありませんが、現実的な落としどころを模索する流れは当面続くのではと想像します。中国の大型連休となる春節・国慶節でどれだけの観光客が日本を訪れるのか、落としどころを探る中国からのメッセージになるのではと考えます。

先行不透明感の増す中、注目は内需株

株式市場におけるテーマという観点では、内需株(一般に、小売、建設、不動産、鉄道、銀行、電力・ガス、通信などのセクターの総称)に注目したいと考えます。基本的な考え方は、「まだ」は「もう」なりです。「もう」は「まだ」なりとなった2025年を見ていると、引き続きAIや防衛などを注目テーマとしたいところですが、あえてちょっと違う角度から先行きを見たいと考えました。

こう考えるのにも一応理由があります。まず、今がAIバブルかどうかは不明ですが、やはりAI銘柄への期待値が極めて高いことには議論の余地がないでしょう。どこかで反動があるはずです。また、前述の通り、世界情勢は地政学リスクを含めてかなり混沌としており、先行不透明感はさらに台頭すると予想しました。そのような中でも、ガソリン・軽油の価格低下、手取り増などは個人消費の拡大に貢献するとの見立てです。

具体的な銘柄群としては、ファーストリテイリング(9983)、鹿島建設(1812)、三井不動産(8801)、東海旅客鉄道(JR東海)(9022)、関西電力(9503)、NTT(9432)、メガバンクなどが各セクターの代表として挙げられるでしょう。

2026年は午年となり、相場格言では「午、尻下がり」となります。これは「まだ」は「もう」となる年後半に種々の反動が出てくる、というイメージとも合致します。直近2年が格言通りとなりましたが、さあ2026年はどうでしょうか。皆様、来年もよろしくお願いいたします。それでは、よいお年を!