東京市場まとめ
1.概況
11日の米国市場では、ダウ平均とS&P500株価指数が揃って最高値を更新した流れを引き継ぎ、日経平均は331円高の50,480円と反発して寄付きました。序盤から堅調な推移となり、上げ幅を拡大すると9時40分には978円高の51,127円をつけ本日の高値を更新しました。その後は利益確定の売りなどから、上げ幅を縮小し、前場は461円高の50,610円で取引を終えました。
後場も底堅い値動きとなりました。序盤は横ばい圏の値動きも、幅広い業種に買いが入り中ごろから後半にかけて上げ幅を拡大すると、最終的には687円高の50,836円で反発して取引を終えました。
TOPIXは66ポイント高の3,423ポイントで最高値を更新し反発、新興市場では東証グロース250指数が4ポイント高の657ポイントで反発となりました。
2.個別銘柄等
住友金属鉱山(5713)は9.1%高の5,952円をつけ年初来高値を更新しました。11日、銅価格の国際指標となるロンドン金属取引所(LME)3ヶ月先物が、1トン当たり1万1872ドルまで上昇し最高値を更新するなどを受け、同社の採算が改善するとの思惑から買いが入りました。
ソフトバンクグループ(9984)は一時6.9%高の18,405円と大幅高となりました。12日、ブルームバーグ通信が、同社は「データセンターを運営する米スイッチの買収に向けて協議を進めている」と報じ、これによる将来の収益貢献を期待した買いが入りました。終値では3.9%高の17,895円で取引を終えました。
三井ハイテック(6966)は4.9%安の782円をつけ続落となりました。11日、2026年1月期の第3四半期決算を発表し、営業利益が前年同期比19.5%減の92億円と、上半期からの減益率が大きくなり、業績改善への期待から株価は直近堅調に推移していたこともあって、売りが優勢となりました。
転職サイトの「ビズリーチ」を運営するビジョナル(4194)は6.2%高の10,585円をつけ3日ぶりに反発となりました。11日に発表した2026年7月期の第1四半期決算は、営業利益が前年同期比29.6%増の70億円となり、市場予想を上回る業績を好感した買いが入りました。
マーケティング支援のMacbee Planet(7095)は一時17.9%安の1,481円をつけ年初来安値を更新しました。11日、2026年4月期(今期)の当期純利益が前期比27.4%減の25億円と、これまで予想していた37億円よりも少なくなりそうだと発表し、これを材料視した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は週間で0.7%高、TOPIXは同1.8%高とTOPIXが日経平均を上回りました。足元では、米オラクル[ORCL]が下げるなどハイテクが軟調で、テック以外の業種が物色されている印象です。
来週は日銀の金融政策決定会合が18・19日で開催されるほか、日米の経済指標が数多く発表される予定です。経済指標は、15日に日銀短観、16日には11月分の米雇用統計、18日に11月分の米CPI(消費者物価指数)、19日には日本の11月分の全国CPIの発表が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
